Vol.134

UNIQUE

29 MAY 2020

手紙に想いを乗せて。福永紙工「Par Avion よく飛ぶ紙飛行機便箋 夜間飛行」「星空の封筒」

ここ数ヶ月、どこかへ出かけることが少なくなり、自分のために使う時間が増えた。一人暮らしの部屋で読書をしたり、整理をしたりしていると、離れたところにいる大切な人の存在をふと思い出す。オンラインで簡単に「久しぶり」と話すこともできるが、この際あえて手紙を書いてみるのも、この余白の時間を過ごす醍醐味かもしれない。そこで手に入れたのが、紙製品の新たな可能性を追求する福永紙工の、直営ネットショップ「かみぐ」で見つけた、ユニークな手紙のプロダクト。手紙を書きながら、改めて“手紙を書くこと”について考えてみよう。

数年ぶりに手紙を書いてみることにした

あの人は元気だろうか…
ソーシャルメディアが発達し、メッセージのやりとりや電話、ビデオ通話など、気軽に連絡を取れるようになった昨今。ここ10年で年賀状もめっきり書かなくなってしまったし、手紙においては仕事で一筆認めることはあっても、プライベートではほとんど書いていないような気がする。

思い返せば、若い頃は友達同士で手紙を送りあい、母の日に手紙を渡したこともあった。気持ちを伝えるためのコミュニケーションツールとして、気軽に手紙を書いていたような気がする。便箋や封筒を買いに行くことも多かった。しかし最近はそのようなことがなくなり、特別な時にしか利用しない特別なツールになってしまった。

実際に20〜50代の男女が、普段のコミュニケーションツールとして手紙を書く割合は11%程度(※)となっており、他のツールよりも利用率が低いそうだ。さらに普段手紙を書かない人のうち、半数以上が過去5年手紙を書いていないという。それほど疎遠になってしまった手紙も、もらう側になると嬉しいもので、ずっと取っておきたい宝物になる。メールや電話より、よっぽど心に残るのだ。

会いたい人に気軽に会いに行くことができない今だからこそ、感謝の気持ちを伝えられずにいた友人に手紙を書いてみよう。そう思い立って、久しぶりにレターアイテムを手に入れた。

※2016年 ネオマーケティング調べ

福永紙工で見つけた、ユニークな手紙

福永紙工「Par Avion(パラビオン) よく飛ぶ紙飛行機便箋 夜間飛行」「星空の封筒」
オンラインストアで購入したのは、福永紙工が展開するオリジナル製品「Par Avion よく飛ぶ紙飛行機便箋 夜間飛行」「星空の封筒」の2点だ。どちらも夜の空をモチーフにしたアイテムだ。

福永紙工は、東京都立川市で50年以上の歴史を持つ、紙の印刷・加工工場である。これまで培ってきた高い技術を活かし、2006年からはクリエイターと共にオリジナル製品を企画。さらに開発、製造、販売までを手掛け、ステーショナリーグッズだけでなく、インテリアアイテムやゲームなど、一風変わったアイテムで紙製品の新たな魅力を教えてくれる。今回手に入れたアイテムも、普通のレターアイテムとは一味違う。書き手にも読み手にも+αのアクションを起こし、手紙の面白さを再発見させてくれる。

軽やかに、想いを届ける

まずはこちらに注目してみよう。「Par Avion よく飛ぶ紙飛行機便箋 夜間飛行」は、フランスを代表する小説家、サン=テグジュペリの名作「夜間飛行」を題材にした、紙飛行機になる便箋だ。Par Avionはフランス語で航空便という意味で、かつて郵便飛行が冒険だった時代、命がけで手紙を運んでいた飛行士たちに思いを馳せながら、紙飛行機の手紙で想いを届けることができるアイテムだ。

「Par Avion よく飛ぶ紙飛行機便箋 夜間飛行」飛行機の形のままポストに投函できる便箋(12機入)と、フライトマニュアルがセットになっている
この便箋の面白いところは、「よく飛ぶ」ことにも拘っている点だ。届けたい人に手紙を飛ばせば、狙い通りスッと軽やかに飛んでいく。紙飛行機を折って美しく飛ばすための、フライトマニュアルも付いている。

メッセージを書いたら、手順通りに紙を折ろう
通常手紙を便箋に書いたら封筒に入れて送ることが多いが、こちらの便箋の場合は折って飛行機状にすることで完成する。
紙飛行機を完成させ上面の中央に郵便切手を貼れば、機体を固定でき、手紙としてポストインすることができる。飛ばし方を練習したら、本番はポストの前で。スッと紙飛行機が入ったら成功だ。送るこちら側も存分に楽しむことができる。

想いを小さな星空にしまう

「星空の封筒」は星座の柄がうっすらと透けて見える
続いてはこちらの「星空の封筒」。A5サイズに近い、少し大きめの封筒だ。こちらは届けた相手にロマンチックな光景をプレゼントする、特別な仕掛けがある。

封筒をパカっと開いてみる
封筒は2層構造になっていて、白いトレーシングペーパーの内側に真っ黒な厚紙がついている。中は暗く、封筒の中に宇宙空間が広がっているようだ。

角度を変えてみる
封筒の口を広げたまま光にかざせば、暗闇の中に小さな白い粒があることに気づく。

中を覗き込んでみると…
さらに目を近づけてじっと見つめているうちに、それが星空であることに気づく。白い粒ではなく光りの粒が封筒の中一面に広がっているのだ。オリオン座のような星座も心なしか見えてくる。こんな満点の星空を、手紙を送る相手も眺めるのだ。きっとロマンチックな気分を相手と共有できるだろう。

相手が封筒の仕掛けに気づかなかったら…という心配は無用だ
パッケージには、手紙を送る相手に、封筒の楽しみ方を伝えるメッセージカードがついている。封をする前にカードを入れておけば、受けとる側も十分に意図を理解し楽しめるはずだ。

手紙を送ることは、伝える表現力を上げてくれる

普段と違ったレターアイテムで手紙を書いてみると、手紙そのものの役割について改めて考えさせられる。送る相手が喜んでくれそうなレターアイテムを選び、メッセージを書くための道具を選び、相手を想いながらどのような内容にするか考え、限られたスペースの中に文字を乗せていく。読みやすさを心がけながら、すこし緊張感を持って。

手紙を書くというのは、時間のかかる行為だ。相手を想って書いている間も、いろいろな考えが浮かんでは消えていく。ようやく書き終わった文章を何度も確認して、封筒に書く宛名も住所を間違えられないようにと丁寧に書く。ひと息ついて便箋をそっとしまい、最後に封をして、切手を貼って、それをポストに持っていく。その一連の行為を終えた時、なんとも言えない充実感を得られる。スマートフォンのメッセージアプリを使えば、文章なんて一瞬で送ることができる。しかし手紙に書いた文章は、手紙だからこそ表現できたように思うのだ。

そして自分が相手に伝えたかった言葉にできない気持ちは、選んだ便箋や封筒、手書きした文字の筆致、余白の空間にも現われる。自分自身の中に浮かぶ気持ちの表現力を、最大限に発揮できるツールなのだ。手紙を書く行為を通して、コミュニケーションの美しいかたちを探究してみよう。

福永紙工

「紙飛行機便箋」
本体サイズ:W156×H240mm
本体用:色上質白
内容量:12機入、フライトマニュアル(説明書8ページ)
価格:990円(税込)

「星空の封筒」
本体サイズ:W152×H214mm
本体用:GLトレーシング
内容量:1枚
価格:984円(税込)

公式販売サイト かみぐ:https://www.kamigu.jp/