Vol.498

KOTO

24 NOV 2023

スマホで雰囲気のある写真を撮るには?プロカメラマンが教える、簡単撮影テクニック

記録や記憶に残しておきたいものがあれば、スマホですぐ撮影できる時代。今やカメラは、誰でも当たり前に使えるツールとなっている。しかし、撮影自体は簡単にできても「雰囲気のあるいい写真」を撮るのはなかなか難しいもの。誰しも一度は、「どの角度から撮ってもいい感じの写真にならない…」と悩んだ経験があるのではないだろうか?そこで今回は、業界歴30年のプロフォトグラファーに「スマホで上手に写真を撮るコツ」を聞いてみた。

スマホ撮影のコツ① 主役を明確にする

レクチャーしてくれるフォトグラファーの田中氏

フォトグラファー/ (株)Pash 代表 田中達晃

商業広告や採用広告、モデル撮影、イメージフォトなど、多岐にわたる写真撮影を手がけるプロフォトグラファー。企業200社以上・芸能人180名以上の撮影実績あり。
https://www.instagram.com/pashcamera

スマホカメラは、基本的にボケない

スマホ撮影においてまず大切なのが、主役をはっきりさせること。なぜなら、スマホカメラは基本的にピンボケすることがないからだ。

田中「プロが使う一眼レフカメラなどは被写体のみにピントが合い、その他がボケることでメリハリのある仕上がりとなります。しかしスマホは写る部分すべてにピントが合いやすい仕様となっているため、主役が分かりづらい写真になってしまうんです」。

スマホ撮影の際はシャッターを押す前に「何を主役にしたいのか」を考えよう。

一眼並みの写真になる?ポートレート機能の上手な使い方

前述した「ボケない」という問題を解決するのが、近年多くのスマホに搭載されているポートレート機能だ。被写体以外がボケるため、まさしく一眼レフカメラのような仕上がりが期待できる。

田中「ポートレート機能をうまく使うコツは、主役となる被写体と背景の“距離”を遠ざけること。被写体が背景に近い状態だと、ポートレート機能があまり効果的に機能せず、うまくボケません。主役だけにしっかりとピントが合うよう、奥行きを出すことを意識してみてください」。

主役を引き立たせる鍵は、背景にあり

主役をしっかり目立たせるためには、背景処理も欠かせない。

田中「背景処理とは、画面内の主役以外の部分を整理して、主役をより引き立てるようにする作業のこと。プロの写真家がよく使う専門用語です。主役より目立つものは画面から外れるよう動かしたり、被写体の後ろに隠れるよう撮る位置を調整したりします」。

すぐにできるテクニックのため、スマホ撮影の際もうまく背景処理を行ってみよう。

画面を見ながら、主役を引き立てる「背景処理」を丁寧に行っていく

スマホ撮影のコツ② 光の当て方にこだわる

逆光、順光、半逆光など、撮るものにあわせて光の角度を調整するのがポイント

雰囲気のある写真が撮れる、半逆光テクニック

写真の完成度を高めるためには、やはり光にもこだわりたい。特に料理や雑貨など、おしゃれな雰囲気を出したいときは“半逆光のテクニック”を使うのがおすすめだ。

田中「半逆光とは、被写体に斜め後ろから光が当たっている状態のこと。半逆光で撮影すると被写体に影がつき、陰影のある完成度の高い写真になるんです。」

まずは被写体が逆光になる位置を探し、そこから45°ずれた場所で撮影してみると半逆光の写真を撮ることができる。ぜひ試してみよう。

美しい景色を際立たせる光の向きとは?

自然や街並みなどの景色は、順光(光が被写体の真正面に当たっている状態)で撮影するとよい。

田中「風景などの大きいものは、順光で撮影すると色がしっかり出て美しく見えるんです。なので、撮影者は太陽を背にして景色を撮ってみてください」。

人を“美しく見せる光”と、”かっこよく見せる光”の違い

人物を撮影する際には、タイプに応じて2つの撮り方を使い分けると田中氏は語る。

田中「女優さんなど、その人を美しく見せたいときは順光で撮影します。そうすると影を飛ばすことができるため、肌が綺麗に見えるんです。逆にかっこよく見せたいシーンでは、陰影がしっかり出た方がいいためサイド光(横から光が来ている状態)で撮影します」。

「光の陰影を操れると、一気にプロ顔負けの写真になります」と田中氏

スマホ撮影のコツ③ 構図にひと工夫加える

田中氏がスマホで撮影した作品。地面に鏡を置き、視点を下げて撮ることで、水面に反射したような美しい仕上がりとなっている

「三分割法」を意識すると、バランスのいい写真に

写真には「人が気持ちよさを感じるバランスのいい構図」というものがある。

田中「画面の縦横を3等分して、線が交わるポイントやその線上に被写体を置くと画が安定するんです。背景も、たとえば画面の3分の2を壁、3分の1を植物にするなど常に3分割を意識しています。この構図の決め方を“三分割法”といいます」。

iPhoneの場合、「設定」→「カメラ」→構図の「グリッド」をオンにすると、撮影画面に3等分のグリッド線が入る。この線を目安にしてバランスのいい構図を作ってみよう。

iPhoneのカメラは、設定すれば撮影画面に3等分のグリッド線を入れることが可能

スマホを180°回転させる、上級テクニック

プロが撮影したような趣向を凝らした写真を撮りたいと思ったときは、カメラが下に来るようスマホを180°回転させ、地面につけた状態で撮影してみよう。

スマホを逆さにする撮影テクニック。物撮りのほか、景色や動物を撮る際も活用できる
田中「視点がグッと下に移動することで、いつも見ている景色とは違う見え方になって面白いですよ。太陽の位置によっても変わりますが、陰影もつきやすく生き生きとした画になります。犬や猫などの動物の撮影にも、このテクニックはおすすめです」。

おすすめのスマホカメラアプリ

カメラアプリを使うことで、ひと味違った写真が楽しめる
最後に、田中氏におすすめのカメラアプリを聞いてみた。

田中「『Dazzカメラ』というアプリがおすすめです。私がオールドレンズ好きというのもあるのですが、フィルムカメラ風のフィルターが何種類もあって、いろいろな雰囲気の写真を楽しめるんです。基本的には無料で使えるので、ぜひチェックしてみてください」。

『Dazzカメラ』の操作画面。豊富な種類からお気に入りのフィルターを選べるのが嬉しい

スマホカメラで普通に撮影したもの 

『Dazzカメラ』で実際に撮影した写真。CT2Fというフィルターを使用

スマホカメラで普通に撮影したもの 

『Dazzカメラ』で実際に撮影した写真。CCD Rというフィルターを使用

スマホカメラで普通に撮影したもの 

『Dazzカメラ』で実際に撮影した写真。CPM35というフィルターを使用

撮影テクニックを覚えたら、カメラ初心者でも本格的な写真が撮れる

こちらは、スマホカメラで普通に撮影した写真

そしてこちらが、今回のアドバイスを踏まえて撮影した写真。主役であるシュークリームの存在感が増し、より美味しそうに見える一枚が撮影できた
最後に田中氏は「撮影は1ショットだけで終えるのではなく、角度や撮る位置を変えながら何枚も撮ることが大事。被写体をよく観察して諦めずにシャッターを押し続けると、カメラ初心者でも案外いい写真が撮れるんですよ」と教えてくれた。

今回ご紹介したテクニックも使いながら、たくさんの思い出をスマホカメラに収めてほしい。

監修協力 フォトグラファー/ (株)Pash 代表 田中達晃

商業広告や採用広告、モデル撮影、イメージフォトなど、多岐にわたる写真撮影を手がけるプロフォトグラファー。
企業200社以上・芸能人180名以上の撮影実績あり。

https://www.instagram.com/pashcamera