ウィークエンドシトロンの発祥とその由来
発祥は19世紀後半のフランスまで遡る。週末に訪れる家族や友人とのティータイムのために考案されたこのケーキは、シンプルながらも贅沢な味わいで、シトロン(レモン)の爽やかな香りと酸味が特徴。レモンの果汁とレモンの皮がふんだんに使われ、しっとりとした食感とさっぱりとした風味の両方を楽しめる。
そして、もう一つの特徴はその美しいアイシング。ケーキの表面を覆うレモンアイシングは、甘さと酸味のバランスがなんとも絶妙。まるですりガラスのような美しさのこのアイシングが、ケーキの保湿性を高める役割も果たしているため、週末を通じて新鮮なまま楽しむことができるのだ。
このケーキの名前には、「週末を楽しむために作られるケーキ」という意味と、作り手の気持ちが込められている。
様々なレモンの品種とその個性
一番メジャーな「リスボン」。果肉は緑色寄りの黄色で、ポルトガルが発祥。日本ではもっともメジャーな、「レモンといえばこれ」というレモンだ。非常にジューシーで酸味が強いのが特徴。
次に瀬戸内レモンで有名な「ビラフランカ」。瀬戸内レモンはこのビラフランカの系統になる。 酸味が穏やかで、ジューシーな果肉をもつ。
同じくポピュラーなアメリカ産の「ユーレカ」。さっぱりとした酸味と豊かな香りでバランスが良い。特に変わっているのが「マイヤー」というレモンだ。こちらのレモンはレモンとオレンジを交雑させた品種で、他のレモンと比較してかなり甘めであることが特徴だ。果皮は薄め、かつ見た目もふっくらとしている。
スーパーに立ち寄って手に取った時には、しっかりと重たみのあるものを選ぶと良いだろう。ドレッシング、デザート、カクテルなどに向いている品種であるので、食べたことがない人には一度食べてみてほしい。
とっておきのウィークエンドをとっておきのレシピで焼いて
今回紹介するレシピは、お菓子作りが初めてでもできるような作り方。材料をどんどん合わせて行けば出来上がりだ。丁寧にブランシール(卵を白っぽくなるまで泡立てること)して作るジェノワーズ法でももちろん美味しいし、バターと砂糖を白っぽくなるまで混ぜるシュガーバッター法で作っても美味しい。
ただ、お菓子や料理を作る時には、ぜひその素材の質にもこだわってみてほしい。高い素材を使う必要はなく、自分が好きだと思った物を選べばいいのだ。そうすることによって、自分に合った、自分の本当に好きなものを作り上げることができる。それを記録しておくだけで自分だけのとっておきのレシピのできあがりだ。
ウィークエンド・シトロンの材料と作り方
ウィークエンドシトロン 1本分(高さ8cm×長さ20cmのパウンド型)
ケーキ生地
150 g 粉砂糖
1 個 レモンの皮
70 g レモン汁
3 個 卵(溶いておく)
120 g 薄力粉
アーモンドプードル 30g
6g ベーキングパウダー
レモンシロップ
30 g グラニュー糖
10 g レモン汁
レモンアイシング
40 g レモン汁
②溶き卵を3回に分けて入れ、その都度混ぜ合わせる。
③ふるった薄力粉とベーキングパウダー、アーモンドプードルを加える。ゴムベラに変えて、粉っぽさがなくなるまで混ぜる。
④170度のオーブンで50分程焼く。中心に竹串をさしてみて、何もついてこなければ焼き上がり。
⑤焼きあがったケーキを熱いうちに型から出す。粗熱が取れたら、上部の膨らんだ部分を切り落として平らにし、上下を返してケーキクーラーの上に置く。
ケーキが冷める前に仕上げをする
②シロップを刷毛ですくい取るようにして生地にまんべんなく染み込ませ、終わったら蒸発を防ぐためにすぐにラップで包み完全に冷ます
※シロップは全部使う。トップだけでなくサイドにもたっぷり塗り込んで。
③レモンアイシングを作る。
ふるった粉砂糖にレモン汁を加えて混ぜる。トロトロと流れる状態にしたいので、緩いようなら粉砂糖を、固いようなら水を少しずつ加えて調節する
④ケーキが冷めたらケーキクーラーの上に置いて、クーラーの下には汚れないようバットかラップを敷いておく。
⑥ケーキの上からアイシングを一気にかける。側面が覆われにくいようなら刷毛やヘラを使って塗る。
⑦お皿に乗せて、アイシングが乾いたら完成
ウィークエンドシトロンで週末に爽やかさを
ケーキを囲むひとときは、日常から少し離れて大切な人たちと心温まる時間を共有できる絶好の機会となる。その名前の由来の通り、週末にはぜひ友達や家族でこのケーキを囲ってほしい。あなたの作るウィークエンドシトロンが、その豊かな風味と共に、週末のひとときをより一層輝かせてくれるケーキとなりますように。
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