Vol.286

KOTO

12 NOV 2021

日陰でも育つ観葉植物|グリーンのある暮らしを楽しむコツ

グリーンのあるおしゃれな部屋づくりをしようとしたが、日陰が多い間取りのせいか観葉植物が枯れてしまった……。そんな経験はないだろうか。 日陰の多い部屋でもグリーンのある暮らしを楽しむには、観葉植物の種類と置く場所に注意をすること。あとはちょっとしたコツをつかめば、日陰でも観葉植物を育てることは可能だ。おうち時間の増えた今、リラックス効果のあるグリーンをインテリアに取り入れて、暮らしを楽しむ方法を提案したい。

日陰でも育つ観葉植物とは

日当たりの悪い部屋でも窓際なら日差しが届く

「日陰でも育つ」の意味とは

「日陰でも育つ」とは「日光量が少なくても育つ」という意味で、まったく日光がなくてもよいわけではない。また、すべて観葉植物が日陰に強いとも限らない。光合成で養分をつくっている植物にとって、日光は生命活動に必要なエネルギーとなる。

室内でも育てられる観葉植物を大まかに3つに分類してみると、以下のようになる。
・室内で日当たりのよい窓際を好むもの
・室内でときどき日に当てる必要があるもの
・室内の日陰や湿気のある場所を好むもの

このように、日光の必要量は植物の種類によって異なるのだ。

日当たりを好む観葉植物を日陰に置きっぱなしにしてしまうと、うまく成長できず枯れてしまうだろう。また、日陰や湿気を好む観葉植物を日当たりのよい窓際に置けば、葉焼けの原因となり、株を弱らせてしまう。観葉植物を購入する際は、室内のどこに置きたいのかを考えてから選びたい。
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室内でも部屋によって日当たりは異なる

ひとことで「室内」といっても、部屋の向きや場所によって日当たりは異なる。リビング・ダイニング、キッチン、玄関などの置き場所をはじめ、ベランダや小窓の有無によっても日光量に差が出てくるもの。そのため、もしあまり日の当たらない部屋に住んでいるなら、「日陰に強い」観葉植物を選ぶ必要があるだろう。

一方で、部屋自体には日が当たらなくても、ベランダや窓からときどき日に当てることができる環境なら、室内向けの観葉植物は育てやすい。

バスルームやデスク周りに置くなら、特に日陰に強い植物を

観葉植物はバスルームにも置くことができる。バスルームは湿気が多いため、日陰にも湿気にも強い植物を選ぶとよいだろう。

また、デスク周りは直射日光を避けてレイアウトをしていることが多いため、多肉植物やエアープランツなどを選ぶのがおすすめだ。ほとんど日の当たらない場所であっても、特に日陰に強い植物を選ぶことで十分に育てられる。

場所ごとのおすすめ|日陰に置きたい観葉植物

日陰で上手に観葉植物を育てるには、置きたい場所にあわせて観葉植物を選ぶことが大切だ。ここからは、室内の置き場所ごとにおすすめの観葉植物を紹介する。

リビングにおすすめの「カポック」

丸みのある葉が可愛らしいカポック
カポックは耐陰性があるので、日陰のリビングでも育てることができる。ただし日光を好むので、ときどき窓際でレースカーテン越しの日に当ててあげよう。逆に、直射日光に当たると葉焼けを起こしてしまうので、ベランダでの長時間の日光浴は禁物だ。

キッチンにおすすめの「アイビー」

日陰に強いアイビー。葉の模様の違いを楽しみたい
日陰に強いアイビーは、風通しのよい場所がおすすめ。繁殖力が強く、カットした葉を水にさすだけで簡単に根が生えてくるほどだ。

小さな鉢にアイビーを植えるととても可愛らしい。キッチンに置けば調理のたびにその存在に癒される。壁にかけたり、吊り下げたりする「ハンギング」との相性もよいので、ちょっとしたスペースに飾ることができるだろう。

玄関には大きめの「ドラセナ」がおすすめ

ドラセナ・マルギナータ。人気のドラセナ属は品種が豊富。
インテリアとして定番のドラセナ属の中でも、近頃人気を集めるのが「ドラセナ・カンボジアーナ」だ。大きく育ちやすいため存在感があり、リゾート感を演出できる。風通しのよい場所を好むので、人の出入りがある玄関に置くのがおすすめだ。観葉植物の中でも特に日当たりを好む性質があるので、よく晴れた日には日光浴をさせてあげよう。ただし直射日光に長時間当てないように気をつけたい。

冬期は10℃以下になると株が弱ってしまうため、リビングに移動させるなど、住まいの環境にあわせて場所を変えてあげよう。

デスク周辺には育てやすい「ポトス」がおすすめ

定番のポトスは初心者にも育てやすい
ポトスは美しいライムグリーン色のものや斑入りのものなど、葉の種類の豊富さが魅力的な観葉植物だ。デスク周りに置けばぱっと華やかな雰囲気になり、1年中グリーンを楽しめる。とても丈夫な品種のため、伸びた葉をカットして水にさしておけば、簡単に株を増やすこともできる。週に一度、窓際かベランダで日光浴をさせてあげよう。

湿気の多いバスルームには「アジアンタム」が最適

シダ植物のアジアンタム。やわらかく繊細な葉が特徴的だ
アジアンタムはシダの仲間で日陰や湿気を好むため、日の当たりにくいバスルームにおすすめの観葉植物だ。急な日光照射を嫌うので、ベランダなどで日光浴をさせる必要はない。バスルームが蒸れないように風通しをよくして新鮮な空気を確保しよう。もし置き場所を変えたいときは、バスルームと同じくらいの日陰の部屋を選ぶとよい。

日陰でも観葉植物を上手に育てるコツ

室内でも育てられる植物であっても、日陰にずっと置いておくと日照不足により徒長(とちょう)しやすい。徒長とは、植物の茎が日光を求めてひょろひょろと伸びてしまうことだ。また、いつも同じ場所に同じ向きで置いておくと、葉の成長が一方に傾く原因になってしまう。日陰でも観葉植物を美しく健康的に育てるために、以下のような対策をしよう。

朝の日光を入れて風通しをよくする

観葉植物は、毎日細かな手入れをする必要はない。朝起きたら窓を開けて、風を入れよう。人間にとって心地よい環境は植物にとっても心地よいものだ。

朝の時間にゆとりがあれば、ほんの少しだけでも窓際に置いてあげたり、鉢の向きを変えてあげたりするなど、まんべんなく日光に当たるようにするとさらによいだろう。

ときどき外気浴をさせよう

休日の晴れ間に洗濯ものを干すとき、観葉植物もいっしょに屋外へ出してみよう。ベランダがあるなら週に一度くらい、観葉植物を日に当てるとよい。また、場所を変えてみるのもおすすめだ。キッチンに置いていたものをリビングに、リビングに置いていたものを玄関に置き替えてみると、いつもと違う部屋の雰囲気を楽しめる。

葉についたホコリはこまめに拭く

葉に霧吹きをすると緑がいきいきとする
観葉植物の葉にホコリがたまると、葉の色がくすんで見た目が悪くなる。こまめにホコリを拭いて、きれいな葉を保てるようにしよう。定期的に葉を拭いてあげれば、観葉植物の天敵であるハダニやカイガラムシなどの害虫も予防できるだろう。

ホコリが多い場合には、葉に霧吹きをする「葉水」を行うとよい。葉水を与えると緑がいきいきとよみがえってくる。霧吹きをしたあとは軽く水気を拭き取り、蒸れないようにしよう。

水やりのしすぎには注意しよう

枯らせないようにと毎日水やりをしていると、土が湿りすぎて根腐れを起こしてしまう。根腐れとは、根の先端から徐々に植物が腐ってしまうことだ。植物は根からも酸素を吸収しているため、水はけが悪く常に土が湿っていると根が窒息してしまうことに注意したい。土の表面が乾いたタイミングで、たっぷりと水やりをするようにしよう。

日陰でも育つ観葉植物でリラックスできる空間を演出しよう

いきいきと成長したグリーンに癒される生活を
観葉植物にも個性があり、日当たりを好むものと、日陰を好むものとがある。性質にあわせて手入れすることでのびのびと生育でき、新しい芽やちょっとした変化に癒されることができるだろう。日陰の多い間取りでも元気に育つ観葉植物を選んで、グリーンのある暮らしをめいっぱい楽しんでほしい。