Vol.365

MONO

16 AUG 2022

聴く。持ち運ぶ。飾る。CD文化の全てを楽しむ「Instant Disk Audio-CP1」

定額制のストリーミングサービスで音楽を聴くのが当たり前になった今。気になる音楽やアーティストをその場で検索すれば、すぐに音楽が聴ける。その快適な生活が当たり前になってしまったが、CDをわくわくしながらプレイヤーに入れて音楽をひっそりと聴く時間は、まさに青春時代そのものだった。インターネットが当たり前でない時代にCDを買うことは、非常に特別な行為であったのだ。CDそのものが宝物で、音楽を聴きながらジャケットを眺めたり、歌詞を一字一句読み込んだり、よく知らないイギリスのアーティストのCDをジャケ買いしてみたり、CDにはさまざまな思い出が詰まっている。そんな今は自宅に眠っているCDを、現代に蘇らせてくれるプレイヤー「Instant Disk Audio-CP1(インスタント ディスク オーディオ シーピーワン)」を紹介したい。

手軽にCDを楽しむ。CP-1の誕生秘話

「Instant Disk Audio-CP1」(以後CP1)は、世にあるCDをより手軽に楽しめる環境を提案するために誕生した。CDの持つデジアナ感を音楽だけでなくジャケットアートと共に楽しんでほしいとの願いから誕生したCDプレーヤーだ。

「音楽配信が主流となり、スマートフォンとワイヤレスイヤフォンで音楽を聴く様になってアルバムではなくプレイリストでの再生が多くなりました。しかし近年アナログレコードブームが起きたことで、またアナログ音楽に目が向けられるようにもなりました。レコードを再生する機器は増えましたが、まだ市場や家にあるCDを再生する機器が減り続けているのも現状です。そこで、もう一度手軽にCDを楽しめる環境を提供し、アーティストの作ったアルバムプレイを楽しんでもらえたらと思っております。

また、既にCDを見たことや使った事がない世代がいる昨今、アルバムとして音楽を聴く行為や、ジャケットアートを目にしないなど配信サービスでは無くなりつつある音楽文化をもう一度再発見し、CDを文化として再認識出来ればと思いこのプロジェクトを立ち上げました」とkm5社は話している。

スクエア状のミニマルなCDプレイヤー
「ミュージシャンやアーティストは、アルバムを制作してコンサートやライブを行います。しかしストリーミングサービスではシングル曲をメインとするプレイリストでの再生が主流になっていて、アルバム単位としての楽しみが減ってしまった気がします。日本ではいまだにCDが年間1億枚生産されていると言いますが(最盛期2000年で約3.8億枚)、すでに市場には手軽にCDを再生する商品も減ってしまいました。CP1はそんなCDやアルバム試聴をもっと手軽に、またインテリアとの親和性やアート性を楽しむ商品として楽しんでいただけたらと思っています。CDにはジャケットアートや曲順構成など、アーティストのこだわりがたくさん詰まっています。CDの回転やジャケットアートをCP 1で手軽に楽しんでほしいです」とも話している。

青春時代のお小遣いを全てCDに費やし、1日10時間は音楽を聴いていたといっても過言ではない筆者にとっては「まさにこんなプロダクトを探していた」という気持ちになった。さっそく家にあるCDを掘り起こし、CP1に数年ぶりに触るCDを入れてみる。

本体横にスライドボタンが付いており、簡単にCDがセットできる

現代に合わせて機能を搭載

CP1はBluetooth5.0を搭載し、ワイヤレスイヤフォンや手持ちのBluetoothスピーカーに接続を可能にし、CDの楽しみ方の幅を広げることもできる。機能は今の時代にチューニングされているのだ。

リチウムイオンバッテリーを搭載しているため、家の中でも外でも手軽に持ち運びができ、手軽にどこでも楽しむことができるのも魅力。USB-Type Cを搭載しているためスマートフォンと同じ感覚で充電が可能で、一度充電すれば7-8時間の稼働時間を蓄え、1枚1.5時間だとすると5枚分ほどのCDの再生が可能だ。

手持ちのガジェットの充電器を使って、スペースを取らずに充電できる
イヤホンジャックを差し込めるので、当時のCDプレイヤーのように有線イヤホンで聴くことも、ワイヤレスイヤホンで聴くこともでき、Bluetoothスピーカーに接続して聴くこともできる。聴き方が違えば音楽の感じ方も異なるのが面白い。持ち運び、CDと向き合って寝室やリビングなどいろいろな場所で聴いてみるのもよいだろう。青春時代をCDとともに過ごした方であれば、あの時の記憶が一瞬にして蘇るに違いない。ストリーミングサービスでの音楽の感じ方と、物質的なCDを持ちながら聴く音楽で、異なる表情を楽しめる。

気分によって音楽聴く方法を変えられるのも嬉しい
3cmほどの厚さでバッグにもすっぽり入る大きさ・軽さのため、気軽に持ち運びできるのも嬉しい。赴くままに、CP1と数枚のCDとバッグに入れて出かけよう。

充電をして持ち運べるのも高ポイント

インテリアとして嗜むCD

スクエア型で一面ホワイトのCP1はとてもシンプル。本体蓋は本を読む様に右サイドから開き、CDを挿入でき、ジャケットは蓋の裏に付属してある透明部分背面にスライドして挿入が可能。ジャケットやポストカードを入れて楽しむこともできれば、回転するCDの表情を眺めることもできるのだ。

蓋は透明のため、ジャケットを入れなければCDのアートワークを楽しめる
背面にネジ穴があり、別売の壁掛けアクセサリーを使う事で簡単に壁掛け設置が可能なため、インテリアの一部としてフォトフレームの様に使うことができる。お気に入りのジャケットを飾ることができ、お気に入りのCDのジャケットを埃が被らずに飾ることができるのは感慨深い。直径20cmもないコンパクトなサイズのため、壁に飾っても違和感なく馴染んでくれる。部屋の雰囲気を変えたい時にも、コーディネートとあわせて好きな位置に設置できるのも嬉しい。

さまざまなジャケットを入れて気分によって飾りたい
側面には本体と同化した白いボタンが7つついており、音量を上げたり次のトラックを選択したり直感で操作できるようになっている。インテリアの邪魔をしないボタン設計のため、一見CDが飾られているとはわからない。ストリーミングサービスが主流になってから、ジャケットをわざわざ眺めるということはしなくなり、ジャケットはただの一画像として認識するようになってしまった。音楽を聴きながらジャケットを眺めるという贅沢な時間を過ごし、好きなインテリアに囲まれた自宅で、目と耳を使って音楽を最大限に楽しみたい。

そのまま飾り、インテリアとして楽しむ方法も

目と耳で音楽を感じる

改めて好きな音楽と向き合う
CDをじっくりと聴くことは15年ぶりくらいだったかもしれない。インテリアとしても楽しめるCP1は、現代の生活にすんなりと入り込み、過去のCD全盛期のCDの生き方とは異なる生き方を与えている。目と耳で感じて聴く音楽は、ストリーミングサービスで聴く音楽と異なり、音楽を聴くということに対しても新たな価値観を与えてくれる。電子化されすぎた音楽から一度離れて、自宅に眠っているCDを掘り起こし、CP1にセットしてみてはいかがだろうか。

Instant Disk Audio-CP1

https://www.km5.co.jp/
13,500円(税抜) *2022年9月より一般販売