〔ZOOM in 神田〕多様な文化と人が行き交う街を支える、素朴で飾らない洋菓子店
東京の中心である千代田区に位置し、江戸時代から商業が盛んな街として賑わってきた神田。明治時代からは大学や出版社が増えていき、現在はオフィス街・繁華街どちらの顔もあわせもつ街として、学生から大人まで老若男女が毎日行き交っている。
そんな活気あふれる街に、ぜひ足を運んでみてほしい洋菓子店がある。それが、明治17年創業の老舗洋菓子店『近江屋洋菓子店』だ。洋菓子と聞くと、豪華なデコレーションが施されたケーキや繊細な味のチョコレートなど、食べてしまうのがもったいない商品も多いイメージがあるだろう。ハレの日に食べる贅沢な一品だ。しかし今回私がおすすめしたいのは、日常の中で“ほっとひと息つく癒し”のような「ケの日」に味わいたくなる「素朴で、飾らない洋菓子」。神田淡路町で約140年続く近江屋洋菓子店のお菓子は、がんばる人に、がんばらない時間を届けてくれる。日常の癒しになるお菓子とはどんなものか。その秘密を探りに、お店を訪ねた。