Vol.270

KOTO

17 SEP 2021

一人暮らしでミニマリストになるには?いらないものを上手に手放すコツ

最小限のものに囲まれて生活を送るミニマリストという言葉が定着し、一人暮らしをする人の中にもミニマリストに憧れる人が増えている。しかし、生活に必要なものはどうやって見分ければよいのか、ミニマリストになるメリットやデメリットにはどんなものがあるのかという疑問を持つ人も多いだろう。 今回は一人暮らしをする人がミニマリストのような快適な生活を手に入れる方法や、どうすればミニマリストになれるのかを紹介する。

一人暮らしのミニマリストは「いらないもの」を持たない

一人暮らしをするにあたって、「いらないものは持たず、ミニマリストになろう」と考えるものの、その定義が詳しくわからないという人も多いだろう。まずはミニマリストの定義について解説する。

最低限の持ち物で身軽に暮らしたい

ミニマリストは「minimal(最小限)」から派生した言葉であり、最小限の暮らし方を実践する人を指す。ミニマリストというと、ただ持ち物が少ない人を思い浮かべるかもしれないが、実際には本当に必要なものと大切なものだけを身近に置いて暮らす人、というのが正しい。一人暮らしをするうえで自分に必要なものを厳選すると、自分の生活に合った暮らしができ、心・時間ともにゆとりをもたらすという。
「最小限」がもたらす快適で豊かな生活を始めるヒント集

「あったら便利」は「いつもはいらない」はず

ミニマリストは部屋の中で場所をとるものを好まない。生活するうえであったら便利だが、なくても問題ないと感じるものには、ミニマリストにとっては不要なものが多いのだ。「あったら便利」ではなく、本当に必要か、長く使えるかが、一人暮らしのミニマリストにとっての「手元に置くものを選ぶ基準」といえる。

ミニマリストになりたい人の一人暮らしの始め方

ミニマリストと一言でいっても、誰かと暮らすのと一人暮らしとでは状況が異なるだろう。ここでは、一人暮らしをしながらミニマリストになりたい人に、暮らし方のヒントをお伝えする。

いらないものを置かないためにミニマルな部屋を作る

ものは少しずつ増やすようにしよう
ミニマリストを目指す人にとって、まず重要なのは「部屋にものを置かないための工夫」だ。一人暮らしを始める場合、あれもこれも必要な気がして、ついつい家具や道具を買いすぎてしまう人もいるだろう。しかし新しいものを増やしすぎると、あっという間に部屋がもので埋め尽くされてしまう。いらないものがたくさんあって当たり前の部屋ができあがれば、さらにものを増やしそうになったとき、「自分はミニマリストだから」と思いとどまれるだろうか。

これを防ぐには、たとえば家具やカーテン、小物の色や素材に統一感を持たせるのが効果的だ。こうすることで、部屋のイメージに合わないものを増やす気が起こりにくくなる。このように、新しいものを増やさないためには、そもそも「ものを増やしにくい部屋作り」を目指すことが大切だ。これから一人暮らしの部屋作りを行うなら、ぜひ実践してみてほしい。

必要・不要がわからなければ「お手入れのしやすさ」を基準に

ミニマリストとして身軽で心地よい暮らしを目指す中で、目の前のものをいきなり自分に必要か不要かで仕分けることは意外と難しい。そんなときでも意識的に避けたいのが、「使うかもしれない」といった迷いを「必要とする基準」にすること。曖昧に基準を作ると、たとえばお手入れが難しく、持っていることが負担になるようなものを手元に置いてしまう可能性が出てくる。必要か不要か判断に迷ったときは、「掃除しやすい」「コンパクトに片付けやすい」「清潔を保ちやすい」を基準にしよう。それらはミニマリストの目指す生活にぴったり一致する。
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ミニマリストになるにはメリットと、注意したいリスクを理解しよう

世間に定着しつつあるミニマリストだが、その生活にはどんなメリットやリスクがあるのだろうか。

ミニマリストになるメリット

掃除が簡単だと、一人暮らしの部屋の清潔を保ちやすい
ミニマリストになるメリットには以下のようなものがある。
・掃除がとても簡単になる
・なくしものが減る
・部屋がすっきりしてイライラしなくなる
・片付けに費やす時間が減って自由時間が増える
・部屋がくつろげる場所になる
・無駄遣いが減って貯金が増える

ものが減ることによって、部屋がすっきりして片付けがしやすくなるのは容易に想像できる。しかし、それ以外にも精神的にゆとりができたり、無駄遣いが減って貯金ができたりするのは、長い目で見ると想像以上のメリットだろう。一人暮らしの人にとっては特に、ものに執着しない生活はあらゆる面で快適といえそうだ。

これからミニマリストになる人のよくある失敗例

ものを捨てすぎると部屋が寂しく感じてしまうことも
これからミニマリストを目指す場合、失敗しやすいこととして以下のようなものが挙げられる。
・生活に必要なものや大切にすべきものまで処分してしまう
・部屋の雰囲気が寂しく感じる
・他人にミニマリストの価値観を押し付けてしまう
・やり方によっては体調を崩すこともある

実際にミニマリストになってから体調が崩れたという人の原因は、「マットレスを捨てて腰を痛めた」や「ものを捨てすぎて不便でストレスになった」、「食事の品数を減らして不健康になった」などさまざまだ。どれもものを手放すことにこだわりすぎてしまった結果といえるだろう。ダイエットや趣味でもいわれるように、「突然」「過度」は禁物なのだ。

ミニマリストとは快適に暮らすために必要なものや大切なものだけで生活をする人のことであって、なにも生活に必要なものまで捨ててしまうことはない。「自分はミニマリストになるのだから」と無理をせず、価値観は人それぞれだと考え、自分にとって必要なものは何かを自分で判断しよう。そしてその価値観は自分の生活のための基準とし、決して人に押し付けないようにしたいものだ。

ミニマリストになるために、いらないものを手放す4つのコツ

愛用できるものだけを手元に残す

ミニマリストになるためにいらないものを手放すとき、「どれがいらないかわからない」こともあるだろう。そんなときは、手に取ってみて愛着が湧かないアイテムを処分対象としよう。所持していても心がときめかず、使う場面も想像できない場合は、そのアイテムはミニマリストにとって不用品といえるだろう。また、長く使えそうでも、愛着が湧かないものを使い続けるのは快適とはいえない。最低限のものだけで暮らすからこそ、愛着という気持ちを重視したい。

ちょっとした思い出の品は写真でも十分

1冊のアルバムに収めれば、ものは増えず思い出だけをしまっておける
なかなか捨てられない思い出の品。しかも思い出はどんどん増えていくため、それに応じて保管スペースも必要となる。たとえば表彰状やメダル、もらった手紙におみやげの置物。丁寧に保管している人もいるかもしれないが、すっきりした空間を作るためには、かさばるものは思い切って処分するのもよい。思い出の品を処分したい場合には、写真やデータで残しておこう。

ただし、勢いにまかせて処分すると後悔につながることもあるので気をつけたい。写真で十分と思っていても、あとから現物を残しておけばよかったと思う場合もある。そのため、思い出を処分する際は時間をかけて考え、現物を持っていることに意味や価値を見いだせるものについては、大切にとっておく判断ができるとよいだろう。

シンプルで長く使えるものが生活の中心に

シンプルな家電はどんなアイテムとも相性がよい
流行に沿ったアイテムは、その流行が過ぎ去ると急に古めかしく感じてしまうことがある。自分が気に入っていればよいが、そうではない場合、愛着が一気になくなってしまう。そうならないためには、シンプルで何にでも合わせやすく、長く使えるアイテムを持っておきたい。服や靴などの身につけるものはもちろん、身の回りのデジタルツールや家電にも当てはまる。むしろ、買い替えにくい大型家電や家具こそ、シンプルなものを選ぶのがおすすめだ。
たとえばこんな家電ならこんな観点で選ぶ

考え方はシンプルに「使うから持つ」

「ミニマリストらしさ」を難しく考えると、いろいろ複雑に物事を見てしまいがちだ。しかし突き詰めて考えると、生活に最低限必要なものとはつまり、今日も昨日も使っているものだ。旅行の際に最低限の持ち物で出かけ、意外となんとかなったという経験をしたことはないだろうか。日々の生活にもそうした「上手なやり繰り」を取り入れられれば、ミニマルな生き方にぐっと近付く。もちろん、毎日使っていなくても頻繁に使うものは多く存在しているが、1年以上使用していないものはその先も使わないことが多いと覚えておこう。

ミニマリストとして始める一人暮らしで、ゆとりある快適な生活を

ミニマリストになって快適な一人暮らしをしよう
ミニマリストになるのは難しいと感じる人も多いだろう。しかし、一人暮らしの人がミニマリストになるのはそれほど難しくない。なぜなら、ものを買うときや捨てるときに、同居者の判断を考慮しなくてもよいからだ。すでにものが多い部屋で暮らしている人は、ものに執着しないように気をつけながら、まずは不要なものを断つ「断捨離」を行うのが第一歩。ミニマリストとして一人暮らしの生活を始めれば、自分だけの生活空間が広く使え、心身ともに快適な暮らしができるだろう。
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