Vol.444

MONO

19 MAY 2023

毎朝を豊かな気分で過ごす「ジョージ・ジェンセン ブレッドバスケット」

毎朝食べるパンやフルーツ。血となり肉となり、生きていく上で欠かせないものであるが、その見た目は生活感を出す代表的なものでもある。インテリアコーディネートの天敵とも言えるパンやフルーツを、生活感を出しすぎず、スタイリッシュに昇華するにはどうしたら良いのだろうか。そのとき出会ったのが、ジョージ・ジェンセンのブレッドバスケットだ。生活感を払拭し、実用性と審美性を兼ね備え、インテリアオブジェとしても機能する、美しいブレッドバスケットを紹介したい。

時代を超え世界中から愛されるジョージ・ジェンセンのプロダクト

大きなフランスパンも入るブレッドバスケット
ジョージ・ジェンセンは1904年の創業以来、機能性と芸術的な美しさを独自に融合させることで躍動感とエレガンスあふれるアイテムを生み出してきた。ジョージ・ジェンセンは、デンマーク・コペンハーゲンのすぐ北にある森と湖の近くで育ち、彼のインスピレーションの源の中心をなしたのは自然だったという。

果物、花、葉、有機的な形状など、自然界のシンボルがデザイン全体に通じる礎となり、ホロウェア、ウォッチ、ジュエリー、そしてホームプロダクトまで、幅広い分野で卓越したクラフトマンシップとタイムレスな美しいデザインを受け継ぐライフスタイルプロダクトを展開し、今日も人々を魅了し続けている。

今回紹介するブレッドバスケットが含まれるホームプロダクトのブランドラインでは、銀製品の分野で長年培われた技術を生かした、高品質なステンレスのシリーズが多く生み出されている。

全てステンレスでできている
デンマークを代表するブランドの一つとして、長い歴史を持つジョージ・ジェンセンであるが、伝統を守りながら現代に沿った普遍性と斬新さを融合したプロダクトを次々に展開しているのも特徴だ。

現代を生きるデザイナーとのコラボレーションが加わることで、生活に新鮮な活気と美学を与え続けるジョージ・ジェンセンのプロダクト。手がけたのはアルフレッド・ハベリというチューリッヒ在住でスイスとアルゼンチンの国籍を持つ、世界的に有名なプロダクトデザイナーだ。

彼の作るプロダクトは、アルゼンチンで過ごした幼少期、好奇心や日常の中での探検に大きな影響を受けているとされ、喜びと活力、そして伝統と革新とを兼ね備えた、高い表現力と感受性の表れたプロダクトを展開している。

アルフレッド・ハベリの独自の美しいフォルムが印象的
アルフレッド・ハベリは、ドイツの車メーカーBMWやイタリアの高級家具メーカー・カッシーナ傘下のアリアス、イタリアの照明メーカーであるルーチェプランなど、デザイン界を牽引する各国のさまざまなメーカーの仕事を手がけており、ジョージ・ジェンセンのアイテムでは、シンプルかつ完成度の高いデザインと、優れた機能性を持つアイテムを数々とデザインしている。ブレッドバスケットのほかにも、挿した花の魅力を一層引き立てるフラワーベースや、ポップコーンやフルーツなども入れられる独創的なサラダボウルなどを展開している。

ピュアな花びらのような自然のパワーを感じるフォルム

ミラー仕上げのステンレススチール製のブレッドバスケット。太陽光が当たるとステンレススチールの銀色が美しく反射し、表面の空洞部分からは光を透過させ、美しい影を落とし、より奥深い立体的なフォルムとして佇む姿は新しい生命を宿ったよう。その一方で静謐な空気感も持ち合わせており、見ていて飽きないデザインだ。

影も美しく見ていて飽きない
中心のステンレスのサークルから放射状に広がる有機的な形からは、生き生きとしたエネルギーを感じる。スイスで工業デザインを学んだアルフレッド・ハベリのデザインは、人の生活に喜びと活力を生むようなデザインが得意とされているが、ピュアな花びらのような自然のパワーあふれるデザインは、まさにそのデザインが表れているのではないだろうか。

手になめらかにフィットするデザイン
花びらのような何枚ものステンレススチールが重なってできた空洞は、焼きたてのブレッドの熱を逃すという本来の役割を果たすだけでなく、中に入れるパンやフルーツを美しく見せ、食卓はもちろん、生活空間になじむように上品な抜け感を与えてくれる。また、軽やかで優美な曲線は、持ち手がなくて手にフィットする形でしっくりと手に馴染み、持ち運びもしやすい。

ステンレススチールという無機質な素材でありながらも、自然のエネルギーや温かみを感じられるデザインはさまざまなインテリアにフィットしてくれ、生活感を払拭してくれる。主張しすぎず、モダンでありながら豊かさがあり、涼しげな質感も漂わせ、他にはない、唯一無二のデザイン性を感じられる。

パンを優しく包み込むよう

美しいインテリアオブジェとしても

フルーツを飾りながら保存する
ブレッドバスケットという名前であるが、ブレッド(パン)のみならず、フルーツやお菓子、ジャム、コーヒー豆、カトラリーなどを置くにも適している。全てを包みこむようなたおやかなフォルムで、約30cmのバスケットは、大きなものの保管に役立ち、適当に何を入れてもちゃんとした佇まいにしてくれる。マットなシルバー色は、中に入れるものを邪魔せず、色とりどりの季節のフルーツや常温保存の野菜を飾っておくのもおすすめだ。

野菜をとるときにも高揚感をもたらしてくれる
キッチンやダイニングから離れて、小物や普段使う財布や時計、暮らしの中で使う文房具やリモコンなどを置いておいたりすれば生活の風景を一気に洗練させてくれる。シンプルかつ完成度の高い独特なデザイン、グラフィカルでモダンなオブジェのような存在感を持つため、そのまま飾ってもさまになる。インテリアプロダクトとしても美しく成り立ち、日々の生活をより心地よいものに、生活をエレガントにしてくれる。

細々した小物もすっきりとまとめてくれる

機能性と審美性を兼ね備え、長く愛せるプロダクト

ダイニングテーブルやキッチンにあるブレッドバスケットは、毎朝使うため、機能性が必須であることは言わずもがなであるが、存在感が大きく常に視界に入ってしまうため、審美性という観点も重要なファクターである。

ブレッドバスケットのような生活に根付いた用品は、機能性を取るといまいちなデザインであったり、だからといって審美性を選択すると使い勝手が悪かったりして、両方を兼ね備えるプロダクトはなかなか見つけるのが難しいが、ジョージジェンセンのブレッドバスケットはその両方のバランスがとても良い。

パンが取り出しやすい大きく開いたデザイン
生きていく上で必要な食べ物を収納し、生活感を出しすぎないように、だからと言って殺風景にはせず、いい塩梅の佇まいを保ってくれる。ステンレススチール製で半永久的に使うことができ、汚れがつきにくく、汚れたらさっと拭けば汚れはすぐに落ち、耐久性も申し分ない。

日常を豊かにしてくれる食べ物と同じく、せわしない毎日を多幸感に包まれた気持ちで過ごすために必要な、ずっと長く愛せるプロダクトだ。

機能性と美しさが融合した普遍的なデザインを創造するという創業者であるジョージ・ジェンセンの哲学は、一世紀を超えた今もなお重要であることを再確認させてくれる。

トレンドに左右されない時代を超越したデザイン

心地よく過ごすためのプロダクト

毎日使うものだから、お気に入りのブレッドバスケットを迎えて
ピュアな花びらのような自然のパワーあふれるデザインと、モダンでスタイリッシュなデザイン、そしてシンプルでミニマルなマテリアル感をダイレクトに感じられるブレッドバスケット。多少乱雑に扱ってもへこたれず、安心してパンやフルーツを入れられる。

毎朝、ブレッドバスケットからおいしいパンを取り出し、豊かな気持ちに。日中はインテリアを邪魔せず美しい佇まいでさまざまなものを飾る。夜はディナーウェアとしてサラダを入れたり、ナプキンやカトラリーなどを入れたりして、テーブルを彩るのも良いだろう。ジョージ・ジェンセンのブレッドバスケットは、一日中、上機嫌で過ごすことを教えてくれる。

ジョージ・ジェンセン ブレッドバスケット