観葉植物は、“緑色のインテリア”。
手軽に購入できる観葉植物は、部屋のポテンシャルをいくらでも引き上げる可能性を秘めている。「良い家具は高くて買えないから」「部屋が狭いから」とインテリアにこだわるのを諦めている方は、まず観葉植物から始めてみてはいかがだろうか。
「緑」色が、私たちにもたらしてくれるもの
昔から「緑色は目に優しい」とよく言われるが、これは人間の目にとって最も見やすいのが緑色だからである。人は光によってモノを見ており、光にはさまざまな波長がある。その波長の長短によって、人は特定の色を知覚している。たとえば紫や青は波長が短く、赤やオレンジは波長が長い。その中で緑は、人間が見ることのできる波長の範囲の中で、ちょうど真ん中に位置している色なのだ。目に大きな負担をかけず見ることができるため、目に優しいと言われている。
さらに緑色は、色彩心理学においても「ストレスを緩和させる」「気持ちを安定させる」「心の緊張をゆるめ、鎮静させる」といった効果があるとされている。たしかに、会社のオフィスや病院などに観葉植物があると、緊張感が和らぐような気がする。
そして何より、植物は生き物としての成長を楽しむことができる唯一のインテリアである。日に日に枝葉を伸ばし、花をつけたりする様子を見守ることは、まるで我が子を愛でることに似ているかもしれない。そんな尊い時間が、私たちに癒しを与えてくれるのだと思う。
観葉植物のいい選び方とは?
まず大切なのは、置き場所。せっかくいい植物を買えたとしても、置くスペースが確保できなかったら意味がない。購入する際は、先に配置を決めておくことをおすすめする。そして、忘れてはいけないのは「観葉植物は生き物である」ということ。植物は、種類によって「直射日光を好むもの」「窓辺など、日当たりのいい室内を好むもの」「半日は明るい場所、半日はやや暗めの場所を好むもの」の大きく3つに分かれる。このような特性も踏まえた上で、最適な植物を選んでほしい。
周辺アイテムにこだわると、グリーンライフがより豊かに
花瓶も鉢と同様、多種多様な種類が販売されている。花瓶を選ぶ際に見落としがちなのが「口の広さ」。大きい花瓶であっても、口が狭いと複数の花を入れることができない。花束も飾れるよう、1つは口の広い花瓶を持っておくことをおすすめする。
入れ物だけでなく、ジョウロや霧吹きといった水やり道具も観葉植物には欠かせない。日常的に使用することになるため、自分の手に馴染むもの、使っていて気分があがる色やデザインのものを選んでみよう。
観葉植物で、現代生活にひとときの寛ぎを
「家事をしている時、あるいは納屋で仕事をしている時、これまでの失敗や過ちを思い出すことがあります。そんな時は考えるのを急いでやめて、スイレンの花を思い浮かべるの。スイレンはいつも、沈んだ気持ちを明るくしてくれます。」
これは、ターシャ・テューダーが自著である『思うとおりに歩めばいいのよ』に残した言葉。植物は、慌ただしい毎日にフッと安らぎの時間を与えてくれる。そう考えると、植物を愛でることは、自分を愛でることにもつながるのかもしれない。
ひとたび部屋に緑を迎えたら、世話をする手間暇すら愛おしく思えるはず。ぜひ、各々のグリーンライフを楽しんでいただきたい。