Vol.317

KOTO

01 MAR 2022

アボカドの育て方とは?水耕栽培で種から育てて実を収穫する方法

サラダや刺し身としてはもちろん、料理に加えてもおいしく栄養価が高いアボカドは、「森のバター」とも呼ばれ多くの人に親しまれている食材だ。アボカドを料理する際に、実の中心にある大きな種を捨てるのはもったいないと感じたことのある人も多いだろう。 アボカドの種は、発芽させて鉢に植えれば育てることができるのをご存じだろうか。アボカドはおいしく食べたあとも、観葉植物としてインテリアに活用できるのだ。ここではアボカドの植え方や水やり、剪定などについて詳しく紹介していく。

アボカドの育て方|青果市場で買ったアボカドの種は植えられる?

アボカド栽培は、身近で買ったアボカドを使えるのが魅力
アボカドを栽培する場合は、アボカドの種と容器、爪楊枝の3つを用意する。まずはアボカドを育てる基本的なやり方から見ていこう。

アボカドを種から育ててみよう

通常、アボカド栽培は苗を購入して始められることが多いが、種から育てる場合はスーパーで買ったアボカドを使用しても問題ない。ただし、直前まで冷蔵庫に入って冷えていた種や、実から取り出されて乾燥した種は発芽しづらいため、食べる前に常温に戻しておこう。

種を取り出すときはアボカドを半分に切り、包丁の角を種に刺して左右に動かすとうまくいく。種の表面に少し傷が入る程度なら問題ないが、心配な場合はスプーンを使って取り出そう。取り出した種は丁寧に洗って、ぬるぬるした部分はきれいに洗い流すのがポイント。乾燥に弱いため、すぐに植えられるように必要な準備をしておくことが大切だ。

インテリアにするなら水耕栽培がおすすめ

アボカド栽培には、インテリア性抜群の水耕栽培がおすすめ
せっかく部屋でアボカドを育てるなら、インテリアとして活用したい。水耕栽培は白い根が育つ様子が観察でき、おしゃれなインテリアになるのでおすすめだ。成長する様子を見られるので、毎日眺めるのが楽しくなるにちがいない。

水耕栽培に使用する瓶は、根が育つスペースを考慮して十分な深さのあるものを選びたい。瓶に水を入れたら、種の尖っていない側を下にして3分の1ほど水に浸かるように固定する。不安定なときは種に3〜4本爪楊枝を刺して固定しよう。芽のもとになる胚は種の尖っていない側の中心部にあるため、傷つけないように注意したい。置く場所は日当たりのよい場所が最適だ。

上手に発芽させるためには気温の調節が必要

アボカドはもともと温暖な地域で栽培されているため、日本で育てるときも気温には十分注意しなければならない。春夏秋冬の気温変化がある日本では、一般的に春~夏ごろに植えるのがよいといわれている。アボカドの種は15〜20℃以上の気温でなければ発芽しない。そのため単に時期を考えるだけではなく、育てる場所が室内なのか屋外なのか、エアコンの温度設定が可能なのかによって、植える時期を選ぶことが大切だ。また、アボカドを育てるには暖かい時期が最適だが、気温が高いと水が腐敗するのも早いため、毎日水を取り替えるようにしよう。

成長の早いアボカド。水やり剪定の方法は?

タイミングを見計らって、水耕栽培から鉢植えへ移行しよう
アボカドは成長がとても早いのが特徴で、自然界では高さ20m以上の巨木になることもある。水耕栽培や植木鉢で育てるならば、木を傷めないよう適切な管理が必要だ。ここでは、水やりや剪定の方法を解説する。

根がいっぱいになったら鉢上げのタイミング

アボカドの水耕栽培は、順調ならば1ヵ月ほどで発芽する。根がどんどん伸びて窮屈そうになったり、大きな葉がついてバランスが不安定になったりしたら、水耕栽培のやめどきだ。植木鉢と培養土で育てる準備を始めよう。

爪楊枝を使っていた場合は抜いてもよいが、抜く際に種が割れる可能性があるので注意したい。種が割れて根を傷めると、土でうまく育たない可能性があるのだ。爪楊枝を刺したままでも問題ないので、気にならなければそのまま植えることをおすすめしたい。

また、アボカドの根はとても折れやすいため、土を被せる際は慎重にしよう。水耕栽培で育てたアボカドの根は野草の根っこのようにしっかりしておらず、「もやしくらいの硬さ」と表現する人もいるほど。また、うまく鉢上げできた場合も、鉢上げ直後の根は乾燥に弱いため、しばらくはたっぷりと水やりを行うことを心がけよう。

水切れ・育ちすぎに注意

アボカドは水を好む植物であるため、夏は週に2〜3回、冬は週に1回程度の水やりが必要だ。特に、水耕栽培から鉢上げした直後のアボカドは根が水に浸かっていることに慣れた状態のため、多めに水やりしたいところ。鉢植え後の1週間はたっぷりと水やりを行い、2週目からは季節に合わせた量にしよう。

育てる条件によっても異なるが、水やりは土の表面が乾いているときに行うとよい。また、アボカドは背の高い木になりやすいため、垂直に伸びる枝は剪定・摘芯するのがポイントだ。放っておくと部屋を圧迫する高さになることもあるため、こまめに樹形をととのえよう。

2年ごとに大きな鉢へ植え替えを検討

アボカドは発芽するとどんどん成長し、根も大きく張る。そのため、鉢のサイズが合っていないと、中で根が伸びる余地をなくして根詰まりを起こし、枯れる原因になってしまう。鉢の底穴から根が出ていたら植え替えのタイミングなので、忘れないようにしたい。

とはいえ、頻繁に植え替えをする必要はなく、植え替えは2年に1度程度がちょうどよい。今使用している鉢植えよりひと回り大きく深い鉢を用意すると安心だ。大きく育てずに今の状態を維持したい場合は、同じくらいの鉢植えを用意しよう。植え替え時期としては5〜6月なら生育が安定しやすくおすすめだ。

自宅で楽しむアボカド栽培。実を収穫できる育て方

元気なアボカドを育てたいなら屋外での栽培にチャレンジしよう
せっかくアボカドを育てるなら、実がなる姿を見てみたい。アボカドの収穫時期は11~12月ごろだが、実らせるためにはどのように育てればよいだろうか。

実生苗のアボカドは実をつけるまでに約5年

種から育てた苗である実生苗でアボカドが結実するまでには、4〜6年ほどの期間が必要だといわれている。実をつけるのを待つには長すぎる期間だ。しかし、ここで発想の転換をしてみてはいかがだろうか。アボカドの結実を目的にするのではなく、アボカドの木を観葉植物として育て、実がついたら幸運と考えるのだ。大きな緑色の葉が美しく涼しげなアボカドの木は、観葉植物としてインテリアの主役になるにちがいない。

結実させるなら屋外での栽培がベスト

本格的にアボカドを結実させたい場合は、室内ではなく屋外での栽培を視野に入れよう。アボカドを元気に育てるためには十分な日光が必要だが、窓越しでは紫外線がカットされる場合があり不向きなのだ。

アボカドは、関東南部より西の地域であれば、通年屋外での栽培が可能といわれている。ただし苗が小さいうちは寒さに弱いため、冬場は北風をよけるためビニールシートを張って防寒対策を行う必要がある。さらに気温が5℃以下になる場合は室内へ移動させ、日当たりのよい場所に置いておこう。

木が1本だけなら人工授粉が必要

アボカドが1本なら人工授粉に挑戦してみたい
アボカドは春に黄色い小花を咲かせるが、実は1つの木に雄花・雌花を咲かせる特徴がある。しかも、その花々の開花時期は異なるため、木が1本の場合は自然に受粉できないのだ。

人工授粉に挑戦する場合、雄花が咲いたら花粉がこぼれないよう花を取り、鮮度を保つため冷蔵庫で保管しておこう。雌花が咲いたら、綿棒や筆で雄花の花粉を採ってめしべにつけると授粉させられる。アボカドの木が1本でも結実させることが可能なので、ぜひ挑戦してみてほしい。

授粉に成功すると、時間をかけて実が大きくなる。収穫時期は秋から冬になるため、辛抱強く待ってみよう。

アボカドの種からの育て方を押さえて部屋にグリーンを

たとえ実がならなくても、アボカドの木は観賞用として楽しめる
アボカドを食材としてしか捉えていない人もいるだろう。そのアボカドを食べたあとに残る種を育てて新たな実を収穫するというのは、なんと夢のあることだろうか。しかし残念ながら、アボカドは実際には結実までに時間がかかり、技術的にもガーデニング初心者には難しい。そのため観葉植物として楽しむのがよいかもしれないが、どのように楽しむかは育て始めてから考えても遅くない。ぜひ生命力豊かなアボカドの栽培を楽しんでみてはいかがだろうか。