Vol.737

MONO

10 MAR 2026

伝統文化との向き合い方が変わる。暮らしの感度を上げる、愛おしいプロダクト|JIMOTO Made

どこで、どのように作られたものなのか。どんな人の手によって生まれ、どこに認められてきたのか。そうした背景を知ることは、私たちがものを手に取るときの安心や愛着につながっているように思う。「JIMOTO Made(ジモト メイド)」は、スターバックスが日本各地の素材や伝統技術、職人の手仕事に光を当てて展開するプロダクトシリーズ。地域に根づく文化や技を、スターバックスならではの視点で汲み取り、日常に取り入れやすい形で届ける。「JIMOTO Made」のアイテムを手に取り、自宅に持ち帰れば、地元の名品を暮らしに迎え入れる準備が整う。何気ない日常に少しだけ奥行きと丁寧さをプラスし、暮らしの豊かさを静かに更新してくれる。そんなプロダクトシリーズのある暮らしを紹介したい。

各地のスターバックスで見つけたい、こだわりの逸品

旅先で、その土地のスターバックスに立ち寄ることを楽しみにしている人はいるはずだ。サードプレイスとして、どの土地を訪れても変わらぬ雰囲気と味を提供してくれる存在。だからこその安心感と同時に、コーヒーの香りや美味しいおやつを頬張るひとときが、いつもささやかでありながら確実にときめきを与えてくれる。

その土地でつくられ、その土地でのみ販売される「JIMOTO Made」シリーズ
そんなふうに、旅先でいつもとは違うスターバックスを訪れたなら、ぜひグッズコーナーにも目を向けてみてほしい。そこには「JIMOTO Made」シリーズのアイテムが並んでいるかもしれない。

このシリーズは、日本各地の産業や素材を生かし、その地域の店舗のみで販売される特別なプロダクト。その土地の文化や人を大切にしたいという思いから生まれ、訪れた人が地域の魅力を持ち帰ることができるようになっている。

加賀エリアで作られ、このエリアでのみ販売されている「JIMOTO Made KUTANI」のコースター
その地でつくられ、その地でのみ販売される。手に取って購入できるのは、その土地を訪れたときだけ。そんな特別感にも惹かれる。職人による伝統的な技術や技法を、旅人が応援する循環にも魅力を感じる。

私自身、北陸を巡るなかで、金沢の店舗で加賀の逸品である九谷焼のマグカップを手に取った。

どこへ行っても同じ世界観を保つスターバックスが、その土地の個性や技術を伝える場所にもなっているのは新鮮。そのことに気づくと、よくある小洒落た店内の風景が少し違って見えてくるから不思議だ。

背景を知ることで、ものとの関係が丁寧になる

「JIMOTO Made」シリーズの中でも、ぜひ注目したいのが石川県・加賀エリアの「JIMOTO Made KUTANI」。伝統工芸ならではの確かな技術による絵付けの美しさを生かしながら、現代の暮らしにも自然となじむ和モダンなデザインに仕上げられている。直感で「これを持ち帰りたい」と感じる、体温が上がるようなおしゃれな佇まいは、スターバックスと伝統技術のコラボレーションならでは。

石川県・加賀エリアからは、伝統的な技術とモダンなデザインが融合した「JIMOTO Made KUTANI」
九谷焼の絵付けは、北陸出身の筆者にとってどこか懐かしく、親しみのあるデザイン。これまで積極的に取り入れてこなかったからこそ、「JIMOTO Made」を通して手元に迎えられたことを嬉しく思う。

九谷焼は、石川県南部(金沢市・小松市・加賀市・能美市)で生産される、約370年の歴史を持つ色絵磁器。紺青・赤・黄・緑・紫の「九谷五彩」を用いた大胆で絵画的な上絵付けを特徴とし、日本を代表する工芸として国内外で高い評価を誇る。

「JIMOTO Made」の石川県加賀エリア限定商品は、大正8年(1919)創業の伊野正峰株式会社と共同開発したもの。スタッキングマグカップとコースターをラインナップし、それぞれ異なる絵柄を4種類ずつ取り揃える。

金沢の“K”をたくさん並べてオリジナル模様に仕立てた遊び心にときめく
伊野正峰株式会社は、石川県で九谷焼の製造・卸販売を手がける老舗企業だ。創業以来、長きにわたり九谷焼の伝統を支えてきた。伝統を守るだけでなく、新たな時代を担う陶芸家や絵付師の活動も支援し、培ってきた技術や審美眼を礎に九谷焼の可能性を次世代へとつないでいる。

近年は自社独自ブランド「和(なごみ)」を展開。これまで九谷焼を形作ってきた意匠や様式を大切にしながら、現代の感性に寄り添う新しいデザインまで幅広く取り扱い、伝統と革新の両立を体現している。

そうした背景があることは、「JIMOTO Made KUTANI」マグカップを購入し、自宅へ持ち帰って初めて知った。作り手や企業の歩みを知ることで、ものとの向き合い方もまた少し丁寧になる。

加賀の伝統を、日常の時間へ。

「JIMOTO Made」シリーズの九谷焼のマグカップを自宅に迎え入れ、丁寧にコーヒーを淹れる。自分で選んだ本物の品を日常で使うと、ふと、“大人になった”ような実感が込み上げる。伝統工芸品は“飾るもの”になりがちだが、「JIMOTO Made」シリーズは日常で使うことを前提としたプロダクト。

いつものコーヒー1杯も、このシリーズを介してなら、より特別なものに感じられる。そんな伝統文化の力強さと技術の繊細さ、美しさに、スターバックスによる実用性やデザイン性の提案が、暮らしの満足度を静かに引き上げてくれる。

九谷焼を現代を生きる私たちの日常にしっかりと馴染むモダンなプロダクトへと昇華
間近で眺めると、職人の手しごとを感じる絵付けに心を奪われる。伝統技が息づくプロダクトは、自然と丁寧に扱いたくなる。

コーヒーの実の絵を散りばめたスターバックスらしい遊び心を残しながら、さりげなく金沢の「K」や雪吊りを思わせるモチーフも添えられている。焼き物と聞くと、どこか由緒正しく生真面目な印象を抱きがちだが、こんなにも自由でいいのだと感じさせてくれる。その軽やかさが、現代を生きる私たちと伝統工芸との関係をしなやかに繋いでくれる。

北陸の冬の風物詩、雪吊りをモチーフにした模様がさりげないおしゃれさを演出
ものとの関係を、ゆっくりと築いていくことができるのも「JIMOTO Made」シリーズの特徴。もし壊れてしまったら金継ぎをして使い続けたい。たとえ使わなくなったとしても、手元に残しておきたいと思わせてくれる。

カフェタイムに、自分が手に取るカップの作り手やその土地に思いをはせる。そんな時間の積み重ねが、大量消費とは違う「選び方」や「使い方」を、静かに育てていく気がする。

ギフトにも“ストーリー”を添えられる

産地や技の背景に心を動かされたなら、大切な人へのギフトに選ぶのもすてきな選択だ。「いつもありがとう」という言葉に、その土地の技術や文化を日常に取り入れるという価値観まで添えて贈ることができる。

全国17地域で展開されているこのプロダクトシリーズには、各地の個性が息づく品々がそろう。たとえば、青森の津軽びいどろ、岡山の備前焼マグ、福岡の小倉織バッグ、京都の福玉(縁起物チャーム)、山梨の甲州印伝スリーブなど。それぞれの土地が育んできた技や美意識が、かたちとなっている。

「JIMOTO Made」は、専用のボックスなどに丁寧に入れられる
各地の名品をカジュアルに手に取り、「JIMOTO Made」を通してその背景を知り、心から気に入ったものを贈る。逆に、名品を受け取り、同封されたカードや自分で調べたことから背景に触れることもあるだろう。そんな行為が私たちの中で定番の循環となれば、伝統はほんの少し先の未来へとつながっていくのかもしれない。

商品は専用ボックスに収められ、それぞれのエリアのスターバックス店舗でのみ購入できる。オンラインでは取り扱いがないからこそ、旅先で出会い、持ち帰ったという体験そのものが特別な意味を帯びる。

ギフトとして受け取った人の日常を、確かな技術と美しさで静かに彩ってくれるはずだ
その土地を訪れた思い出。旅先で誰かを思い浮かべた時間。そして、その先の暮らしにそっと寄り添うプロダクト。気持ちを、美しいかたちに乗せて届ける。

想いを言葉だけで伝えるのは、ときに難しい。そんなときこそ、ギフトというかたちを借りてみる。日々使うものだからこそ、贈る人のこだわりや旅先での出会い、そこから得た小さな発見まで、言葉以上に伝わることもあるはずだ。

暮らしの中で、その土地の物語と向き合っていく

「JIMOTO Made」の魅力は、伝統文化や職人の技が光るアイテムをただ所有することだけにとどまらない。それを使うたびに、日常の何気ないひとときにささやかな特別感をもたらしてくれる。

“地元”に思いをめぐらせ、自分の暮らしを大切にしたくなるとき、そこには「JIMOTO Made」がある
例えば、朝のコーヒーを淹れる時間。お気に入りのカップを手に取ると、九谷焼の絵付けや質感にふと目を留め、職人の手仕事に思いを巡らせる瞬間が生まれる。同時に、忙しい日々の中でも、ほんの数分、自分の暮らしを少しだけ大切にしたくなる感覚が芽生えるはずだ。暮らしを豊かにするのは、特別な体験や高価な買い物だけではない。手に取るものが変わることで、日々のルーティンに小さな満足が積み重なっていく。

「JIMOTO Made」は、日本各地の素材や技術、職人の手仕事を、スターバックスならではの視点で日常へとつなぐシリーズだ。使うほどに、その土地の背景や作り手の物語に自然と興味が湧いてくる。そんな小さな出会いが、暮らしの中で地域の物語や伝統文化と向き合うきっかけになるのかもしれない。

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