Vol.29

FOOD

26 APR 2019

ふんわりとろけて、いとをかし。新感覚「大福」の6つの味とは?

スイーツは自分自身で楽しむのはもちろん、ホームパーティーのホストや大切な取引先など訪問相手への手土産にも喜ばれる食べ物だ。心をときめかせてくれる美しいパッケージや、他にはない個性的でおいしいスイーツは、相手にも喜ばれることだろう。今回紹介するのは、「触感」「食感」「味の掛け合わせ」にこだわった、新感覚の「大福」。ユニークな大福が登場したストーリーとともに、6種類の味をレポートする。

若い世代にも和菓子を。「ItWokashi(いとをかし)」とは?

2018年12月、東急大井町線の九品仏駅を降りて約2分、自由が丘からも徒歩9分の場所に登場した和菓子店「ItWokashi」。テイクアウト専門の小さな店内は、シンプルでありながらセンスの良さを感じられ、どんな店かとふらり立ち寄る人も多い。

色とりどりの皮に包まれた6種類の大福が店内のカウンターに並ぶ。
ItWokashiは三重県鈴鹿市で300年続く老舗和菓子屋「大徳屋長久」が提案する新ブランドだ。

大徳屋長久で使われていた、上生菓子の型
「いとをかし」といえば、平安時代に使われていた言葉。「いと=とても」「をかし=美しい、おもしろい、すばらしい、趣のある」といった意味を持つ。そんな日本の伝統的な感覚を大切にしながら、「It Girl(高い注目を集める今風の女の子)」という言葉に倣い、「いま注目のお菓子」と話題になるような、新しい魅力を持った和菓子を提案するブランドとして立ち上がったという。
仕掛け人は、「大徳屋長久」の16代目で和菓子職人の竹口久嗣さん。老舗の伝統を受け継ぎながら、現在は若い世代にも和菓子の魅力を伝えるために「兆久」という会社も立ち上げ、和菓子業界にイノベーションを起こそうと奮闘している。
和菓子の魅力を伝えるためには、地元三重県に留まり続けているわけにはいかない。そこで感度の高い人々を刺激するような新しい和菓子づくりをするため、お菓子のブランディングを得意とするTETOTETO Inc.の井上豪希さんらとタッグを組んだ。

左から:兆久マネージャー・川合将之さん、兆久代表・竹口久嗣さん、ブランディングを手がけたTETOTETO Inc.の井上豪希さんと井上桃子さん。
そこから1年、遂に新ブランドItWokashiとしての第1弾商品、「大福 Daifuku」が誕生した。いままでの大福の概念を覆す、「触感」「食感」「味の掛け合わせ」にこだわった新感覚の大福である。
市松模様をあしらったパッケージには、それぞれに絶妙な色味が印刷され、和のテイストを持ちながらもモダンなデザイン。手土産として箱入りで買う時はもちろん、自分へのご褒美として1つだけ買う時も気分を上げてくれそうだ。
そこで気になるのが大福の味。「触感」「食感」「味の掛け合わせ」がどんなものか、レポートしよう。

いままでの大福の概念を覆す「触感」と「食感」

手で持てないほど柔らかいItWokashiの大福
まずは「触感」。手で持つと、想像以上にふんわりと柔らかい。大切なものを扱うように、そっとつまんであげないと持てないほどデリケートなので、成形にも職人の高度な技が必要だという。
続いては「食感」。皮は柔らかな求肥を使い、中に包むのはふわふわのクリーム餡だ。常温で食べれば口の中でふんわりとろけて、噛む必要がないほどのマイルドさ。さらに冷凍すればアイスのような食感でさっぱりと、半解凍ならひんやりと程よい柔らかさでいただける。

皮と餡との組み合わせの妙。6種類の大福を味比べ

普段なら組み合わせないような斬新な「味の掛け合わせ」も、ItWokashiの大福の特徴だ。6種類それぞれの特徴とともに、味を紹介していこう。

粒餡&クリーム
もっともスタンダードな「粒餡&クリーム」は、大福の食感の面白さをシンプルに楽しめる一品。特製のクリーム餡をプレーン求肥で包んだ定番の食べ合わせで、まろやかな舌触りの中に粒餡の存在が映える。

苺&ピンクペッパー
こちらの「苺&ピンクペッパー」は、苺を練りこんだ求肥でピンクペッパーが入ったクリーム餡を包んだ人気の掛け合わせ。かわいらしい見た目の中に隠された、ピリッとした刺激がたまらない。ピンクペッパーはブラックペッパーよりも辛みがマイルドなので、甘さと時々訪れる辛みの絶妙なバランスを楽しめる。

抹茶&レモン
抹茶を練りこんだ求肥で、レモンペーストが入ったクリーム餡を包んだ「抹茶&レモン」。抹茶のほろ苦い味にレモンの爽やかな後味が香る、気品あふれる一品だ。酸味が少なく甘い香りが特徴のマイヤーレモンという品種を使うことで、絶妙な味にまとまっている。

烏龍&杏仁
お茶ブームの今、緑茶や抹茶だけではなく烏龍茶も見逃せない。こちらの「烏龍&杏仁」は、烏龍茶味の求肥で杏仁豆腐味のクリーム餡を包んだ、中華風の掛け合わせだ。杏仁のエキゾチックな甘さがクセになりそうな一品。中華料理のデザートとしてもぴったりだ。

胡麻&マンゴー
オレンジ色に黒い粒々の見た目が面白い「胡麻&マンゴー」は、胡麻を練りこんだ求肥でマンゴー味のクリーム餡を包んだ一品。ほんのり香るゴマの風味と、南国を感じるマンゴーのトロピカルな甘さがフレッシュな印象だ。軽やかな甘さなので、さっぱりいただける。

葡萄&ラム
「葡萄&ラム」は、葡萄を練りこんだ求肥でラムレーズン味のクリーム餡を包んだ一品。甘酢っぱい葡萄の味を感じたあと、ラムのお酒の風味が鼻を抜ける、ちょっぴり大人の味わいが魅力だ。他の5種は全体的に淡い味の組み合わせであるが、「葡萄&ラム」が一番わかりやすい味だといえる。

コーヒーにも、お酒にも。新しい和菓子から生まれる、ユニークな味わい方

「触感」「食感」「味の掛け合わせ」が織り成す、味の変化が新しいItWokashiの大福。やさしい味の移ろいは、四季折々の甘味を提供する老舗和菓子屋の本気を感じる。
大福のお供に飲む飲み物も、緑茶だけでなく烏龍茶やコーヒー、お酒にも合いそうだ。自分1人で飲み物のペアリングを考えるもよし、友達同士で好みのペアリングを見つけるのもいいだろう。ItWokashiのユニークな大福を、さらにユニークに楽しんでみてほしい。

ItWokashi

住所:東京都世田谷区奥沢7ー19ー17
アクセス:九品仏駅から 徒歩2分、自由が丘駅から 徒歩9分
営業時間:10:00~17:00
定休日:不定休(Instagramをご確認ください)
公式サイト:https://itwokashi.official.ec/
Instagram:https://www.instagram.com/it_wokashi/