Vol.266

03 SEP 2021

〔ZOOM in 目黒〕「トラットリア」の意味とは。気軽に楽しみたい本格イタリアン

目黒エリアは閑静な住宅地が多く、治安のよい安全な街だといわれている。高級住宅地としても有名で、落ち着いた雰囲気。それにおしゃれな飲食店が豊富にある。 ところで、目黒エリアのイタリア料理店で、「trattoria(トラットリア)」と表記されている看板を目にしたことはないだろうか。思いつくお店はあっても、トラットリアという言葉の詳しい意味を知らない人も多いだろう。今回は、トラットリアの意味をはじめ、同様にイタリア料理店の呼称であるリストランテやオステリアとの違いを紹介する。

トラットリアの意味とは?「リストランテ」「オステリア」との違い

ここではトラットリアとリストランテ、オステリアとの違いともに、料理店の他の呼び名も紹介する。あくまでおおまかな区分であり、厳密な基準が設けられていない場合も多いことは念頭に置きつつ、言葉の意味を知ってお店を選ぶのも楽しいだろう。

トラットリアはイタリア語で「大衆食堂」「郷土料理店」を指す

トラットリア(trattoria)とは、気軽に入れるイタリア料理店や大衆食堂のようなアットホームな雰囲気のお店を意味する。多くは家庭的な料理を出す食堂なので、ドレスコードはない。コース料理ではなく、メインの料理1品だけの注文もできるため、気軽にイタリア料理を楽しめるのが魅力だ。

リストランテはハイグレードのお店

リストランテはイタリア語でレストランを指す。レストランというと日本では一般的な外食のイメージだが、実はリストランテはイタリア料理店の中ではもっとも高級な位置付け。ドレスコードがあるお店が多いため、訪れる際はフォーマルな服装を選ぼう。通常はコース料理に高級ワインを楽しめるが、その分価格帯も高めに設定されている。特別な日のごちそうにピッタリだろう。

「オステリア」は高級な居酒屋のイメージ

オステリアは日本でいう居酒屋のような雰囲気のお店だ。ワインを中心にお酒の種類が豊富にそろっており、店内のにぎやかな雰囲気が特徴。伝統的な料理や地元特有の料理を楽しめるお店もあり、価格帯にも幅があるため、初めて行くお店であれば事前に確認するとよいだろう。

その他にも多彩な呼び名があるイタリア料理店

イタリア料理店は形態がさまざまあるため、呼び名のバリエーションが豊富にある。たとえば「ピッツェリア」はピザ専門店、「スパゲッテリア」はスパゲッティー専門店だ。「バール」は日本で知られているようなバーではなく、コーヒーや軽食、夜にはお酒も楽しめる喫茶店感覚のお店であり、「タベルナ」はトラットリアよりも庶民的な食堂を指す。これらはあくまで一例であり、イタリアにはさらに細かく分けられた料理店の呼び名が存在している。

トラットリアでも楽しめるコース料理のメニュー構成

イタリアンのコース料理には、それぞれ特有の名称がついている。ここでは名称に加え、内容について紹介しよう。

「アンティパスト」は前菜

シンプルに使われた食材が食事への期待感を高めてくれる、色とりどりの前菜
「アンティパスト」はイタリア語で「料理の前に」という意味であり、前菜のことを指す。メニューは生ハムメロンやサラダ、カルパッチョなどシンプルなものが多い。メインの前に軽く食べて食欲を促すための前菜なので、切って盛るだけの簡単な料理が一般的だ。季節感のあるものが多く、魚介から野菜、肉、豆など、お店によって使われる食材はさまざま。日本では省略して「アンティ」と呼ばれることもある。

「プリモ・ピアット」は1皿目の料理

メイン料理の前のプリモ・ピアットは食べすぎないようにしたい
「プリモ」はイタリア語で「1番目」、「ピアット」は「料理」を意味する。アンティパストはあくまで食欲を促すものという位置付けであり、食事のスタートはプリモ・ピアットから、ということだ。プリモ・ピアットによくあるメニューはパスタ料理やリゾット、ピッツァなどの炭水化物や、ミネストローネに代表されるスープ料理だ。炭水化物は主食のように思えるが、まだコースは始まったばかりなので、食べすぎないように注意したい。

「セコンド・ピアット」はメインディッシュ

メイン料理は肉や魚が一般的。付け合わせの野菜は個別で注文することも可能だ
「セコンド・ピアット」は「第2の料理」を意味し、肉料理や魚料理といったいわゆるメイン料理が出る。ちなみに魚はイタリア語で「ペッシェ」、肉は「カルネ」という。近年はヘルシー志向の影響から、野菜料理をセコンド・ピアットに付け加える場合もあり、それを「付け合わせ」という意味の「コントルノ」と呼ぶ。コントルノは日本の副菜の役割をもつため、日本ではセコンド・ピアットと一緒に盛り付けて提供されることも多い。

「ドルチェ」はデザート

濃厚なティラミスとコーヒーは相性抜群。おいしい食事のあとにゆったりといただきたい
日本でも「ドルチェ」という言葉をよく聞くようになった。「ドルチェ」はイタリア語で「菓子」の総称であり、料理店のドルチェはメイン料理が終わったあとに出されるデザートのことを指す。また、お店によってはデセールと呼ぶこともあるので覚えておこう。ドルチェはコーヒーと一緒に注文するのが一般的で、タルトやティラミス、フルーツの盛り合わせなど、素朴でシンプルなものが多い。

トラットリアでも注意したいイタリアンのテーブルマナー

イタリア料理には、料理ごとに食事マナーがある。正しい食べ方を覚えておこう。

パスタは基本的にスプーンを使わない

日本ではパスタを食べるときにフォークだけでなく、スプーンを使うのが定番化している
パスタを食べるとき、イタリアでは基本的にスプーンを使わずフォークのみで食べる。ソースの跳ね防止のためとしてスプーンを添えることもあるが、一般的にスプーンを使うのは子どもだけだという。しかし、日本では1990年代から、パスタの中でもスパゲッティーを食べるときにフォークとスプーンを一緒に使う習慣が広がった。日本ではマナー違反とはされていないものの、スパゲッティーはフォークだけを使って一口大に巻き取り、口に運ぶのが大人のスマートな食べ方だということは知っておきたい。また、絶対にやってはいけないのが、他の麺類のように音を立てながらスパゲッティーをすすって食べること。すする音を立てるのはマナー違反になり、一緒に食べる相手や周りに不快感を与えてしまうため、特に注意しよう。

スープは音を立てずに

スープを食べる際のマナーとして大切なのが、音を立てずに食べること。そして、お皿を手に持って顔に近づけて食べるのではなく、お皿は置いたままスプーンですくって食べることがマナーだ。スープをすくう際には、スプーンを手前から奥に向けてすくうようにしよう。ただし、スープが少なくなったら、手で器を少し傾けるのはかまわない。最後まできれいに飲み干せなくても問題はなく、むしろお皿に口をつけて飲むのはマナー違反になるので注意しよう。スープを飲み終わったら、スプーンはスープ皿の向こう側に置くのが作法となっている。

パンは一口大にちぎって食べる

パンを食べるときにも気遣いが必要だ。大きなパンにそのままかぶりつくのは見た目に美しくないので、手で一口大にちぎって食べよう。その際、メイン料理のお皿にあるソースにパンをつけて食べるのは、マナー違反とはされないことが多い。ただし、お店のランクや雰囲気によっては上品ではないとされることもあるので、状況を見て判断するとよいだろう。

目黒エリアのトラットリアで本場イタリアンを味わう

冒頭でも触れたとおり、目黒エリアにはおしゃれな飲食店が多く、トラットリアも多く軒を連ねている。ここでは目黒エリアにある、とっておきのトラットリアを紹介する。

Trattoria Ciaoro(トラットリア・チャオロ)

Trattoria Ciaoro 「ラザニア」。こだわりのベシャメルソースはここでしか味わえない
Trattoria Ciaoro(トラットリア・チャオロ)は、目黒エリアで本格イタリアンが楽しめる、隠れ家的なレストラン。備長炭でじっくりと仕上げられた料理の数々は、素材のうまみがギュッと詰まった贅沢な味わい。そのうえ食事とお酒を合わせても5,000円程度のカジュアルな料金設定が魅力で、何度でも通いたくなる人気店だ。チャオロでシェフを務める金箱さんは、本場イタリアで3年ほど修行をし、さらに東京のレストランのシェフ経験を重ね、2014年にチャオロをオープンした。ここではソムリエに相談しながら、料理に合うワインを選べるのも楽しみ方の1つ。ランチも用意されており、1,000円でパスタかラザニアを選べるセットがある。まずは気軽にランチで訪れるのもおすすめだ。
〒153-0064 東京都目黒区下目黒1丁目3-28 地下1階サンウッド目黒
03-6431-9921
営業時間:11:30~13:30 / 18:00~21:00
定休日:日曜日
https://ciaoro.jp/

Trattoria Dal Birbante Giocondo(トラットリア ダル・ビルバンテ・ジョコンド)

明るく親しみやすい雰囲気の外観。思わず立ち寄りたくなる
トラットリア ダル・ビルバンテ・ジョコンドは、目黒と白金台の間に位置するイタリア料理店。東京都庭園美術館のすぐそばにあり、都会とは思えない開放感のある場所で食事を楽しめる。店内はローマの下町にあるトラットリアを思わせるような作りになっており、日常の温かみを感じながら料理を楽しめる環境だ。トラットリア ダル・ビルバンテ・ジョコンドでは伝統的なローマ料理を提供しているため、まるでイタリアにいるような気分を味わえるのも魅力。料理の種類が豊富で、はじめは何を選べばよいのか迷ってしまうかもしれない。そんなときは「本日のおすすめ」から選んでみるとよいだろう。ランチはセットメニューとコースが用意されているので、まずは気軽に立ち寄ってみてはいかがだろうか。

〒108-0071 東京都港区白金台3-18-1 1F
03-6721-9500
営業時間:12:00~14:30 / 18:00~23:00
定休日:月曜日、第1日曜日
https://www.dal-birbante.com/

言葉の意味を知った今こそ、目黒エリアのトラットリアを気軽に訪れたい

おしゃれな店内で楽しむ、親しみやすくておいしい料理たち
おしゃれな飲食店が立ち並ぶ目黒エリアには、気軽にイタリアンを楽しめるトラットリアがたくさんある。目黒エリアに住んでしまえば、トラットリアでおいしい食事を満喫したあとで、楽しい気分をそのまま家に持ち帰ることも可能になるだろう。

近隣のマンションシリーズ「ZOOM」

【交通】東急目黒線 不動前駅徒歩 7分、山手線 目黒駅徒歩 12分、東急目黒線 目黒駅徒歩 12分
【間取り】1K〜2LDK(26.73㎡〜62.32㎡)

【交通】東急目黒線 不動前駅徒歩 7分、東京メトロ南北線 目黒駅徒歩 10分、山手線 目黒駅徒歩 10分
【間取り】1R〜2LDK(25.79㎡〜57.24㎡)