メイドインジャパンの香りを重ねるというコンセプトの香水専門店「SHOLAYERED(ショーレイヤード)」。香水やルームフレグランスが人気で、国内外多数の取り扱い、全国25の直営店を展開しているが、恵比寿本店では自分好みのオリジナル香水を調合させてもらえるという。ここならではの、とっておきの香り体験をご紹介しよう。
感度が高い人の街、恵比寿
恵比寿といえば、駅周辺エリアでグルメやショッピングを楽しむ人で昼夜問わず賑わう印象だが、道を一本外れたところには上品でリュクスなショップが多く、落ち着いた雰囲気の商業エリアが広がっている。
歩くたびに新しい発見と刺激を与えてくれるこのエリアは、アートやカルチャーにアンテナを張る人にとって、絶好の遊び場でもある。そんなこんなで、ふらりと恵比寿を散策している途中に見つけたのが、今回ご紹介する「SHOLAYERED」だ。
重ねる香水専門店「SHOLAYERED」
“香りをレイヤードする”という新しいスタイルを提案したいとの想いで、2013年に誕生した「SHOLAYERED」。オーナーは、倖田來未、本田圭佑、ジローラモ、藤井リナ、ラブリなど数多くの著名人やスポーツ選手、ブランドとのプロデュース商品を手がけるフレグランス・プロデューサーの石坂将(いしざか・しょう)氏だ。
その哲学は「さりげなく香り、クセになる」「シンプル(Simple)= ラグジュアリー(Luxury)」。基本となる約40種類の香りに加え、香水だけでなくディフューザーやボディケア商品などさまざまなアイテムを取り揃える。
ブランド初の路面店となる恵比寿本店は、一階はショップとなっており、香水のほかルームフレグランスなどをテイスティングできる。非常に良い香りで満たされた店内。この小さな空間に、たくさんの商品の香りが混ざった状態を想像するのは難しいと思うが、意外にも清々しさすら感じられる。
思わず目を閉じて深呼吸。天国って、きっとこんな香りだ。
本日の目的地はここから先。店舗奥、二階へと繋がる階段を上っていくと、そこには驚きの空間が広がっている。
外観とのギャップに驚く二階スペースへ
二階にはたくさんの香水やフレグランス商品が陳列されている。こちらも上質な香りで満たされ、幸せな気持ちにさせてくれる。これだけでも十分素晴らしい香りの体験である。こちらのスペースで、ゆっくりテイスティングすることもできる。
さまざまな香水が並ぶその奥に「屋根のような壁(?)」がある。外観からはまったく想像できないこの仰天空間。頭の中が「?」でいっぱいに。
近くで見ると、リアルに屋根だ。
壁一面のタイルと瓦屋根は、フランスから直接取り寄せた特別なものだという。奥の絵画は美術愛好家から注目を集めるアーティスト
KAZUSA MATSUYAMA による描き下ろしのアート作品で、よく見ると香水ボトルも描かれている。
遊び心と上質感が随所に感じられる非日常空間だ。
屋根裏の調香師「SHOLAYERED CAFE」
奥に入ると、傾斜の壁が奥まで続く。こちらは南ヨーロッパに住まう「屋根裏の調香師」をコンセプトに設計したカフェスペース「SHOLAYERED CAFE」。
「屋根裏」は、私たちがいくつになっても好奇心をそそられる物語のテーマ。こちらもワクワク感が止まらない。
さらに奥へと進むと、調香師が香水を制作する「オルガンテーブル」が設置されている。見たこともない美しい作業台。このスペースで写真を撮る人も多いという。
カフェメニューも香水メーカーならではの独創的なラインナップだ。一番人気は“ 旅と記憶”をコンセプトにしたFRAGRANCE NON-ALCOHOLIC COCKTAILS。
フレグランス・プロデューサーが旅したメキシコシティ、エーゲ海、カサブランカなど世界各国の魅力的な街の香りと記憶をドリンクで表現した”香るドリンク”だ。
自分だけのオリジナル香水作り「FRAGRANCE DESIGN」
カフェでドリンクやフードを楽しみながら、もうひとつ特別な体験を。
こちらのカフェでは自分好みの香りを組み合わせて、オリジナルの香水を作ることができる。約30種類の香りからできる組み合わせは約30,000通り以上。恵比寿本店限定の香りなどもある。
選べるのは香りだけではない。
・ボトルデザイン、容量
・キャップ
・ラベル生地
・刻印文字
・液体の色※恵比寿本店のみ
これらも好きなものをチョイスすることができる。
選択肢が多くて、かなり迷ってしまう。そして、一つひとつがとてもいい香り。香りを組み合わせてみると、また新しい発見がある。その時間もまた、楽しい。
パートナーと二人で行って、お互いをイメージした香水をプレゼントしあうのも良さそうだ。
その日のイメージで香りを重ねる
香水のノート(香調)は15種類に分類できるといわれている。ノートとは、たとえばシトラス(柑橘系)、フローラル、スパイシー、といった香りの系統である。読者の皆さんも、お気に入りのノートが、ひとつ、ふたつと思い浮かぶかもしれない。
好きな香りを「選ぶ」だけでなく「重ねる」という行為はとても新鮮で奥深い。その日の気分や天気によって洋服を変えるように、香りの組み合わせを選べる人は、とても素敵だなと思う。
SHOLAYERED CAFE
CURATION BY
料理とアートが好きなコラムニスト&写真家。
毎日、都内をぐるぐる歩き回っていますが、本当はインドア派。
映画を観ながら、作品に合わせた外国の料理を楽しむことにハマっています。