Vol.650

MONO

09 MAY 2025

新たな冷茶を味わう世界へ。teplo cold brew carafe

ZOOMLIFEを運営するトーシンパートナーズが展開するマンションブランド「ZOOM」シリーズは、2014年度から11年連続・計18棟で「グッドデザイン賞」を受賞している。グッドデザイン賞は、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組みで、「Gマーク」とともに広く親しまれてきた制度だ。今回はそれに関連して、2023年にグッドデザイン賞に輝いた、teplo cold brew carafe をご紹介しよう。機能性とデザイン性、ともに優れた水出し茶専用カラフェで、新たな冷茶の世界を旅してみたい。

冷たいお茶を、美味しく堪能するために

冷たいお茶はペットボトルを買って来たり、パックのお茶を使用して、熱して冷ましたものを冷蔵庫で保管する。それが当たり前であった冷茶を味わう方法を、新たな世界へ導いてくれるのが teplo cold brew carafe だ。

じっくりと時間をかけてお茶を水出しし、冷えた冷茶をグラスに注ぎ飲むまでのすべての時間が特別なものへと昇華する水出しカラフェは、まずそのデザインの美しさに驚かされ、更にこれまでとは異なる冷茶の美味しさに感動させられる。

スタイリッシュなフォルムから生み出されるのは、茶葉の美味しさを最大限に引き出した冷茶の味
今回、この魅力に溢れたteplo cold brewを生み出した株式会社 LOAD&ROAD の広報担当である加藤明里さんにお話を伺った。

作る作業と嗜む時間。すべてを美しく昇華したteplo cold brew carafe

「 teplo cold brew carafeは、食卓に溶け込み、お茶の美味しさを最大化する水出し茶専用のカラフェ・グラスセットです。プロダクトデザイナーとソムリエによる監修と日本の職人による手仕事により『淹れる、注ぐ、飲む』という全ての瞬間における機能性と美しさを追求しました。主な特徴は以下の3点です」

1. お茶の美味しさを追求した形状

「カラフェの形状は酸素に触れる水面の表面積を小さくすることでお茶の酸化を低減します」

「グラスは飲む際に鼻をすっぽりと覆う形状で、香りを鼻に集めます」

2. 食卓になじむ材質と高さ

「材質や高さを食卓を彩る食器やグラスと合わせることで食卓に美しく溶け込みます」

3. 傾けると360度どこからでも注ぐことができる構造

「蓋の開閉や持ちかえが不要で、注ぐ所作を自然と美しくします」
「これらに加え、冷蔵庫で冷やしやすいサイズ感(冷蔵庫のドアポケットに入る大きさ)、食洗機対応といった日常使いへの配慮も充実させており、日々の暮らしの中で長く使いたくなる一品に仕上げています」

セットのグラスをカラフェの上に載せて冷蔵庫へ。お茶と同時にグラスも冷やすことが出来る

teplo cold brew carafeは本体の美しさもさることながら、すべてのパーツにきめ細やかな配慮がなされ、使いやすさに優れているのが特徴だ。冷茶を嗜むという初夏から夏にかけての日常的なワンシーンを、特別な時間に変えてくれるだろう。

teplo cold brew carafe 開発ストーリー

このカラフェを最初に見た瞬間に心を奪われたのが、その造形の美しさ。細部まで手を抜かない繊細なフォルムと質感が特徴で、加藤さんにこのプロダクトを開発する際に苦労した点や、フォーカスを当てたい点を伺った。

極薄の注ぎ口、印象的に描かれた500㎖のライン。どこを見ても完璧で繊細な逸品となっている
「 開発で特に苦労したのは、『職人の手仕事と工業製品としての再現性のバランス』です。たとえば、注ぎ口のガラスは極限まで薄く設計していますが、それを実現するにはガラス職人の高い技術が必要で、1mm単位の微調整を手作業で行っていただきました」

なお製品としては複数の個体において一定の品質を保つ必要があり、製造工程の最適化にも時間がかかったそうだ。

カラフェのガラスは小樽の職人がひとつひとつ手吹きで作成。キャップの中心はウォルナット材を使用、佐賀の職人によって木の削りだしからやすりがけまで、全て手作業で行われている
「360度注げるシリコンストレーナーの設計にも試行錯誤がありました。液だれを防ぎつつ、ストレスなく注げるよう、穴の数や位置を何度も調整しました」

繊細でスタイリッシュなカラフェに、木目の柔らかさを兼ね備えたキャップがしっくりと馴染む
「私たちはこの製品を「道具」ではなく、「体験の器」として捉えています。だからこそ、触れて、使って、感性に訴える細部にフォーカスしました」

日常を美しく彩るのは、作り手の想いが感じられるプロダクト

お茶を淹れるのは日々繰り返される作業。その時間がとびきり贅沢なものとなる繊細さに満ちたデザイン、そして使用する度に使いやすさを実感できる、考え抜かれた機能性。冷茶を淹れる時間も味わうひと時も、teplo の cold brew carafe があれば、常に心ときめくものとなるに違いない。

使いやすく美しく。teplo cold brew carafe の使い方

それでは早速 teplo の cold brew carafe を使って、冷たいお茶を作ってみよう。まずキャップを外したカラフェに茶葉を入れる。teplo 公式茶葉を使用する場合、1袋分の茶葉をすべて入れておこう。

カラフェにはteplo 公式茶葉が付属している。味や香りの特徴が記されており、オンラインでも約30種類の茶葉が購入可能
次にカラフェの目盛りのライン(500ml)まで水を入れ、キャップをカラフェに取り付け、冷蔵庫で3~6時間寝かせれば完成だ。

水を注いだら、後は冷蔵庫に入れて時間を待つだけ。手軽に美味しい冷茶が味わえる
teplo 公式アプリを使用すれば、茶葉の種類によって最適な抽出時間を教えてくれるのも嬉しい。公式アプリを使用しない場合にも、メールで飲み頃の時間を知らせてくれるサービスも展開中だ。

スマホで公式茶葉のパッケージにあるQRコードを読み取れば、茶葉の特徴や抽出時間等が分かる
これらのサービスを使えばお茶の種類が変わっても、そのお茶の一番美味しい抽出時間を知ることが出来るし、冷蔵庫に入れたまま、ついうっかり忘れてしまうということもない。我が家で飲むお茶が一番美味しいと思えるに違いない。

2023年度グッドデザイン賞受賞。その美しさの秘密とは

冒頭で述べたように teplo cold brew carafe は2023年にグッドデザイン賞を受賞しているが、加藤さんにその経緯について尋ねてみた。

グッドデザイン賞を受賞したのも納得のカラフェセットは自分自身のご褒美に、大切な人への贈り物としても最適
「 グッドデザイン賞をいただいた際には、私たちの目指した『体験としてのデザイン』がしっかりと評価されたことをとても嬉しく思いました。審査員の方々からは、360度どの方向からでも注げる構造や、極薄の注ぎ口、手仕事による美しさといったプロダクトの細部に加え、お茶という文化を現代の暮らしの中で再解釈するというコンセプトに対して高く評価をいただきました」

「また、ティーマリアージュという食の楽しみ方の提案も、従来の茶器にはない新しさとして注目されたポイントでした」と加藤さんは語る。

teploが提唱するお茶と料理の味や香りの強さ、色、温度、質感などの組み合わせの理論を基本とした「お茶と料理を楽しむ体験」、ティーマリアージュ
「私たちにとってグッドデザイン賞は、見た目の良し悪しを超えた『人の行動や感情に作用する体験としてのデザイン』を表彰していただける場所だと捉えています」

香り高い冷茶を、エレガンスに嗜む。cold brew carafe がその風景を描く手助けをしてくれる

「製品の良さというのは単なるスペックや形状ではなく、触れた瞬間の手ざわりや、使ってみたときの気持ちの動きまで含まれると考えており、そうした視点をもつ審査の中で評価をいただけたことは、私たちの方向性に対する強い後押しになりました」

冷茶の楽しみ方をワンランク上げて。ティーマリアージュ体験

グッドデザイン賞を受賞した際に注目されたポイントのひとつである『ティーマリアージュ』。食事の際に、その食材に合ったお茶を愉しむという発想がとても新鮮で、普段食事にはアルコールを合わせる私も是非試してみたいと感じさせられた。

カラフェセットに付属しているティーマリアージュブック。レシピやアプローチ法など、お茶と料理の楽しみ方のヒントが満載
その点を加藤さんに伺うと、「 私たちが提案する『ティーマリアージュ』は、食卓におけるお茶の存在をより自由で創造的なものにするための試みです」との答えを頂いた。

食材を変えるごとに合う茶葉を見つけ、新たな味を探してみたい
「食事にワインを合わせるように、お茶もまた料理との相性を楽しむ存在になれると考えています。例えばスパイス料理にダージリン紅茶、チーズケーキには香ばしいほうじ茶など、組み合わせ次第でまったく新しい味の世界が広がります。

特別な知識がなくても、付属のマリアージュブックを見ながら気軽に試していただけるよう工夫していますので、日々の食卓の中で『今日はどんなお茶を合わせよう?』と選ぶ楽しみを感じていただけたら嬉しいです」

ティーマリアージュブックを手本にすれば、これまで知らなかったお茶と食事のペアリングに巡り合えるはず
お茶には種類が豊富にあり、またそれに合うレシピも様々。最初はティーマリアージュブックに書いてあるものから始め、徐々に自分でレシピやお茶を変えてみたい。これまで食事にお茶を合わせることがなかった人も、冷茶と料理のコントラストにきっと驚かされるに違いない。

お茶から学ぶ、新たな時間の過ごし方

冷たいお茶を自分で淹れると聞くと、億劫に感じる人も多いだろう。街を歩けばコンビニエンスストアや自販機などが目に入り、たやすくお茶が手に入れられるため、わざわざ自宅で作る必要はないと思うからではないだろうか。

加藤さんにその点を伺うと、「 現代の日本では、どこでも手軽にペットボトルのお茶を購入できます。しかし、私たちがこの製品で提供したいのは、単に喉を潤すためのお茶ではなく、自分のために丁寧に淹れる時間や気持ちの変化です」という言葉を頂いた。

水を注ぎ、茶葉がカラフェの中で優しく舞い踊る。それを眺めるのひと時がとても贅沢に感じられる
「お気に入りの茶葉を使い、朝に仕込んだ冷茶(水出し茶)が夕方にはちょうど飲み頃になる。そんな丁寧な時間の流れが、忙しい日常の中に静かなひとときを生み出してくれます。また、抽出されたばかりの冷茶は香りや口あたりが繊細で、ペットボトルのお茶では味わうことが難しい、茶葉がもつフレッシュな味わいに気づくことができます」

自分で淹れた美味しい冷茶を嗜む時間。心を癒すそのひと時が、記憶に刻まれる一場面となる

「手間をかけた分だけその味わいと時間が自分へのご褒美になる、それがこの製品を使う最大の価値だと考えています」

味にこだわり、美しさを表すカラフェとともに

グラスに注いだきりりと冷えたお茶、それは初夏から暑い夏の終わりまで、私たちの心を潤す一杯の清涼剤。好みの茶葉を使い、時間をかけてゆっくりと水出しで淹れた冷たいお茶は、暮らしを豊かなものに変えてくれる。

「この製品は、冷茶を淹れるというシンプルな行為のなかに、丁寧な時間と美しい所作を取り戻してくれる道具です。これからお迎えいただく方には、単なる『お茶を淹れる道具』ではなく、自分と向き合う時間や、誰かと共有するひとときを生むきっかけとして、ぜひ使っていただければと思います。冷茶がもたらす豊かさを味わっていただけたら嬉しいです」と加藤さんは語る。

美味しいお茶に出会う、嗜む時間を慈しむ。そこに自分自身で作り上げた美しい風景が生まれるはず

これまで日常的にこなしてきた”お茶を淹れる、注ぐ、飲む”ことを、teplo の cold brew carafe が特別なものへと高めてくれる。太陽の眩しさを肌で感じるこの季節は、カラフェの中で茶葉が作り出す鮮やかな色彩に身を任せ、心地良い時間を愉しんでみたい。

グッドデザイン賞を受賞した製品は他にも数多くある。グッドデザイン賞のマークを見かけたら、デザインだけでなく、その製品が生まれた背景にも注目してみると、新たな発見があるかもしれない。

teplo cold brew carafe セット 茶葉5煎付き

¥9,980(税込)
https://teplotea.com/carafe/

「ZOOM」シリーズのご紹介

本記事で紹介したモノナチュラルと同じく、グッドデザイン賞を受賞しているのが、トーシンパートナーズが展開するマンションブランド「ZOOM」シリーズである。

「ZOOM」シリーズは、「SAFETY(安全で、安心する)」「SENSE(センスが刺激される)」「PRACTICAL(実用的で使いやすい)」という3つの価値をコンセプトに、都心での上質な暮らしを提案している。

2024年度は、「ZOOM麻布十番」「ZOOM広尾」の2棟がグッドデザイン賞を受賞している。それぞれ、都心部という制約の多い立地の中で、暮らしやすさと美しさを兼ね備えた設計上の工夫が評価された。麻布十番は構造の工夫によって開放的で自由度の高い空間を生み出した点が、広尾は高層ビルと住宅地の間に自然に溶け込む設計が、特に高く評価されている。

トーシンパートナーズ|ZOOM麻布十番

トーシンパートナーズ|ZOOM広尾

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