季節の移ろい、そしてその流れの速さを最も実感するのが12月かもしれない。「師走」という言葉が示すように、目まぐるしい勢いで毎日が過ぎ去っていく。そんな忙しい日常の中でも少し歩みを緩め、ゆったりとする時間を保ちたい。アベリョウコ氏のスノードームは、暮らしに季節の彩りと潤いをもたらすプロダクト。ガラスの中で舞い踊るきらめくパウダースノーを眺めながら、過ぎゆく月日とやがて訪れる翌年に思いを馳せてみたい。
季節を彩るディスプレイを暮らしに
早いもので気付けばもう12月となり、年末へのカウントダウンが始まった。季節が巡るその速さに呆然としつつ、慌ただしさに翻弄されていつの間にか年が明けてしまうのは、例年恒例のこととなった。
これから訪れるクリスマスやニューイヤーなど、イベントが多いこの季節、街を歩けばきらめくディスプレイを目にすることもしばしばだ。だが季節を彩る装飾を楽しむのは外出先でとなり、自宅ではシーズンごとのイベントをディスプレイすることはないという人も多いのではないだろうか。
季節ごとに訪れるイベント用の装飾品は、ディスプレイする期間が限られているし、置くスペースや収納する場所がないという問題がある。よって心を湧き立たせる季節の飾りは外出した際に眺めるだけで充分だと思ってしまう。
だが巡る季節を体感できるディスプレイを住まいで楽しむことは、心を癒し、潤いを与えてくれる。小さいサイズながら存在感が抜群で、この季節にぴったりなものがスノードーム。今回探し見つけたものは、シンプルなデザインで、どんなインテリアにもしっくり馴染むアベリョウコ氏のスノードームだ。
ドームの中で繰り広げられる小宇宙。スノードームの魅力
スノードームとは、水の入ったガラス素材のドームの中にオブジェと白く細かい粒やラメを入れたもの。ドームを逆さにして元に戻すと、水の中でオブジェの周りに白い粒が雪のようにはらはらと舞い、そのきらめく風情を眺めるものだ。
スノードームの原型とも言える水の入ったガラスのペーパーウェイトが作られたのは1800年代と言われており、1889年のパリ万博でエッフェル塔をガラス内部に閉じ込めたスノードームが販売され、大きな話題となった。
アメリカでは1929年にスノードームの生産が始まり、日本では陶器で台座を作ったスノードームが1930年代から生産されている。1970年代にはその人気に陰りが見えたものの80年代に復活を遂げ、現代まで長く人気を誇るプロダクトだ。
スノードームは中に入れるオブジェも季節も限定されていないが、白い小さな粒が舞い踊るその様は雪景色のようで、アベリョウコ氏のスノードーム “White Snow”も、細かな雪が降り積もる風景を彷彿とさせる。
一方、アベリョウコ氏のスノードームの特徴はそのシンプルさ故、冬が終わった後でも室内を彩るアクセントとして堪能できるところだろう。この12月という1年最後の月は雪の情景を、そして季節が移り変わった後はエレガントなオブジェとして楽しみたい。
シンプルさが美しい。アベリョウコ氏のスノードーム
このスノードームを作成したアベリョウコ氏は、山形県東根市にアトリエを構えるガラス作家。2014年から作成を始めたというスノードームは、通常のものとはひと味異なる雰囲気がたまらない魅力となっている。
従来のスノードームはガラスの下に台座が付いており、主役となるオブジェがガラス内部に収められているが、アベリョウコ氏の”White Snow”はしずく型のガラスの中に白く繊細なパウダーと細かなラメ、そして雪結晶型のホログラム、きらきらと輝く氷のようなガラスのかけらが収められている。
スノードームを手に持って、ガラスを優しく上下に振るとパウダーが雪のようにひらひらと舞い落ちて、その中で儚げなラメが優しく揺れ動く。トップの部分はざっくりと削られて白い曇りガラス状になっており、雪をふんわりと覆っているかのような風情だ。
手に持ちガラス内部の変化を楽しむのも良し、ディスプレイとして飾り棚に置いてあるのを眺めるのも良い。またグリーンのそばに置けば凛としたコントラストを描き出し、また窓辺に置いて光が浸透する様はガラス素材だからこそ味わえる美しさだ。
イベントものの飾り物としては小さなサイズなので、場所を取らずに飾れるところも嬉しく、どこに置いてもひときわ輝くその姿が、特別な空間を作り出してくれるだろう。
忙しい日々にもゆとりのひと時を
12月は1年のうちで最も時間が速く流れると、誰もが感じているに違いない。こなさなければならない仕事、しなくてはならない作業、会わなくてはならない人たち。そんな機会が増えていくため、自宅で過ごす時間は日中の疲れのせいで、ついおざなりになりがちだ。
そんな時こそ住まいの中では、ほんのわずかな時間で良いから何も考えずにスノードームを眺めるひと時を作ってみたい。手のひらに載せて優しく揺り動かせば、目の前に広がるのは小さな雪景色。慌ただしさに翻弄されて、気付くことのなかった過ぎ行く季節の移り変わりを感じてみよう。
また、夜にスノードームを眺めたいという人におすすめなのが、twodo(トゥードゥー)ライトベースだ。載せたものを通して光を透過し、日中に見るのとは大きく雰囲気を変えてくれる、オブジェを新たに輝かせる名脇役だ。
クリスマスや冬にちなんだ曲をかけながら、ライトベースの上に載せたスノードームをじっくりと眺めてみよう。かさついた心が静かに癒されていくのを実感できるに違いない。
スノードームのきらめきに季節を感じて
1年の終盤を迎える12月は、忙しさの中にも心弾むときめきが生まれる時だ。クリスマスやお正月など、盛り上がるイベントが幾つも待ち受けており、街を歩けば華やかなイルミネーションが目に入る。街中を行き交う人々の顔もやはり興奮の喜びに満ちている。
だが季節の移り変わりを感じるのは、きらめく街に出かけるだけでなく、住まいの中でもできるはず。アベリョウコ氏のスノードームは、季節の装飾品としては小さなサイズでスペースも取らず、室内のアクセントとなるプロダクトだ。
これまで幾度となく過ごしてきた冬の季節、多くの人に出会い、たくさんの思い出が作られてきた。普段は思い出すことのない記憶のかけらを、スノードームを眺めながら今日は掘り起こしてみようか。
静かにスノードームを揺らし、舞い上がり舞い落ちるパウダースノーを眺めてみよう。ガラス内部に広がる雪景色を前に、もうすぐ訪れる翌年への希望と期待を抱きながら。
アベリョウコ スノードーム|White Snow
CURATION BY
31年間暮らした英国から日本へ。海と山と川に囲まれた、小さな村での暮らしが始まりました。