「一人暮らしでもホテルライクな部屋を作りたい」と憧れを持つ人は多いだろう。ホテルに滞在しているような生活感がなく非日常的な空間は、自宅にいながら特別感や居心地のよさを感じられる。
とはいえ、「一人暮らし物件の6畳や8畳などのスペースでも、ホテルのようなレイアウトが叶うのか」という疑問が浮かんでくる。そこで、ここでは一人暮らしの部屋をホテルライクにするインテリアのポイントや、失敗しない家具選び、癒しの空間作りについてインテリアコーディネーターが紹介する。
ホテルライクなインテリア|一人暮らしの部屋でのポイント
ホテルライクな一人暮らしを実現するには、いかにシンプルかつ非日常的な空間を作り出せるかが肝心だ。ここでは、ラグジュアリーホテルやライフスタイルホテルのような部屋を実現させるインテリアのポイントを3つお伝えしよう。
「隠す収納」を徹底して生活感をなくす
ホテルライクな部屋は、無駄なモノがなくシンプルな空間であることが特徴だ。そのためには、モノを目につくところに置かず、「隠す収納」を徹底して生活感をなくすのが大切。
特に乱雑になりがちな家電の配線はコードボックスにまとめたり、壁に固定したりするなどの工夫が必要だ。食品のストックや日用品、色や形がまちまちな雑貨なども、中身が見えないよう収納しておくと生活感を排除できる。
逆に、ふだんよく使うモノでインテリアの一部になりそうなアイテムは「見せる収納」を意識するとよいだろう。
“生活感のない部屋づくりについては、以下の記事を参考にしてほしい”
Vol.313 生活感のない部屋づくりのコツ|すぐに実践したいミニマリスト的レイアウトのポイントとは
https://zoomlife.tokyo/koto/313
“「見せる収納」と「隠す収納」については、以下の記事で紹介している”
Vol.302 狭いリビングの収納アイデア|空間を活かして部屋をスマートに見せる収納術
https://zoomlife.tokyo/koto/302
インテリアの統一感を意識する
部屋のテーマや色を決めて、空間とインテリアに統一感を持たせることもホテルライクに近づく一歩だ。統一感があると、ワンルームや1Kの狭い部屋でもスッキリと洗練された空間を演出できる。
色を多用しすぎたり、テイストの違う家具や色を組み合わせたりするのはNG。計画性のないまま、ショップで見かけたお気に入りのインテリアを不規則に置くのもちぐはぐな印象となってしまう。
インテリアの配色の基本は3色以内。違う色味を使いたいときはトーンをそろえると視覚的にまとまった雰囲気となる。
落ち着いた雰囲気や高級感のあるアイテムを選ぶ
上質なデザインや落ち着いたカラーを取り入れることでも、ホテルのような高級感が生まれる。ファブリックやカーテンだけでなく、壁や床など部屋の大部分を占めるベースとなる部分にも高級感を持たせたい。
賃貸だと床や壁を変えるのは難しいと思うだろう。しかし、カーペットを敷いたり、ジョイントマットを利用したりすれば、高級感のあるホテルライクなイメージを作り出せる。壁にはおしゃれなアートパネルや絵画を飾るなどすると、ワンランク上の部屋作りが実現する。
ホテルライクな部屋にするための家具選びのコツ
ホテルライクな雰囲気を演出するには、家具選びも重要。家具は部屋のメインカラーとなるため、選び方次第で空間全体の雰囲気が一変するのだ。
ここでは、ホテルライクな一人暮らしを叶える家具選びのポイントを3つ紹介しよう。
収納力のある家具を選ぶ
ホテルライクな部屋を目指すなら、収納力のある家具を選ぶのがポイント。そのとき、中身の見えるチェストやラックではなく、中身の見えない扉収納を選ぶと部屋がスッキリとする。大きめの収納棚を置けないワンルームや1Kの狭い部屋は、収納付きのベッドやベンチチェストを選ぶことで解決できる。
光沢のある素材で高級感を出す
光沢のある素材や質感がわかる素材を選ぶのも、高級感を演出するポイントだ。光沢のある素材としておすすめなのはベルベット生地。上品な光沢があり、癒し効果も抜群なため、ソファやカウチベッドなどに採用するとよい。
家具に合わせて、ファブリックやカーテンも光沢のある素材を選ぶと統一感が生まれてホテルライクな部屋に近づく。
色はモノトーンを意識する
配色を考えるときは、モノトーンを意識するのが基本となる。ホワイト・グレー・ブラックをベースに考えると失敗が少ない。ただし、選ぶ色の明るさによって部屋の雰囲気が変わるため、どんな部屋にしたいのかイメージすることが前提だ。
具体的には、部屋の雰囲気を明るくしたいならホワイト、落ち着いた雰囲気に明るさをプラスしたいならグレー、重厚感を出したいならブラックがおすすめ。くすみカラーが好きならグレージュもよい。グレージュは、おしゃれで透明感のある雰囲気が演出できる。
さらにくつろぎの空間にするための工夫
インテリア以外でホテルライクなイメージづくりに欠かせないのは「癒し」を取り入れること。ここではホテルライクインテリアでくつろぎの空間を演出する方法を3つ紹介する。
自分好みのリラックスできるアイテムをいくつかプラスして、快適な一人暮らしを実現させよう。
間接照明を複数設置して、空間にメリハリをつける
照明も部屋の印象を左右する重要なポイントとなる。ホテルに泊まったときのような非日常的な空間にワクワクしたり、リフレッシュしたりする効果が期待できる。
シーリングライトは、オン・オフだけでなく調光機能付きの照明を選ぼう。その他、高低差のある間接照明をいくつか設置し、空間にメリハリを出すことで立体感のあるホテルライクな空間が作り上げられる。
間接照明の色味は白色や青みがかった寒色系ではなく、オレンジ色の暖色系を選ぶと癒し効果を実感できるだろう。
“一人暮らしの部屋の照明はこの記事を参考にしてほしい”
Vol.407 照明にこだわれば一人暮らしの部屋はもっとおしゃれで快適に。インテリアとしての照明器具の選び方
https://zoomlife.tokyo/koto/407
アロマディフューザーやキャンドルなどの香りで、おしゃれさを演出
ホテルライクな部屋を目指すには、香りのあるインテリア小物を置くこともマスト。アロマディフューザーやキャンドルがある部屋は、一気にラグジュアリーな雰囲気を出してくれるうえに癒し効果ももたらしてくれる。近年はインテリア性の高い高級感あるパッケージの商品も増えているので、ホテルライクな部屋づくりに最適。
部屋のテイストや好みに合わせて、香りをインテリアの一部として取り入れてみよう。
“ルームフレグランスのおすすめの選び方、使い方についてはこの記事を参考にしてほしい”
Vol.280 おすすめのルームフレグランスで空間を演出。使い方やこだわりのブランド
https://zoomlife.tokyo/mono/280
観葉植物を置いて、グリーンや癒しをプラス
観葉植物を部屋のコーナーや棚に置くのも、ホテルライクな部屋づくりにはピッタリ。観葉植物は癒し効果が期待できるだけでなく、主張しすぎないアクセントカラーにもなってくれる。その際、背の高い大きめの観葉植物を選ぶと、一層ホテルライクなインテリアが叶う。また、収納棚の上に背の低い観葉植物をいくつかまとめて飾ると、おしゃれなフォーカルポイントにもなる。
観葉植物は、シンプルすぎて無機質になりがちなホテルライクの部屋に、自然の安らぎを与えてくれるアイテムとなるだろう。
“日陰が多い間取りなら、以下の記事を参考にしてほしい”
Vol.286 日陰でも育つ観葉植物|グリーンのある暮らしを楽しむコツ
https://zoomlife.tokyo/koto/286
“観葉植物を吊るす「ハンキンググリーン」については、以下の記事が参考になる”
Vol.332 観葉植物は吊るすだけでグッとおしゃれに。インテリアに合わせたハンギング方法
https://zoomlife.tokyo/koto/332
“一人暮らしでも育てやすい観葉植物の選び方は、以下の記事で紹介している”
Vol.400 一人暮らしの観葉植物の選び方|育てやすい植物やおしゃれに飾るポイント
https://zoomlife.tokyo/koto/400
ホテルライクなインテリアで、シンプルかつ非日常的な一人暮らしを叶えよう
ホテルライクな暮らしは、自宅にいながらホテルに滞在しているような特別感や居心地のよさを感じられる。ワンルームや1Kの一人暮らしでも、シンプルで非日常的な空間を演出できれば、ホテルライクな部屋づくりが叶う。
家具やファブリックなどのインテリアは、素材やテイストをそろえて高級感のあるモノを選ぶのがカギとなる。香りやグリーンもプラスすればさらにくつろぎの空間になるため、こだわってみてはいかがだろうか。
CURATION BY
自然大好きのWebライター。
インテリアコーディネーターの資格を活かし、インテリアやリフォームなど暮らしに役立つ記事を発信中。本当に必要なものだけ部屋に置いてシンプルに暮らしたい。