Vol.570

MONO

02 AUG 2024

花を愛で季節を感じる。PICUS ハーバリウムブラスグラスドーム&フラワーベース

住まいに花を飾って得られるのは、その瑞々しさがもたらす潤いと癒しだろう。大きく色とりどりのブーケを飾るのも華やかだが、時には自分自身のために、一輪挿しでひっそりと佇む可憐な花を愛でたい時もある。そんな際にぴったりの、インテリアに馴染み花を惹き立て、かつそれ自身も存在感のある一輪挿しを探してみたい。PICUS(ピクス)のハーバリウムブラスグラスドーム&フラワーベースはスリムでスッキリとした印象で、デザイン性の高いフラワーベース。花やドライフラワー、他にもアイデアを活かして室内を自分らしく彩ってみよう。

時には自分自身のために、一輪だけ花を生けて

花を生けるのは日常の中で感じられる、細やかだけれども記憶に残る喜びだ。大切な人からのプレゼントとして、あるいは記念日に送られた花束を、贈られた時に感じた喜びを思い出しながら、一本一本バランスよく活けていくのは何にもまして嬉しい瞬間に違いない。誰かから花を贈られることはそう頻繁にあるわけではないからこそ、その感動はかけがえのないものとなる。

受け取った時のときめきを思い出しながら花を生ける。心も住まいも贅沢で華やかになれるひととき
だが一方、自分自身へ花をご褒美として与えてあげたい時もある。手こずったプロジェクトを完成させた時、目標としていたことを達成した時、あるいは日々の暮らしにほんの少し疲れを感じた時。大仰な花束ではなく、ほんの一輪、凛とした姿で佇む花を眺めるだけで、ざらついた心が癒されていく。

しかしブーケに合う花器は様々なフォルムや素材のものがあるが、一輪挿しのフラワーベースを見つけるのはなかなか難しい。花の存在を活かし、それを邪魔せず、それでいて花器自身に存在感のあるものを。インテリアにもマッチし、飾る場所を選ばずに器そのものが美しい。そんな高い理想に応えてくれたのが、PICUSのハーバリウムブラスグラスドーム&フラワーベースだった。

ガラスと真鍮という異素材の組み合わせで、花も花器も存在を際立てるPICUSのハーバリウムブラスグラスドーム&フラワーベース

飾る場所、生けるものを自由自在に

PICUSのハーバリウムブラスグラスドーム&フラワーベースは、届いた箱を開けてみると、この長い名称がこのプロダクトそのものを表しているのがよく分かる。花器として購入したものの、この試験管のようなフォルムをしたガラスの筒の部分の向きを上下に変えることによって、フラワーベースとしても、グラスドームとしても2通りの使い方が出来るのだ。

黒のシックなボックスに収められたグラスドーム&フラワーベース。プレゼントとして贈るのもおすすめ

アンティーク感のある真鍮のベースに合わせる試験管のようなガラスのフォルムがユニークで、使うのが楽しみとなる

ガラスの筒の先端が丸い方を上向きにすると右側のドーム状となり、下向きにすれば左側のようにフラワーベースとして使用できる
ガラス部分を支えるベースは真鍮を錆びさせたアンティークな風合いを持つRUST、そしてコーティングをせずに真鍮素地を使用してくすんだゴールドカラーが美しいSOLIDの2種類が展開されている。

木材の家具が多い我が家の場合はゴールドカラーが映えると思い、今回はSOLIDを購入してみた。経年変化を楽しめる真鍮の色合いはとてもエレガントで、当たる光りによって印象を変えてくれる。これから長い年月を花とともに過ごしていきたいフラワーベースとなるだろう。

華奢なガラス部分を支える真鍮の土台はしっかりとした作り。倒れてしまうのではという心配もなさそうだ

枯れるのを見るのが忍びない時は、ドライフラワーを

住まいに花を飾ることで心が癒される人がいる一方、枯れてしまう姿を見るのが辛いという人もいるに違いない。また、忙しい日々を送る人にとっては水を変えたりするひと手間がなかなか出来ないという場合もあるだろう。その点、長く慈しむことが出来るのがドライフラワーだ。しかし埃が付いたり、掃除の際に花びらが散ったりするのが気になることもある。

ブーケにしたりリースにしたり、ディスプレイすれば味わい深い印象のドライフラワー。だが掃除が面倒といったデメリットも
シンプルにドライフラワーを楽しみたい時は、ガラスの筒の差し込む向きを変えて、グラスドームとして使用してみよう。ドームの中にドライフラワーを飾ると、花を生けるのとはまたひと味異なる風合いを楽しめる。ドームの中に飾るので、埃や掃除を気にする必要もない。

ドーム状にすると花器として使う時とは異なる印象に。スリムなので飾る場所を選ばないのも嬉しい
はじめに生け花としてフラワーベースに飾り、しばらく愛でたら乾かして、ドライフラワーにしてグラスドームにディスプレイするという方法も良いだろう。旬の短い花が輝く期間を長く楽しめるに違いない。

アイデア次第で季節を感じる空間づくりに

PICUSのハーバリウムブラスグラスドーム&フラワーベースを購入してから、花やドライフラワーだけでなく、他のものをディスプレイすることに挑戦したくなった。たとえばスモークグラス。

普段はブーケの脇役となるスモークグラスはイネ科キビ属の一年草だが、それひとつをじっくり眺めてみると、まるで緑の線香花火のような可憐な佇まい。シンプルなPICUSのフラワーベースにしっくりと馴染み、室内に涼やかな空気感をもたらしてくれる。

いつもはメインの花を惹き立てる存在のスモークグラスが、このフラワーベースに飾れば主役として華やぐ
スモークグラスを生ける楽しさに気付いたら、他のものも飾ってみたくなる。たとえばエノコログサ、通称猫じゃらしとして知られている、野原や道端で見かける雑草だ。普段は気にも留めないこの草は、夏になると青々とした穂を付ける。これを数本飾ってみると、夏の住まいに爽やかな気配をもたらしてくれた。

エノコログのすっと伸びた茎とフラワーベースの形状がマッチして、夏の室内に清涼感を漂わせてくれる
他にも1年で最も美しい中秋の名月を愛でながら、収穫に感謝する15夜にはススキを飾り月見と洒落込むのも良いだろう。春なら桜やミモザ、冬ならクリスマスローズや南天など、大人になると普段は忘れがちな四季折々の行事にちなんだものを飾り、これから来るシーズンに思いを寄せる…そんな季節を愛でる楽しみが生まれそうだ。

自分自身のために、花を愛でて季節を感じて

花を飾るのは自分のための空間を彩るという、とてもプライベートな行為。大切な人から贈られた花束を生けるのも喜びだが、自分自身のために一輪の花やドライフラワー、あるいは季節を感じさせるもので住まいに飾れば、乾いた心を癒してくれて、暮らしに華やぎをもたらす彩りとなってくれるだろう。

さりげなく可憐に咲く一輪の花を自分のために。心に安らぎと、季節を感じる喜びを与えてくれる
PICUSのハーバリウムブラスグラスドーム&フラワーベースは慌ただしく過ぎていく暮らしの中で、少し立ち止まる時間を与えてくれるプロダクト。月日に流されるだけの日々が続いたら、自分だけのために好きな花を捜しに行こう。一輪の花の輝きが、飾る時間を、眺める瞬間を特別なものにしてくれることを実感できるに違いない。

PICUS ハーバリウムブラスグラスドーム&フラワーベース(SOLID)