広いリビングやワンルームの空間にメリハリを付けたいなら、仕切りを活用すると便利だ。とはいえ、仕切り方やアイテムによっては、せっかくのおしゃれな部屋が台無しになってしまう可能性もある。
また、賃貸では許可なく間仕切り壁を作ったり、金具やネジで壁に穴を開けてパーテーションを設置したりするのはNGなケースが多いため注意しよう。
ここでは、インテリアコーディネーターが手軽に部屋を仕切るアイデア、おしゃれに仕切るコツ、目的別のアイデアを紹介する。
賃貸でも簡単。部屋をおしゃれに仕切るコツ
部屋を用途別に分けるアイデアはさまざまだが、まずは仕切りを設置する前にポイントを押さえておこう。ここでは、部屋をおしゃれに仕切るコツを3つ紹介する。
仕切りの素材やデザインは部屋のインテリアと合わせる
仕切るためのアイテムが部屋のテーマや方向性に合っていないと、ちぐはぐな印象になってしまう。たとえば収納家具で部屋を仕切る場合、パインのような明るい色味とウォールナットのような黒い色味では、与える印象がガラリと変わる。
そのため、部屋のテイストに合わせて仕切りアイテムを選ぶのがマスト。アイテム単体だけで考えず、部屋全体のインテリアと統一感を持たせるのが基本だ。
空間をゆるく仕切って抜け感をだす
ワンルームでは部屋の中央に間仕切りを設置し、リビングと寝室といったように生活空間を分けるのが人気。その際、あえてきっちりと空間を区切らずにゆるくゾーニングすると、抜け感があっておしゃれな印象となる。
背板がない棚やネットを使えば、視界を遮ることなくゆるく空間を仕切る効果が期待できる。背板や高さのある家具は、空間をはっきりと仕切られて圧迫感や閉鎖感があるため注意したい。
採光を意識して部屋が暗くならない工夫をする
快適でおしゃれな住空間を実現するには、採光は必要不可欠だ。せっかく部屋におしゃれな仕切りアイテムを設置しても、光を遮って暗い空間となっては元も子もないので注意したい。
そのため、仕切りは透明感のある素材や背面がないオープン棚などがおすすめ。リノベーションやDIYが可能な環境なら、可動式のガラス戸やアクリル素材のパーテーションなどを設置するのも有効だ。
おしゃれさと手軽さを両立させる仕切り方
賃貸では壁や扉を設置できないため、ロールスクリーンや棚で部屋を仕切ろう。ここでは、賃貸でも手軽に設置できる仕切りのアイデアを3つ紹介する。
圧迫感がないカーテンやロールスクリーン
比較的狭い部屋でも場所を取らずに仕切るには、カーテンやロールスクリーンが有効だ。突っ張り棒に通すタイプは、天井や壁に穴を開けずに済むため賃貸でも安心して導入できる。来客時には見られたくない場所をサッと隠せるといった利便性も高く、省スペースかつ圧迫感がないのがうれしいポイント。
小物も飾れる収納家具
部屋の間仕切りとなる収納家具も便利なアイテムのひとつ。扉付きの収納家具ではなくシェルフなどを採用すると、本以外にも置時計、花瓶などを飾ってインテリアとしても楽しめる。キャスター付きなら、移動や配置換えも簡単だ。
木目調やスチールなど、部屋の雰囲気に合わせて素材を選ぶのもおすすめ。背が低めでスリムな収納棚で部屋を仕切れば、スッキリとした印象となるだろう。
移動できる突っ張り棒タイプのパーテーション
賃貸で壁や天井を傷つけずに棚や壁を設置したい場合は、突っ張り棒を使うのが便利。収納棚よりもスリムなサイズ感で手狭になりにくいのが特徴だ。パネル板やネットとの相性も抜群なため、アイデア次第ではどんな使い方もできるだろう。
突っ張り棒とネットを使用した仕切り方は、以下の記事でも紹介している
"Vol.412 一人暮らしの部屋でのテレワーク。生活と仕事を切り替えるためのレイアウト術"
https://zoomlife.tokyo/koto/412
目隠し効果が期待できる置き型パーテーション
工事が一切不要でその日から使える置き型パーテーションは、折りたたみ式や伸縮式、連結式などさまざまな種類がある。色やデザイン、大きさなども豊富なので、部屋のテイストに合うアイテムを見つけやすい。
気軽に生活空間を分けられるうえに、使わないときには収納もできるため、ワンルームの限られたスペースでも重宝するだろう。
グリーンで癒しを与えてくれる観葉植物
おしゃれな部屋に欠かせないアイテムのひとつである観葉植物は、空間の仕切りとしても活躍する。背の高い観葉植物を置けば、リビングと寝室、リビングとダイニングスペースなど、空間を分けることが可能だ。3つほどまとめて置けばフォーカルポイントにもなり、おしゃれさも演出してくれる。
一人暮らしでも育てやすい観葉植物については、以下の記事を参考にしてほしい
"Vol.400 一人暮らしの観葉植物の選び方|育てやすい植物やおしゃれに飾るポイント"
https://zoomlife.tokyo/koto/400
目的に合わせた部屋の仕切り方のアイデア
部屋を仕切るアイテムはさまざまなため、迷ってしまうもの。ここでは、目的別で仕切り方のアイデアを提案したい。
生活感があるスペースはロールスクリーンで目隠し
ロールスクリーンは、部屋の真ん中に設置して空間を分けるだけでなく、むき出しになっている玄関や洗濯機などを隠すのにも便利だ。設置は業者に頼むケースが多いが、大がかりな工事が不要な方法もあるため、賃貸でも人気が高まっている。
ロールスクリーンはチェーン式やプルコード式、ワンタッチチェーン式など操作方法が3つある。タイプによって使い勝手が異なるため、事前にチェックしておこう。
寝室スペースはシアーカーテンで仕切る
カーテンと一口でいっても素材や厚みはさまざま。レース調のシアーカーテンは透け感があって部屋に開放感を与えてくれる。あえてきっちりとした境界線を作らないことで優しい印象になり、通気性と目隠しとしての機能を両立できるため、寝室スペースを作りたいときにおすすめ。比較的狭い部屋でも場所を取らず、ついたて程度にベッドをゆるやかに仕切れるだろう。
キッチンとリビングの間はスリムなキッチンカウンターを
リビングダイニングが広く開放感のあるキッチンは、キッチンカウンターを置くことでリビングとの空間を分けられる。ナチュラルな雰囲気の部屋には、木製のキッチンカウンターがおすすめ。ほかにもスチール製やカフェ風ワゴンなど種類やデザインは豊富なため、インテリアの雰囲気に合わせて選べるだろう。
仕切りを活用して、おしゃれな部屋づくりをしよう
広いリビングやワンルームの場合、休息とテレワークを同じスペースで過ごすことになり、メリハリがない生活となってしまう。そんなときに活用してほしいのが、今回紹介した仕切り方のアイデアやアイテムだ。
アイテムの種類やデザインで迷った際には、目的を明確にしたうえで、部屋のテイストや方向性に合わせて適切なアイテムを選ぼう。空間を分けた部屋は格段に暮らしやすく、ワンランク上のおしゃれな雰囲気になるだろう。
CURATION BY
自然大好きのWebライター。
インテリアコーディネーターの資格を活かし、インテリアやリフォームなど暮らしに役立つ記事を発信中。本当に必要なものだけ部屋に置いてシンプルに暮らしたい。