Vol.711

MONO

09 DEC 2025

‘かんなくず’に香りを添えて。白鳳社寺×LOF ひのき精油とKANNA-KUZUの詰め合わせ

ふと懐かしさを感じる香りがある。歴史的建造物を訪れた時や、森の中で深呼吸すると、「この香り、ずっと前から知っている」と感じるあの瞬間…。ヒノキの香りはまさにそのひとつと言えるだろう。日本で古くから建築木材として使われてきたその香りに身を置くと、親しみのある安心感が胸に広がる。そのヒノキの香りと‘かんなくず’を掛け合わせたルームフレグランスで、住まいも自身も、清らかな香りで満たされてみたい。

寒い季節は好みの香りで居心地の良い部屋に

春や秋などに比べると、外出が少なくなる冬は家で過ごす時間が多い季節。そのためにも自宅ではお気に入りのブランケットや好みのホットドリンクを用意して、とっておきの時間を過ごしたい。その際、室内に心と身体を和ませてくれる香りがあれば、更に居心地の良い空間になるはず。

例えば予定の無い休日、心身ともに癒してくれる香りが漂う住まいにいるだけで、普段の張り詰めた気持ちがほぐされ気分は一新、新たな気持ちで次の週を迎えられるに違いない。

好きな香りの中で過ごせば、気付かぬうちに溜まったストレスもリリースされる
寒さが厳しくなるこの季節には、気持ちがシャキッとクリアになって、のびのびと身体をリフレッシュできる香りを試してみたい。おすすめしたいのが、「白鳳社寺×LOF ひのき精油とKANNA-KUZUの詰め合わせ」だ。

ヒノキの幹から抽出したフレッシュなオイルと、かんなのけずりくずを用いて作られたオリジナリティあふれるプロダクト。住まいに優しく穏やかに漂うその香りの中で、自然の芳香に身を任せる気分を存分に味わえるだろう。

そのユニークなスタイルで、香り、手触り、見た目も楽しめる新しいルームフレグランス

ヒノキの効能を暮らしに取り入れて

ヒノキはヒノキ科ヒノキ属の常緑針葉樹で、樹高は通常でも20〜30m、大きいものでは50mにもなるという、日本国内では最も多く植林されているスギと同様の主要樹種だ。

ヒノキ材は耐久性や耐水性に優れ、加工がしやすく、美しい木目とかぐわしい香りを持ち、古くから神社や仏閣の建築用材として用いられてきた。日本を代表する木造建築である法隆寺や薬師寺にも使われているヒノキは、最高級の建築木材として重宝されてきた。

ヒノキが使われている法隆寺は世界最古の木造建築として知られている
ヒノキが優れているのは木材としてだけではない。ヒノキの香りには精神を安定させるα-ピネンやδ-カジネン、α-カジノールなどの成分が含まれている。その香りは脳に働きかけて、心や体のリラックス効果が得られることが研究によって示されており、またヒノキの木材や精油に含まれるヒノキオールには抗菌、防虫、消臭効果も期待できるのだ。

ヒノキは清々しい清涼感のある香りを放つ
様々な分野で長く日本人の暮らしを守り続けてきたヒノキを使い、個性豊かなルームフレグランスを作り上げたのが、今回ご紹介する「ひのき精油とKANNA-KUZUの詰め合わせ」だ。ヒノキがもたらす自然の恩恵を、この機会にぜひ味わってみよう。

宮大工の伝統技術が、新たな香りの世界を開く

「ひのき精油とKANNA-KUZUの詰め合わせ」は、社寺建築の専門家集団「白鳳社寺」とデザイン事務所「LOF」によるコラボレーションから生まれたルームフレグランスだ。

プロダクトが収められたボックスは、かんなくずがリボン代わりに使用されている
「先達の技術と知恵を次世代に繋いでいくことにより社会に貢献する」をモットーとする白鳳社寺は社寺建築の専門家集団。飛鳥時代からの知恵と「木の癖」を組む技術を使い、寺院や神社を建てている。

開封した中身はこれまでにないルームフレグランスとして、新鮮な驚きに満ちている。プレゼントにも最適
2018年に設立された「LOF」は堂宮大工やシステムエンジニア、デザイナー、建築家、研究者などの専門領域を重ね合わせ、伝統と先端、リアルとバーチャル 、アナログとデジタルを掛け合わせた最も的確な答えを提示し続けているデザイン事務所だ。

伝統工芸に新たなデザインのエッセンスが加わり、これまでになかった発想で斬新なルームフレグランス「ひのき精油とKANNA-KUZUの詰め合わせ」が誕生した。そこには細部に至るまで深いこだわりが感じられる。

エッセンシャルオイルはヒノキの皮を使ったパッケージに包まれている
アロマグッズは精油を垂らす際、通常ではガラスや陶器の器を使用するが、個性豊かなものも数多く展開している。例えば溶岩石を使い、エレガントな空間にふさわしい香りを演出してくれる、MAD et LEN マドエレンのポプリ ラバロックだ。

そして「ひのき精油とKANNA-KUZUの詰め合わせ」で使われているのは、名称にもなっている「KANNA-KUZU」(かんなくず)だ。かんなくずは木材を鉋(かんな)がけした際に出る、ヒノキの薄い木くずを指している。

普段の暮らしではなかなか手に取る機会のないヒノキのかんなくずが、新たに生まれ変わった
神社仏閣の建築や修復を専門に行う大工である宮大工が、天然の研ぎ石で磨いた鉋を使う作業で出た木くずは、かたち、手触りともにその存在自体が既にアートとなっている。

宮大工の伝統工芸から生まれたかんなくずは驚くほど薄く、その繊細さが魅力的
「KANNA-KUZU」にはふたつの種類があり、ひとつは‘台がんな’と呼ばれる鉋から出た木くずで、こちらは羽のように軽やかな印象。ふわふわとした触感はこれまでに体感したことのないものだ。

繊細で薄く軽い‘台がんな’。どんな器に盛って飾ろうかと、考えるのも楽しい
もうひとつは’槍(やり)がんな’。先端に槍形状の刃物がついた鉋を使った際に出た木くずで、くるくると捻じれた螺旋状になっている。槍がんなは一部の職人しか扱えないという珍しい道具のため、滅多に目にすることはないという貴重なものだ。

同じかたちはひとつとしてない槍がんな。伸ばしたり、まとめてみたり、吊るしたりと様々な楽しみ方がありそう
エッセンシャルオイルは岐阜県産ヒノキの幹より、水蒸気蒸留法で抽出した天然100%のもの。通常は枝葉で抽出されることが多いが、幹から得られるのは、普段からヒノキの幹を使って仕事をしているからこそ。ウッディで爽快感のある貴重な香りを堪能してみたい。

室内を芳香で満たし、暮らしのアクセントに

「ひのき精油とKANNA-KUZUの詰め合わせ」の特徴として、置く場所、入れる器を自由に選べることが挙げられる。ふわふわと軽やかな印象の台がんなを平たい器に載せれば、ルームフレグランスとして、これまでとまったく異なるシーンを描いてくれるだろう。

好みの分量の台がんなを載せて。ディスプレイとしても楽しめる
また台がんなは、サシェに入れて使う方法もおすすめだ。既製品でもいいが、好きな布を使って手作りしてみても良いだろう。オイルを垂らした台がんなを適量お茶パックに詰め、それをサシェに入れてみよう。

かんなくずが散らばらないよう、お茶パックに入れて使うのがおすすめ
サシェは持ち運びができるので、バッグの中に入れても良いし、ワードローブの引き出しの中に置いておくのも良いだろう。冬はウールやカシミヤなど、防虫にも気を使いたい衣類の出番が多い季節。涼やかな香りをもたらすとともに、大切な衣類を守るためにもヒノキの香りを活用したい。

サシェを使えば香りと防虫、同時に役立ってくれる
また、こちらの台がんなは非常に薄く軽いため、玄関などドアを開閉する場所では飛んでしまうのでは、と心配する方もいるだろう。そのようなエリアでは、グラスに入れて活用してみよう。平らな器とはまた違った表情を見せてくれる。

好みの大きさのグラスに台がんなを詰めて。置く場所に似合うものを選びたい
また、未使用の台がんなを収納する場合、もともと収められた箱にしまっておくのもいいが、おすすめなのがKINTO SCHALE ガラスケースを使用する方法だ。
内部のものが見えるクリアなガラスケースは、美しい収納を心がけたい人にぴったり。ルームフレグランスとして使用していない時でも、台がんなの繊細さを鑑賞できる収納法だ。

台がんなの姿かたちを愛でたい時にお似合いのガラスケース。オイルを垂らす際には蓋を活用するのもおすすめ
そして木から生まれたオブジェのような’槍がんな’。こちらは上下に軽く引き伸ばし、アロマスティックとして活用してみた。お気に入りのボトルに挿してエッセンシャルオイルを加えれば、立ち込める芳香とともに印象的なシーンを作り上げてくれる。使う器や置く場所によっても雰囲気が変わり、いくつもの楽しみ方ができるだろう。

スッキリと伸びた様は、台がんなとはまた違った印象となる

寒い季節は好きな香りに癒されて

寒さが厳しくなり、心身ともに冷え込む冬は、家に帰る時間が待ち遠しくなるシーズン。足早に駅へと向かい、人ごみに紛れながらようやく住まいに辿り着く。明かりを灯して、室内を暖かな気温にセッティング。服を着替えてお湯を沸かし、お茶を入れたらテーブルに座ってようやく人心地がつく。

自宅で過ごすそんなリラックスタイムには、お気に入りの香りに包まれて過ごしたい。深い森の奥で深呼吸するように、ウッディで新鮮な香りの中に身をゆだねてみよう。

住まいで過ごすひと時を、もっと心地良いものにするために
古くから日本の暮らしを見守ってきたヒノキの香りを、伝統的な建築技法の中で生まれたKANNA-KUZUに添えてみる。室内に浸透する涼やかな芳香が、心の悩みも身体の疲れも浄化してくれるのを体感してみよう。

白鳳社寺×LOF ひのき精油とKANNA-KUZUの詰め合わせ