見上げる。見下ろす。池尻大橋
調べてみると、そのような名前の橋はどこにもない。
東急玉川線があった時代の世田谷区池尻町に「玉電池尻」、目黒区上目黒に「大橋」、それぞれの電停があり、それらのほぼ中間地点に設置されたことから「池尻大橋」の名称とされた合成駅名であるとのこと。
ぐるっとOの字を描くような形状も意外性があって面白い。この庭園は国土交通大臣賞やグッドデザイン賞など各賞を受賞しているのだそう。
よくあるオシャレ道具店じゃない「TENTのTEMPO」
「TENT」とは2011年に中目黒で活動開始したプロダクトデザイン事務所で、「つくる」に関わるあらゆるものごとの企画・デザイン・ディレクションを行うクリエイティブユニットである。
これまでTENTが手掛けたプロダクトたちは文具、食器、雑貨、家具、家電とジャンルを横断したラインナップで、多くの企業とコラボレーションしている。
一つひとつをじっくりと見て、手に取っていくと「なるほど、これはたしかに嬉しいデザイン!」と膝を打つ製品ばかり。
あくまで道具としての機能を重要視しながらも、単純に使い勝手のよさを追求しているわけではない。一つひとつのプロダクトから感じられるのは、使う人の生活がより豊かになるような工夫で、キャプションを読みながら手に取ると、利用シーンがリアルに立ち上がって見えるような感覚が面白い。
デザイナーズプロダクトはさぞかし高価だろうと思いきや、手ごろな価格帯も非常に嬉しい。
コレすごくいい!TENTの暮らしの道具たち
出しっぱなしにしておきたい掃除道具。BRUSHUP
そういうわけで、つい掃除道具を出しっぱなしにしたり、あるいはゴミが出しっぱなしになったりで、なかなか片付かない。そんなお悩みは、この「BRUSHUP」シリーズで解決できそうだ。
友安製作所は1948年にネジや金属製のカーテンフックの製造で成長した企業で、約20年前にインテリア商品の輸入・販売を開始。現在は創業時から培ってきた鉄加工の技術を活かし、家具や雑貨など、インテリアを中心とした新しいものづくりを行っている。
「BRUSHUP」は、ブラシが使われるさまざまなシーンを想定した6つのデザインを展開。ホウキとチリトリが一体化するデザインで、使う時の使いやすさはもちろん、使わない時の佇まいもミニマルで生活空間に馴染みやすい。
うつわのような家電。STAN. by ZOJIRUSHI
まな板で食べてもいいじゃない。CHOPLATE
「見たことある」「持っている!」という方も少なくないはず。こちらの製品は、公開直後から大きな話題となり予約が殺到。累計販売数は9万枚以上という大人気の製品だ。
切り立てを食べられる、まな板になるお皿「CHOPLATE」|ZOOM LIFE
そんなシチュエーションに最適な、まな板になる皿。独特の模様とザラついた表面仕上げで、食べ物が美味しそうに見え、ナイフ傷も目立ちにくくなっているという。
軽量で高硬度なSPS材を成形するのは河辺商会の技術力ならでは。強度も十分で、アウトドアにもぴったりだ。パッケージもユニークで、ちょっとした贈り物にも◎。
つくると食べるを一緒に。FRYING PAN JIU
山形県天童市で作られた無垢の木材と、スライド機構の軽快な動きで、使うたびに嬉しくなる専用ハンドル。 塗装なし、厚さ1.6mmという厚手の黒皮鋼板だから美味しく焼けると評判のフライパンだ。
コピー用紙を諦めない。UPRIGHT
生活はそういう物事の積み重ねだが、そこで諦めないことがいかに素晴らしいかを痛感させられるのがこちらのプロダクト。
コピー用紙を買ってきたら、包装紙をビリっと破いてそのまま使う。見た目はちょっと嫌な感じだし、たまに引っかかって取り出しづらい。まぁそれって、ごく普通に仕方ない光景だと思っていた、この製品を見るまでは。
シンプルな中にもこだわりのポイントが。紙を受ける部分をわずかに直角より鋭角にすることで、紙が1枚1枚わずかにずれて重なるようになり、一枚ずつの紙が取りやすい。
インテリア小物になる栞。BOOK YACHT
食器は石鹸で洗う。TEILE
ダイニチ独自の固形洗剤と、その性能を十分に活かせるスポンジ。使い方は簡単で、スポンジに石鹸を1、2度擦り、泡立てて使用する。スポンジはとても丈夫でへたらないと評判とのこと。
デザインの役割を見つめ直す
彼らが考案したプロダクトを手に取ると、オシャレかどうか感じるより先に「ありがとう」と言いたくなるものが多い。
普段使っている道具に対して、不便はしないけれども些細な違和感を感じてしまう人は、ぜひ店舗に足を運んでみてほしい。「そう!こういうのが欲しかったんだ!」というものに、きっと出逢えるはず。
上の写真はTENTの共同代表である青木氏の父上がデザインしたハンドランプ。1986年にグッドデザイン賞を受賞したプロダクトで、今もさまざまなシーンで使われているロングセラー商品だ。
長く愛されるプロダクトデザインとは、時代背景などの垣根を超え、あくまでも道具として、使う人にとってそれが何なのかをじっくり探究していくことなのかもしれない。
TENTのTEMPO
営業時間 平日:14:00~18:00 / 土日祝:13:00~18:00
定休日:月曜(平日は不定休のため営業情報は公式Xをご確認ください)
https://twitter.com/tent_1000
オンラインストア
https://tent1000.stores.jp/