家時間で失くしたくない時間の区切り
だが一方で家時間が長くなると、デメリットにも気付き始める。その第一はオンとオフの切り替えが難しい、ということではないだろうか。
移動や外部との接触が減り、ストレスの軽減と共に外界から得る刺激も少なくなる。他人の視線を気にしなくて良い分、自身を高めようという意識が減少してしまう。起床から就寝までを、紐が解けたような弛んだ気持ちで過ごしてしまう。リズムの消えた単調な日々では、昨日と今日の区別さえつかなくなって行く…。
家で過ごすひと時は、ゆっくりとくつろぎたい。だがそれと同時に、心地良い緊張感を感じることも重要なのかもしれない。気持ちや時間に区切りをつけるプロセスがあれば、一日の中に美しい旋律を奏でるかのようなリズムが生み出されるだろう。
住まいにアクセントをもたらし、生活にメリハリを生み出してくれるおすすめなプロダクトが、ガラスオイルキャンドルだ。
光源から癒しの存在に至るまで
蜜蝋キャンドルが生まれたヨーロッパの中世では教会の儀式などに使用されていたが、非常に高価であったために、家庭内で使えるのは裕福な人々だけであった。捕鯨産業が発展した18世紀後半になると鯨蝋が入手可能となり、キャンドルの普及に役立つこととなる。
19世紀になると機械化による大量生産が可能となり、一般の人々も容易にキャンドルを入手出来るようになった。だが1879年の電球の導入により、キャンドル製造は衰退していくこととなる。
時には電子機器の光りから離れて
脳の松果体(しょうかたい)から分泌されるホルモンであるメラトニンは、ヒトの生体リズムの調節作用を持っている。可視光線の中で最も強いエネルギーを持つブルーライトを就寝直前まで浴びているとメラトニンの分泌量が減少し、睡眠の質が低下すると言われている。
他にも眼精疲労や精神疲労などさまざまな影響を及ぼすブルーライト。昼夜を問わず電子機器のスクリーンを見続けている方は、時にはすべてをシャットダウンしてみよう。
電子機器から少し離れ、炎の揺らぎに身を委ねてみよう。人工的な光りの元で蓄積された疲労を排除し、心身を労わる時間を暮らしの中に取り入れてみたい。
火を灯す際は周囲に紙や布など、燃えやすいものは置かず、ぐらつかない整えられた空間で使用すること。使用後は吹き消すだけ、使用しない時はオイルは元の容器に移し替えておこう。
ガラスオイルキャンドルは容器そのものが繊細で、火を取り扱うため他の癒しツールに比べ注意が必要な存在だ。だがその緊張感は、炎の揺らぎを見つめているとゆっくりとほどけていく。静けさのひと時の中で、本来の自分を取り戻したと実感できるに違いない。
自分で選んだ緊張感は、心地良さをもたらしてくれる
例えば今まで訪れたことのない場所への一人旅。出発前夜はそわそわと少しの緊張を感じるが、それは決して嫌なものではなく、興奮と期待が入り混じっている。「緊張感」は自分で選び、作り出した状況であれば心地良い感情でもあるはずだ。
取り扱いを慎重にしなくてはならないプロダクトだからこそ、最初は緊張感を伴うが、火を灯して揺らめく炎を眺めてみれば、心が解き放たれていくのを感じるだろう。
オンとオフの切り替えが難しく感じた時は、ガラスオイルキャンドルの炎の灯りでそれまでの世界から離れ、本来の自分自身となって静寂さを味わってみてはいかがだろうか。