Vol.200

MONO

15 JAN 2021

美しさと物語をもたらす香り。MAD et LEN マドエレン ポプリ ラバロック

世界は多くの香りに満ちている。その中には苦手なものも存在するが、リラックスしたい自分の住まいでは、心身ともにくつろげる心地良い香りに包まれていたいもの。これまでのリードディフューザーやポプリなど、どこかフェミニンなルームフレグランスに馴染めなかった方におすすめしたいのが、マドエレンの溶岩石のポットポプリだ。しなやかな黒が印象的なアイアンの器の中で、溶岩石が幻想的な香りを放つ。自然と芸術が融合した佇まいで、住まいと心に美を構築してくれるだろう。

感情、記憶を揺さぶる香りの存在

香りというものは目に見えず、手に取ることも出来ないし、言葉で表現するのも難しい。けれど香りは自身の個性やイメージを表現するのに役立ち、記憶や感情を揺さぶる力を持っている。嗅覚は視覚や触覚など他の感覚に比べ忘れられがちだが非常に鋭敏であり、人の鼻には600万もの匂いを検出できる細胞があると言われている。

特に匂いに敏感だ、という人でなくても、香りによって気分の変化を感じたことがあるに違いない。人は自分に合わない香りの中に身を置くとストレスを感じると言われている。またその逆に、好きな香りが漂う空間では心地良い気分になれる。

嗅覚は五感の中で最も記憶と関連し、それは視覚よりも上回るとされており、特定の香りを嗅ぐと過去の記憶が蘇るのはこのためだ。また人間の感情は記憶とともに香りと密接な関係にあると言われている。

眺めることも触れることも出来ない「香り」。だが記憶を呼び覚まし、感情を高める力を持っている
活力、奮起、欲望、リラックス、静寂、清涼感など香りはさまざまな感情を引き起こす力があり、調香師はフレグランスを開発する際、この感情をテーマに香りを構築していくという。

香水はもちろんのこと、化粧品や洗剤など生活必需品で「香り」を重視して選ぶものは数多く、中でも住まいという最もプライベートな空間を、居心地の良い場所に作り上げる際に欠かせない存在となるのがルームフレグランスだ。ルームフレグランスは家の中で目につく場所に置くものだから、香りだけでなく器のヴィジュアルや質感にもこだわって選びたい。

独特のシーンを描いてくれる、マドエレンの溶岩石のポットポプリ
他にはない個性を持つルームフレグランスを探していた人にこそすすめたいのが、マドエレンの溶岩石のポットポプリ。洗練された芸術的な美しさと大地が放つ力強さ、そして魅惑的な香りが溶け合った唯一無二の存在だ。

天然素材を美しく、芸術的に。マドエレンの世界

マドエレンはフランス南東部、アルプ・ド・オープ・プロヴァンスにある小さな村、サン・ジュリアン・デュ・ヴェルドンで生まれたフレグランスブランドだ。

フランスの作家、マルセル・プルーストが著作「失われた時を求めて」で描いた中に、主人公が紅茶にマドレーヌを浸した時、その香りで少年時代を思い出すシーンがある。以来香りによって過去を思い出す事は「プルースト効果」と呼ばれており、この「マドレーヌ」がマドエレンのブランド名の由来となっている。

ミニマルなフォルムの器は、どんなスタイルにも馴染んでくれる
マドエレンの特徴とも言える容器は職人がひとつひとつ手作りをしているという、アイアン素材でできたもの。シンプルかつミニマルなフォルムを彩る滑らかな漆黒が、洗練された美を醸し出している。

ポプリの素材となっている溶岩石は、マグマ中のガスが固まり岩石になる際に形成され、地球上でもっとも古く、最も豊富な鉱物のひとつとして知られている。

香りと溶岩石という異なる素材を組み合わせ、オリジナルなルームフレグランスに
溶岩石は再生を表し、地球の躍動感を感じられる素材。ひとつとして同じ形はなく、オイルを上手に吸収するという特性を活かし、独特の個性を放つポプリとなっている。

香りは世界各地から厳選された天然素材で作られている
ルームフレグランスの中で最も重要とされる香りだが、マドエレンは花や実、茎や木など天然素材を用いて蒸留抽出している。自然のエッセンスをふんだんに取り入れた、独自のテーマを持つ香りが16種類展開中で、その中から自分に相応しいものがきっと見つかるに違いない。

好きな香りだからこそ、住まいに、自身にまといたい。

さまざまなマドエレンの香りの中から、随分と悩んだ末に自分のために「AMBRE NOBILE(アンバーノビル)」を選び出した。箱を開けてアイアン素材の容器を取り出すと、ふわっと漂うのは魅惑的でエキゾティックな芳香だ。

それは遠い昔に訪れた国で感じた香りのようでもあり、まだ知らぬ世界へ誘う芳香にも感じられる、幻想的でエレガントなものだった。いつまでもこの中に身をおいていたいという欲求が、神秘的な香りで包まれた。

香りを加えたい時は、付属のリチャージオイルで調節する
器と蓋は触れ合うと、かつん、と固い響きを放つ。硬質的なその質感は、これまでの柔らかくて儚げ、そしてフェミニンといったルームフレグランスの常識を覆すかのようだ。

溶岩石は意外に軽く、そして多孔質。黒みがかったものや灰色に近いものもあり、大きさもさまざまだ。自然によって作られたその造形は、まるで地球の欠片そのものという印象を放っていた。

溶岩石だからこそ。持ち運びが出来る「香り」

溶岩石を使ったマドエレンのポプリは、一か所で使うだけに留まらないところも興味深い。溶岩石ならば取り分けて持ち運ぶことができるので、器を置いた部屋だけでなく、寝室やリビングなど各部屋に置いて住まい全体の香りを統一することも可能だ。

溶岩石の欠片をバッグに。外出先でも好きな香りに包まれて
他にもシューズクローゼットやワードロープに置いてみたり、専用の小袋を作ってバッグに入れたり車に置いたりと、いつでもお気に入りの香りを身にまとうことができる。

これまではその名の通り、室内で活用してきたルームフレグランスだが、溶岩石という素材だからこそ得られる新たな使い方。好きな香りがもっと身近になるに違いない。

これから始まる物語を紡ぐ香り

世界にはさまざまなストレスの要因が満ちている。それは苦手な人との会話、不快な騒音、気になる景観、神経を苛立たせる匂いだったりする。だからこそプライベートな住まいの中では、好きな香りに身を任せ、ゆったりとリラックスしてみたい。

ドアを開けて鍵を閉め、一歩家の中に入ると優しく迎えてくれるのは、心を溶かす淡い香り。張り詰めていた気持ちがほどけ、ゆっくりと本来の自分を取り戻す。

マドエレンのポプリが、これから住まいで起こる物語に寄り添う香りに
マドエレンの香りは懐かしくも新しい、大人のエレガンスを表している。住まいに置けばアーティスティックな容器と自然の恩恵を取り入れた溶岩石が、絵画のようなシーンを描いてくれる。

いつの日か、この住まいで起きた出来事を、この繊細な香りとともに鮮明に思い出す日がやってくる…マドエレンの溶岩石のポプリはそんな未来を描き出す、神秘的な香りに満ちている。

MAD et LEN POT POURRI LAVA ROCK

https://store.doubleh.jp/

17,600円(税込)