ミニマルな暮らしがブームとなり、部屋の間取りも広いものよりコンパクトな間取りが好まれるようになっている。しかし、限りあるスペースの中で必要なものをきちんと収納するのはとても難しい。やみくもに収納家具だけを増やしていけば、リビングはたちまち圧迫感のある空間となってしまう。狭いリビングでも空間を活かせば、心地のよい場所が作れる。すっきりとした見た目で収納スペースを増やせる家具をかしこく活用したり、家具の色使いを工夫したりすることで、空間を最大限に活かしながら自分らしいインテリアコーディネートを楽しめるだろう。
リビングの収納スペースを増やすアイデア
リビングの収納スペースが狭い場合も、壁面やデッドスペースをうまく利用すれば圧迫感のない空間が作れる。ただし、賃貸住宅の場合は原状回復の義務があるので、壁に釘を打ちつけて固定するような家具は避けなければならない。ここでは、賃貸住宅でも実践できるリビングの収納アイデアを、おすすめのプロダクトを交えて紹介する。
壁面収納で空間を活かす
リビングに壁面収納があれば、ちょっとした日用品もおしゃれに収納ができる。高い位置にはおしゃれな小物を置くと、視線が上に誘導されて天井までが高く見え、空間が広く感じられるだろう。扉のないタイプならさらに奥行きが加わり、リビングを狭いと感じさせないのでおすすめだ。
ネット×突っ張り棒の組み合わせなら場所を選ばない。Utility Net D-UN|平安伸銅工業株式会社
1つ目に紹介するプロダクトは、Vol.254でも紹介した「DRAW A LINE」と、ホームファブリックブランド「BasShu」のコラボレーションアイテム「Utility Net(ユーティリティネット)」だ。
2本の突っ張り棒と専用のフック、綿100%の網「Utility Net」の組み合わせで、おしゃれな収納が完成する。天井や壁面を傷つけることなく、女性ひとりでも設置ができるのがうれしいポイントだ。Utility Netは、漁に使われるような丈夫な網も手がける国内工場でていねいに製造されており、強度も優れている。
帽子やストールなど服飾雑貨の手軽な収納にはもちろん、自分だけの趣味の品を飾る場所作りにも役立つだろう。気分に合わせた模様替えもスムーズに行える。
Utility Net ¥13,860(税込)
平安伸銅工業オンラインショップ(cataso株式会社)
公式HP:
https://ec.heianshindo.co.jp/商品ページ:
https://ec.heianshindo.co.jp/products/d-un
ベンチ収納でスマートに。Sim/シム ベンチチェスト|Interior Shop NOLSIA
ベンチ収納とは、収納の機能もそなえたベンチチェスト型の収納のこと。普段はベンチとして使用しながら、中に季節外の衣類をしまっておいたり、来客時に周辺をさっと片付けたりできる優れものだ。
2つ目のプロダクト「Sim/シム ベンチチェスト」は、天然木ならではのぬくもりや深みが魅力の一品だ。昭和32年の創業時から高品質な家具製造を続ける野中木工所の自社工場で、職人が一点ずつていねいに仕上げている。オーダーメイドも可能なので、リビングの雰囲気にあった木材や張り地を選び、自分だけのベンチチェストを制作できるのもうれしい。
Sim/シム ベンチチェスト ¥109,780(税込)~
インテリアショップNOLSIA(ノルシア)
公式HP:
https://www.nolsia.jp/商品ページ:
https://www.nolsia.jp/products/detail.php?product_id=482
見せる収納と隠す収納を効果的に使い分ける
リビングを狭く見せないためには、見せる収納と隠す収納とを効果的に使い分けることがポイントだ。見せる収納とは、日用雑貨や小物などが見える状態でまとめてあることを指す。どこになにを収納したのかが一目でわかり、開放感があるのがメリットだ。
反対に、隠す収納とは、収納棚やラックなどを使って、中になにが入っているのかが見えない状態で収納することを指す。生活感のある日用品や書類、文房具などをまとめて収納すればすっきりとした空間にできるが、すべてを隠してしまうと殺風景になりやすい。見せる収納と隠す収納のよいところをうまく使いながら、リビング収納にメリハリをつけよう。
見せる収納のコツ
壁面収納やラック、ワイヤーバスケットなどを利用すれば、開放感のある収納スペースを作ることができる。見せる小物には統一感を持たせて、ごちゃごちゃしないように気をつけよう。また、ホコリがつきやすいため、掃除がしやすいように配置することも大切だ。見せる収納は圧迫感がなく、部屋全体の雰囲気がおしゃれになるため、リビングが広く感じられるだろう。
隠す収納のコツ
生活感のある日用品や、なにかと増えてしまう書類などは、中身の見えない収納アイテムに隠してしまうのがおすすめだ。一日のうちで最も長い時間を過ごすリビングには、ものが集まりやすい。使用頻度の高いものと低いものとを分けて、チェストや引き出しに収納しておくと使いやすい。また、チェストの上に雑貨や植物などを飾れば殺風景にならず、おしゃれな雰囲気が増すだろう。
家具の選び方で狭いリビングがぐっと広く感じられる
空間を最大限に活かすためには、収納家具の選び方も大切だ。カラーは明るいものを選び、壁紙と合わせるとよい。高さのある家具や重厚感のある家具を置くと圧迫感が出てしまうので、低めの家具を置く。ここからは視覚効果でリビングをより広く感じさせるアイデアを、プロダクトを交えて紹介しよう。
白い収納家具ですっきり。白と真鍮の組み合わせがモダンなローボード|LOWYA
1つ目は、シンプルなデザインで飽きの来ないローボード。壁紙の白と色を合わせた家具なら、軽やかな雰囲気が演出できる。LOWYAのローボードは、海外のインテリアのようなトレンド感のあるミニマルデザインとスタイリッシュさが魅力的だ。日本製でしっかりとした質感があり、大人のリビングにぴったりなデザインといえる。背面には、テレビ周辺のわずらわしい配線をすっきり格納できる工夫がある。
ローボード ¥39,990(税込)
LOWYA(ロウヤ)
公式HP:
https://www.low-ya.com/商品ページ:
https://www.low-ya.com/goods/ZQKCH
圧迫感のない低めの家具もおすすめ。2人掛けソファ SIENA|MODERN DECO
座面が低く、床が見えるタイプのローソファは部屋が広く見えるのでおすすめだ。床面が見えることで奥行きが感じられるため、サイドテーブルやラックを置いても圧迫感が少ない。
2つ目のプロダクト「2人掛けソファ SIENA」は、人気の北欧スタイルソファで、やさしいカラーがどんな部屋にも合わせやすい。アームレスですっきりとしたデザインのソファなら、狭いリビングに置いても開放感があるだろう。天然木を使用した脚は取り外して、座面をさらに低くすることも可能だ。
2人掛けソファ SIENA ¥29,999(税込)
MODERN DECO(モダンデコ)
公式HP:
https://www.modern-deco.jp/商品ページ:
https://www.modern-deco.jp/c/sofa/ds-014
リビング収納は空間の見せ方とアイデア次第で広い部屋の演出に
多くの時間を過ごすリビングには、必然的にものが集まりやすい。しかし、それらを片付けようとしてやみくもに収納家具を増やせば、たちまち狭いリビングとなってしまうだろう。収納家具の配置や色を工夫することで、リビングはもっと魅力的に、快適にできる。本記事で紹介したアイデアを参考に空間の見せ方を工夫して、自分らしいリビングを演出してみてほしい。
CURATION BY
フリーライター・エッセイスト。幼少期に各地を転々として過ごした経験をもとにしたエッセイや、いまある幸せを拾いあげてことばにしている。