訪れる人、それぞれの好奇心を刺激する文化が揃うスリランカ
面積にして65,610 km²、北海道よりも小さなこの国には8つの世界遺産や北インド発祥でスリランカでも発展した伝統医療アーユルヴェーダなど、独自の文化が豊富だ。なかでも「トロピカル建築の天才」と称される建築家ジェフリー・バワ(1919-2003)が残した数々の洗練された建築物に直接触れたいと訪れる日本人も多いという。
五感で感じるものすべてがユニークで刺激的だった旅は、心身ともに充足感に満ちたものとなった。この国が、2019年12月初めににアメリカを代表する一般大衆紙のUSA Todayにおいて「20 warm-weather destinations to visit this winter if you just can't take the cold anymore(寒さに耐えきれないあなたが冬に訪れるべき20の暖かい目的地)」として1番に取り上げられていたのも頷ける。
そして、旅に求めるものは人それぞれであっても、だれもが旅先で体験するのが「食」。筆者が見知らぬ土地で、ストレスを感じずに過ごすことができた理由のひとつに、スリランカの食があったのだ。
異国を感じる“アートの発信基地”で、スリランカ料理を体験する
BANDARA LANKAオーナー バンダラさんに学ぶ、スリランカの食文化
日本好きが高じて東京への語学留学を決意したバンダラさんは、卒業後、都内の外資系ホテルに勤務しながら日本の文化を学んだ。「スリランカの食文化は日本に馴染む」という直感は、イベントなどでスリランカ料理を提供する機会を重ねる度、確信へと変わったという。そして、“日本とスリランカの文化を交わらせるスペース”をコンセプトに掲げ、2018年10月、日本人の奥様と共にBANDARA LANKAをオープン。これまで、ランチをメインに提供してきた。
インドカレー店がひしめき合う東京の街においては、日本人にとってもスパイシーな料理は親しみやすくなってきた。インド料理とスリランカ料理とは、どのような違いがあるのだろうか。
「インドカレーとの違いは乳製品や油をほとんど使わないこと。代わりに、ココナッツオイルやココナッツミルクをベースに使い、野菜料理がメインのためヘルシーです。プレートの中央に主食のライス2種、サイドディッシュを少しずつ盛り付けます」
BANDARA LANKAが勧めるセイロンティー
店内の棚にぎっしりと並ぶ種類豊富なセイロンティーは、すべてスリランカのもの、バンダラさんが厳選したセイロンティーの数々は購入可能で、気に入ったものが見つかるとリピーターとなる人も多いという。
安心感を与えてくれる国民性が、それぞれの旅に充足感を与えてくれる
最後にスリランカで感じたもう一つの魅力、筆者がスリランカに訪れた時、街やホテルで出会う人々がみな笑顔で親切にしてくれたエピソードを伝えた。
「スリランカ人は、やさしい人が多く、好奇心も強いので新しいものや外国人と出会うのが大好きなんです。食文化以外にもいろんな魅力がある国でとても豊かだということを、このお店におこしいただく日本の方に伝えていきたいです」
国民の7割を占めるといわれるシンハラ人、そのほとんどが仏教を信仰しているという。日本で生まれ育った筆者がどこか彼らを身近に感じたのは、そのためなのだろうか。いずれにせよ、旅先で出会う人の優しさに触れたことで得た安心感が旅をより豊なものにしたのは間違いない。受け取った親切を含め、この国の美しさとして伝えていきたい。
まだまだ日本人にとって馴染み深いとはいえないかもしれないスリランカだが、その魅力は食文化をはじめ、歴史や国民性など知られざるものも多く、ぜひ旅のリストにいれてみてほしいところだ。とはいえ、遠い異国…まずは手はじめに、BANDARA LANKAに訪れてみるのはどうだろうか。
スリランカ料理とセイロンティーのお店 BANDARA LANKA
営業時間:ランチビュッフェ / 11:00-14:30(L.O.14:00)、ディナータイム / 17:00-21:30(L.O.21:00)
定休日:月曜日
TEL:03-6883-9607
HP:www.bandaralanka.jp