駅直結のビルに、植物に包まれた異空間が
渋谷駅直結だけあって客層はさまざま。渋谷近辺にお店を構える人が自分の店用に植物を買いに来たり、外国人観光客が盆栽を見て楽しんだりする姿もあるが、一番多い客層は夕方以降、仕事帰りに立ち寄る30~40代の人だという。
本店は愛知県豊橋市にある、文字通りガレージを改装して始まったという「garage TOYOHASHI」。「garage」は現在、愛知県に2店、横浜に1店、そして東京では渋谷と丸ビルに店舗を構えるほか、「garage」とはコンセプトの異なる姉妹店「Rust」「noni」も運営している。
ちなみに「garage」は園芸用品の色合いを植物が引き立つようにシックにまとめ、職人気質の無骨な園芸店をイメージしているという。一方、立川のショッピングモール・GREEN SPRINGSなどにある姉妹店「Rust」は大人の園芸店がコンセプト。特に横浜店と名古屋にある栄店は「大人可愛い」がテーマで、より日常使いのできる手に取りやすいアイテムが揃っている。
「植物の植え替え作業は、植物が順調に育つと必ず行う時期がやってきます。お客様からも、どうやって植え替えをしたらいいか分からないといったお声を聞くこともあり、いろいろと会話をしながら目の前で実際に見ていただくことで、ご自身の手によって植え替えをする不安が少しでも解消されたらと思っています。ご自分で植え替えを行うとより一層、植物に愛着が湧きますので、土に触れることの楽しさが見ている方に伝わると嬉しいです」(店長・永田さん)
「例えばこの個性的なタコノキは、関東ではなかなかお目にかかれないと思います。garageでは九州や沖縄の生産者さんとのお付き合いが多いため、こういった珍しい植物も入荷することができます。また、土がなくても空気中の水分で育つエアプランツもかなりの品種を取り揃えていて自信があります。もうひとつ心がけているのは、いつご来店いただいても、新しい発見と出会いがあるようなワクワクできる植物を仕入れることですね」(永田さん)
グリーンの品揃え以外にも様々な工夫が
「お客様が植物をお部屋に置いた時にイメージしやすいように配置するということを常に考えています。ですので植物も園芸用品もただ並べるのではなく、植物の魅力が引き立つようなディスプレイを心掛けています」(永田さん)
「このエリアは『鉢のギャラリー』をテーマにしていまして、渋谷店は系列店の中でも特に鉢の取り扱い数が多い店舗です。こだわっているのは作家さんによって手作業で1つずつ作られた鉢で、全国各地の作家さんからgarageのコンセプトに合う鉢を仕入れています。植物がより美しく、かっこよく見えるような鉢をたくさん取り揃えています」(永田さん)
植物がブームって本当?
「一番大きなきっかけはコロナ禍でした。おうち時間が増えて、外食や旅行にお金をかけるよりも、家の中で楽しめるものにお金をかけるようになって大きな園芸ブームが起こりました。コロナ禍における植物の需要の高まり方は大変なもので、生産者さんの生産が追いつかないほどでした。弊社は以前より生産者さんとの繋がりを大事にしてきたこともあり、そんな需要過多な中でも何とか植物を出荷していただけていました。
そんなコロナ禍に高まった園芸ブームが、コロナ収束後も一過性のものにならず、趣味として定着した印象があります。特に花屋や園芸店、ホームセンター以外にも、インテリアショップやアパレルショップでもグリーンを扱う店が増えましたよね。さらに花や観葉植物だけでなく、多肉植物や珍奇植物の流行もあり、同じ種類の植物でも様々な品種やバリエーションがあったりするので、購買意欲やコレクター精神に火が付きやすいんだと思います」(永田さん)
「最近はアロイド系と呼ばれるサトイモ科の植物が人気でオススメです。たくさんの品種があるフィロデンドロンやアンスリウムは結構レアなものも仕入れていますし、存在感のあるモンステラや、かわいらしくて丈夫に育つポトスは初心者にも育てやすいです」(永田さん)
「garage」の今後
「ゆくゆくは海外にも進出したいと思っています。また、豊橋には畑やビニールハウスもあって、弱った植物を廃棄してしまうのではなく、そこで再生させる取り組みも行っています。ただ植物を仕入れて販売する店という役割だけでなく、弊社がテーマにしている『植物と暮らす』が農業の事業も通してもっと循環できればいいなと考えています。
渋谷店では、珍しい品種やかっこいい植物ももちろん大事にしていますが、元気がよく状態がいい植物を自信を持って販売していきたいと思います。これは当たり前のことですが、お客様に買っていただいた後に植物の元気が無くなってしまうのが一番悲しいことなので、とても重要なことだと考えています。『garage』は生産者さんとの繋がりも大事にしているので、生産者さんの苦労や生産の背景、どうやったらよく育つか、そういったストーリーもお客様に直接お伝えできますしね」
何でもネットで買える世の中だが、植物は実物を見て、スタッフさんから育て方を聞いて買いたいもの。さらに「garage」なら、その植物に合う鉢や必要な園芸用品も、インテリアを参考にしながら選ぶことができる。ぜひ「garage」「Rust」各店に足を運んでみてはいかがだろうか。
garage SHIBUYA
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