Vol.224

KOTO

09 APR 2021

生活のリズムを刻む。心地良い緊張感をもたらすガラスオイルキャンドル

住まいという最も私的な空間は、外の世界で蓄積された疲れを癒し、心身ともにくつろげる場所であって欲しい。だが家で過ごす時間が増えると、オンとオフの切り替えが難しく感じることはないだろうか。自身の住まいの中で張りのある時間や気持ちを得るために、暮らしにほど良い緊張感を加えてみたい。繊細で幻想的な灯りが周囲を照らすガラスオイルキャンドルなら、一日のリズムを美しく刻んでくれるだろう。

家時間で失くしたくない時間の区切り

テレワークが浸透し、自宅で仕事をすることは働くスタイルのひとつとなっている。在宅で仕事をするメリットは数多く、今まで通勤にかかっていた時間はなくなり、苦手な人との関わり合いが減ってストレスが軽減した人も多いだろう。起床する時間はゆっくりとなり、改まった服装をする必要もない。出費が減って自由な時間が増えた実感がある。

だが一方で家時間が長くなると、デメリットにも気付き始める。その第一はオンとオフの切り替えが難しい、ということではないだろうか。

さまざまな利点のあるテレワーク。だが時間の区切りが上手くできないと感じることも
今までは住まいとは異なる場所で仕事を終え、移動を経て自宅にたどり着くため、自然にプライベートな自分へと切り替わることが出来ていた。だが仕事場もリラックスする場も同じ空間では、それがなかなか難しい。

移動や外部との接触が減り、ストレスの軽減と共に外界から得る刺激も少なくなる。他人の視線を気にしなくて良い分、自身を高めようという意識が減少してしまう。起床から就寝までを、紐が解けたような弛んだ気持ちで過ごしてしまう。リズムの消えた単調な日々では、昨日と今日の区別さえつかなくなって行く…。

家で過ごすひと時は、ゆっくりとくつろぎたい。だがそれと同時に、心地良い緊張感を感じることも重要なのかもしれない。気持ちや時間に区切りをつけるプロセスがあれば、一日の中に美しい旋律を奏でるかのようなリズムが生み出されるだろう。

住まいにアクセントをもたらし、生活にメリハリを生み出してくれるおすすめなプロダクトが、ガラスオイルキャンドルだ。

ガラスの透明感と燃ゆる炎のコントラストが美しいガラスオイルキャンドル

光源から癒しの存在に至るまで

癒しのアイテムとして人気の高いキャンドルの歴史は古く、葦(あし)を動物性脂肪を溶かしたものに浸し、光源として活用していた古代エジプトから始まっている。古代ローマ人は巻いたパピルス紙を獣脂や蜜蝋に浸し、室内の灯りや夜の旅路を照らすために、そして宗教的儀式に広く使われていた。

蜜蝋キャンドルが生まれたヨーロッパの中世では教会の儀式などに使用されていたが、非常に高価であったために、家庭内で使えるのは裕福な人々だけであった。捕鯨産業が発展した18世紀後半になると鯨蝋が入手可能となり、キャンドルの普及に役立つこととなる。

19世紀になると機械化による大量生産が可能となり、一般の人々も容易にキャンドルを入手出来るようになった。だが1879年の電球の導入により、キャンドル製造は衰退していくこととなる。

淡く柔らかな炎の灯りは、いつもと違った風景を見せてくれる
しかしキャンドルの役割は辺りを照らすだけではない。現代では装飾品として、そして癒しのプロダクトとして人気を博し、誕生日やクリスマスなどの記念日には雰囲気作りとして欠かせない存在となっている。

時には電子機器の光りから離れて

仕事中もプライベートも、電子機器と離れる時間がとても少ない、という人はきっと数多くいるだろう。だがPCやスマートフォンのスクリーンから放たれるブルーライトが心身ともに影響を与えているのはご存知だろうか。

脳の松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモンであるメラトニンは、ヒトの生体リズムの調節作用を持っている。可視光線の中で最も強いエネルギーを持つブルーライトを就寝直前まで浴びているとメラトニンの分泌量が減少し、睡眠の質が低下すると言われている。

他にも眼精疲労や精神疲労などさまざまな影響を及ぼすブルーライト。昼夜を問わず電子機器のスクリーンを見続けている方は、時にはすべてをシャットダウンしてみよう。

部屋の灯りを消して、夕暮れのひと時を炎の灯りだけで過ごしてみる
キャンドルが放つ柔らかな炎の揺らめきは、ストレスを軽減し、心を穏やかにさせ、集中力、回復力を高めてくれるパワーを持つ。古くから宗教儀式や瞑想に使われてきただけあって、シンプルでありながら神聖なツールでもある。

電子機器から少し離れ、炎の揺らぎに身を委ねてみよう。人工的な光りの元で蓄積された疲労を排除し、心身を労わる時間を暮らしの中に取り入れてみたい。

香りや色付きなど、好みのオイルを選択する楽しみもある
使い方はシンプルで、オイルをガラス容器の2/3ほど注ぎ、芯を5mm弱ほど上に出した状態にセッティング。芯にオイルが浸透するまで10分程しばらく待とう。

火を灯す際は周囲に紙や布など、燃えやすいものは置かず、ぐらつかない整えられた空間で使用すること。使用後は吹き消すだけ、使用しない時はオイルは元の容器に移し替えておこう。

ガラスオイルキャンドルは容器そのものが繊細で、火を取り扱うため他の癒しツールに比べ注意が必要な存在だ。だがその緊張感は、炎の揺らぎを見つめているとゆっくりとほどけていく。静けさのひと時の中で、本来の自分を取り戻したと実感できるに違いない。

炎の優しい揺らめきが、張り詰めていた心を解きほぐす

自分で選んだ緊張感は、心地良さをもたらしてくれる

「緊張感」という言葉を聞くと、どうもネガティヴな印象を感じてしまうかもしれない。だがそれは自分で選択したものではなく、第三者から与えられた状況下だからこそ、生じるものではないだろうか。

例えば今まで訪れたことのない場所への一人旅。出発前夜はそわそわと少しの緊張を感じるが、それは決して嫌なものではなく、興奮と期待が入り混じっている。「緊張感」は自分で選び、作り出した状況であれば心地良い感情でもあるはずだ。

心地良い緊張感とリラクゼーションを味わうために
ほど良い緊張感を自宅で感じてみるために、仕事が終わったらデスクから離れ、電子機器はオフにする。部屋を薄暗くしてガラスオイルキャンドルをテーブルにセッティング。

取り扱いを慎重にしなくてはならないプロダクトだからこそ、最初は緊張感を伴うが、火を灯して揺らめく炎を眺めてみれば、心が解き放たれていくのを感じるだろう。

オンとオフの切り替えが難しく感じた時は、ガラスオイルキャンドルの炎の灯りでそれまでの世界から離れ、本来の自分自身となって静寂さを味わってみてはいかがだろうか。