Vol.236

FOOD

21 MAY 2021

絶品タコライスの作り方とは?自宅で簡単、本格的な味付けのレシピ

庶民的でありながら、おいしく食べられる「B級グルメ」。B級グルメは、2006年の「B-1グランプリ」の開催で注目を集め、リーズナブルでおいしい料理として現在にいたるまで安定の人気を博している。その中でもひときわ異彩を放つのが、外国の料理なのか日本の料理なのか発祥がわからない「タコライス」だ。 B級グルメはテイクアウトやお店で食べるイメージがあるが、タコライスは自宅でも簡単に調理できる。ここではメインの具材やトッピング、ソースを作る手順を紹介しつつ、自宅で作るこだわりレシピやアレンジについてもお伝えしたい。

沖縄発祥の「タコライス」とは。人気B級グルメの魅力に迫る

タコライスは日本発祥。沖縄で生まれたB級グルメ

タコライスの歴史

タコライスを外国の料理と思っている人は案外多いかもしれない。実は、タコライスは伝統的なメキシコ料理である「タコス」を日本風にアレンジした料理だ。タコスは、ひき肉や玉ねぎ、野菜、チーズなどの具材を、トウモロコシから作られた生地を薄くのばして焼いた「トルティーヤ」に挟んで食べる。タコスで使用されるそれらの具材を、ごはんの上に乗せて食べる料理をタコライスという。タコスとライスを組みあわせてできたため、タコライスという名前になった。

タコライスは沖縄県金武町の「パーラー千里」で誕生し、閉店後の現在は系列店の「キングタコス」がその味を受け継いでいる。おいしくてボリュームがあり、且つリーズナブルに提供できるメニューとして、当時お金に余裕のなかった若い米兵たちに向けて考案された。タコライスは現在、B級グルメとして全国的に人気を博しており、ニューヨークやロサンゼルスなどアメリカをはじめとした海外にまでその人気は広がっている。

タコライスの基本を押さえてアレンジレシピに挑戦したい

タコライスのレシピは、ひき肉を炒めたタコスミートと野菜、チーズなどのトッピングをごはんに乗せ、サルサソースをかけるのが基本だ。タコライスが誕生した当初は野菜とチーズは自由にトッピングするようにしていたが、最近では多くの人が野菜を乗せることを好むため、よりヘルシーなレシピが一般化したという。

自宅で作るときには具材や味付けを変更して、さまざまなアレンジができるのもタコライスの魅力だ。ここからはタコスミートやトッピング、ソースのこだわりたいポイントをお伝えしたい。

チリパウダーで味付けしたタコスミートが食欲をかきたてる

案外簡単に作れるタコスミート。ぜひ挑戦してみてほしい

タコスミートはピリ辛の味付けで香ばしく

タコライスには、基本的にタコスと同じ具材が使われる。ちがうのはトルティーヤとライスくらいだ。タコスミートは、ひき肉とみじん切りの玉ねぎにチリパウダーやこしょうなどのスパイスを使い、ピリ辛に味付けする。ここでは、タコスミートの基本レシピを紹介する。

「タコスミート」の基本レシピ

具材は、ひき肉(200g)、玉ねぎ(1/4個)。味付けはケチャップ(大さじ3)、ウスターソース(大さじ1)、チリパウダー(小さじ1/2)、にんにく(2片)、オリーブオイル・白ワイン・塩・こしょうを適量。

最初に玉ねぎ、にんにくをみじん切りにし、玉ねぎは電子レンジで加熱(500W/2分)しておく。フライパンにオリーブオイルを熱し、ケチャップ、ウスターソース、チリパウダー、にんにくを混ぜあわせながら香りが出るまで弱火で炒める。

玉ねぎを投入し、ねっとりとしてくるまで加熱したら、ひき肉を加えて炒める。白ワインを適量加えたらアルコールを飛ばすのを忘れずに。焦がさないように注意しながらしっかりと火が通るまで炒め、塩とこしょうで味を整えてできあがり。

タコライスなら「ミート」以外も。メイン具材のアレンジに挑戦

タコライスといえば、ひき肉を使うイメージがあるかもしれないが、ひき肉ではなくサバ缶を用いたアレンジもできる。その場合はしょうゆやみりんを使って、和風の味付けにしたい。

また豆腐や豆、ソイミートをひき肉の代わりに使うことによって、野菜中心の料理に仕上げることもできる。その場合はトッピングもプラントベースにこだわって、アボカドやスライスオニオン、ドライトマトをあわせたい。ナッツ類をくだいて散らすのもおすすめだ。

肉を使う場合も、牛豚の合いびき肉の比率を自分好みのものにするとよいだろう。同じ合いびき肉でも、比率によって味わいが変わってくる。自分にぴったりな具材や味付けを見つけるのも、タコライスを自宅で作る楽しみの1つだ。

簡単なのに本格的。タコライスのレシピはトッピングにこだわりたい

本格的なタコライスにはチェダーチーズをトッピングしたい

熱々のタコスミートの上でとろけるチーズを楽しむ

タコライスにはチーズが欠かせない。簡単に手に入る「ピザ用チーズ」は加熱調理することが前提の食品なので、多くの人がレンジで温めるだろう。しかし野菜をトッピングした後にチーズを乗せて加熱すると、野菜のフレッシュな食感が失われてしまうのが気になるところ。シャキシャキ感を残したいなら、野菜は後乗せすることを覚えておこう。

また、チェダーチーズをスライスして使えば濃厚な味わいになる。本格的なタコライスといえばチェダーチーズを使用していることが多いので、お店の味にこだわりたいときにはチェダーチーズを用意したい。

色とりどりの具材はカットと盛り付けにひと工夫

フレッシュな見た目に食欲をそそられる
タコライスには、基本的にレタスやトマト、アボカドなどをトッピングする。もちろん、その他の野菜を好みにあわせて使うことも可能だ。ここでは、たくさんの野菜を使って、ヘルシーな料理にしたい人に向けて、野菜のカット方法や盛り付け方のアレンジ例を紹介する。

【コブサラダ風のカット方法】
レタスは太めの千切り、トマト、アボカドなど他の野菜はダイスカットする。固ゆでたまごをダイスカットにしてトッピングすると、さらに豪華になるのでおすすめしたい。

コブサラダとは、色とりどりの具材をダイスカットにして盛り付けるサラダのこと。ボリューム感があり、それぞれの具材をライン状に盛り付ければ見た目にも楽しい。ひと皿で満足感を味わえるのが特徴だ。コブサラダ風のカットで盛り付けをすれば、おしゃれなタコライスができあがる。

【ロコモコ風のカット方法】
グリーンリーフやサニーレタスなどをざっくりと手でちぎる。ミニトマトを半分に切って添え、アボカドは好みの大きさに切ろう。タコスミートの上に半熟の目玉焼きを乗せて黄身を絡めながら食べると、よりマイルドな味わいに。

ロコモコとは、ごはんの上にハンバーグと目玉焼きを乗せ、グレイビーソースと呼ばれる特製のソースをかけたハワイのソウルフード。ハンバーグの代わりにタコスミートを使い、ボリュームたっぷりの料理に仕上げたい。

サルサソースにチリソースを加えて、本格的なタコライスの味付けに

ピリ辛なサルサソースはぜひ手作りのひと品を
日本でサルサソースといえば、トマトベースが一般的だ。これは「サルサ・ロハ」と呼ばれるサルサソースの種類の中の1つであり、本場メキシコでも定番のものとされている。細かくきざんだトマト・玉ねぎ・にんにく・コリアンダーなどが入っているものが多い。「サルサ・ロハ」はさっぱりとした風味と具材の食感を楽しめるのが魅力であり、市販ではさまざまな辛さのものが販売されている。

本格的なタコライスを自宅で作るなら、サルサソースも自作して、後味が癖になるピリ辛ソースを使いたい。ここでは、サルサソースの基本的な作り方を紹介する。

「サルサソース」の基本レシピ
材料はトマト(大1個)、玉ねぎ(1/4個)、オリーブオイル(大さじ2)、チリソース(小さじ2)、コリアンダーまたはバジル(適量)、レモン汁(少々)、おろしにんにく(少々)。

最初にトマトを湯むきしてダイスカットにする。大きさはお好みだが、1cm角程度の小さめに切っておくほうがソースになじみやすく、食べやすいだろう。玉ねぎ(紫玉ねぎでもよい)をみじん切りにし、コリアンダーまたはバジルを細かくきざんでおく。

すべての材料を混ぜあわせるだけで完成だが、冷蔵庫で少し置いて味をよくなじませたい。チリソースはメーカーによって辛さがちがうため、味を確認しながら作ると安心だ。

自宅でも作れる本格的で絶品のタコライス。アレンジも楽しんで

自分好みのタコライスを研究してみるのも楽しいだろう
タコライスというと、テイクアウトやお店で食べる定番のものを思い浮かべるかもしれない。ここでは基本的なレシピやアレンジを紹介したが、これらのレシピは一例に過ぎず、他にもさまざまなアレンジが考えられる。

タコライスは日常で使用する食材でアレンジがしやすいため、自分の好みの味わいを試せるのがうれしい。またライフスタイルにあわせて手軽なアレンジを試したり、季節の食材を使ったりすれば、自分だけのオリジナルなタコライスができるだろう。ぜひ特製のタコライスを研究してみてほしい。