スマホ撮影のコツ① 主役を明確にする
フォトグラファー/ (株)Pash 代表 田中達晃
https://www.instagram.com/pashcamera
スマホカメラは、基本的にボケない
田中「プロが使う一眼レフカメラなどは被写体のみにピントが合い、その他がボケることでメリハリのある仕上がりとなります。しかしスマホは写る部分すべてにピントが合いやすい仕様となっているため、主役が分かりづらい写真になってしまうんです」。
スマホ撮影の際はシャッターを押す前に「何を主役にしたいのか」を考えよう。
一眼並みの写真になる?ポートレート機能の上手な使い方
田中「ポートレート機能をうまく使うコツは、主役となる被写体と背景の“距離”を遠ざけること。被写体が背景に近い状態だと、ポートレート機能があまり効果的に機能せず、うまくボケません。主役だけにしっかりとピントが合うよう、奥行きを出すことを意識してみてください」。
主役を引き立たせる鍵は、背景にあり
田中「背景処理とは、画面内の主役以外の部分を整理して、主役をより引き立てるようにする作業のこと。プロの写真家がよく使う専門用語です。主役より目立つものは画面から外れるよう動かしたり、被写体の後ろに隠れるよう撮る位置を調整したりします」。
すぐにできるテクニックのため、スマホ撮影の際もうまく背景処理を行ってみよう。
スマホ撮影のコツ② 光の当て方にこだわる
雰囲気のある写真が撮れる、半逆光テクニック
田中「半逆光とは、被写体に斜め後ろから光が当たっている状態のこと。半逆光で撮影すると被写体に影がつき、陰影のある完成度の高い写真になるんです。」
まずは被写体が逆光になる位置を探し、そこから45°ずれた場所で撮影してみると半逆光の写真を撮ることができる。ぜひ試してみよう。
美しい景色を際立たせる光の向きとは?
田中「風景などの大きいものは、順光で撮影すると色がしっかり出て美しく見えるんです。なので、撮影者は太陽を背にして景色を撮ってみてください」。
人を“美しく見せる光”と、”かっこよく見せる光”の違い
田中「女優さんなど、その人を美しく見せたいときは順光で撮影します。そうすると影を飛ばすことができるため、肌が綺麗に見えるんです。逆にかっこよく見せたいシーンでは、陰影がしっかり出た方がいいためサイド光(横から光が来ている状態)で撮影します」。
スマホ撮影のコツ③ 構図にひと工夫加える
「三分割法」を意識すると、バランスのいい写真に
田中「画面の縦横を3等分して、線が交わるポイントやその線上に被写体を置くと画が安定するんです。背景も、たとえば画面の3分の2を壁、3分の1を植物にするなど常に3分割を意識しています。この構図の決め方を“三分割法”といいます」。
iPhoneの場合、「設定」→「カメラ」→構図の「グリッド」をオンにすると、撮影画面に3等分のグリッド線が入る。この線を目安にしてバランスのいい構図を作ってみよう。
スマホを180°回転させる、上級テクニック
おすすめのスマホカメラアプリ
田中「『Dazzカメラ』というアプリがおすすめです。私がオールドレンズ好きというのもあるのですが、フィルムカメラ風のフィルターが何種類もあって、いろいろな雰囲気の写真を楽しめるんです。基本的には無料で使えるので、ぜひチェックしてみてください」。
撮影テクニックを覚えたら、カメラ初心者でも本格的な写真が撮れる
今回ご紹介したテクニックも使いながら、たくさんの思い出をスマホカメラに収めてほしい。
監修協力 フォトグラファー/ (株)Pash 代表 田中達晃
企業200社以上・芸能人180名以上の撮影実績あり。
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