手のひらに乗った茶色で四角い小さなキャラメル。舌の上でゆっくり溶け出し、口の中いっぱいに味が溢れるキャラメルは、子どもの頃の大好物という方も多いのではないだろうか。そんな身近なお菓子として慣れ親しんだキャラメルのおいしさをペースト状にし、日々の暮らしを豊かにする「キャラメライフ」を紹介したい。
Bitter to Sweetなキャラメルペースト
CARAMELIFEは「まだ知られてない、新しいキャラメルの世界を伝えたい」という想いから生まれたキャラメルペースト専門のブランドだ。代表取締役社長の小西氏は、糖に関わることを学んで来たこともあり、入社後は糖を扱う部署にて製造を行っていたという。そこから開発部を経て、30 年以上キャラメル作りに携わり、2019年にキャメルライフを立ち上げた。
「Bitter to Sweet(苦いものから甘いものまで)」というコンセプトのもと、苦いキャラメルから甘いものまで5段階のバリエーションがあり、砂糖の焼き加減や煮詰める材料によって味わいの異なるキャラメルのペーストを展開している。
キャラメルに含む材料の選定、調合、製造、瓶詰など全て職人が手作業で行っており、異なる2種類の作り方によってキャラメルが出来上がっていく。「キャラメル作りは、材料や湿度、火加減などによって大きく状態が変化するため、毎回同じ判断基準でできるとは限らず、熟練の職人の見極めによって作り上げており、とても奥深く繊細なものとなっています」と小西氏は話している。
焼き加減で選べる定番「STANDARD」には、砂糖を焼いて生クリームを加えて仕上げたシンプルなキャラメルの味わいを楽しめる「BASIC」と、バターやミルクなど全ての材料をグツグツ焼いて全体の味を調和させて仕上げる「BUTTER」の2種類で、それぞれ5段階の焼き加減のラインナップ。
今回はとっておきの5種を紹介する。
それぞれ繊細な風味と奥深いコクを楽しむ
「BASIC」は、砂糖を焦がした時に生じる苦味を強調した、トップのキャラメル感が強いことが特徴のシリーズ。焼き方と使用する砂糖にこだわることで、5段階の味の違いを表現し、職人の繊細な感覚が作り上げる技術力の集大成ともいえる逸品に仕上げている。
そのなかでもミディアムは、ベーシックでシンプルなキャラメルで、砂糖の香ばしさと、生クリームのコク、ほろ苦さが合わさった大人の味。何に合わせてもおいしくしてくれる万能のキャラメルだ。
BUTTER MILD
「BUTTER」シリーズは、ミルクとキャラメルの香ばしさをかけ合わせ、繊細な風味と奥深いコクを表現。MILDはバターとミルクのコクに加え、まろやかな優しい味わい、そしてほのかな香ばしさも感じさせる。
SALT(ソルト)
キャラメライフのなかでも人気のフレーバーの一つのSALT。世界中の料理人に愛用されているフランス産ロレーヌ岩塩に、相性の良いバターキャラメルを合わせて仕上げている。キャラメルの濃厚なコクと甘みにマイルドな塩味が後をひく魅惑の味。甘すぎるのが苦手という方にもおすすめしたい一つ。
LEMON(レモン)
浅く焼いたキャラメルにレモンを果皮ごと合わせたLEMON。酸っぱさを全面に感じることなく、レモンのフレッシュでやわらかい酸味と苦味を、やさしいキャラメルで引き立てた、爽やかでコクのある味わい。
APPLE CINNAMON(アップルシナモン)
じっくりと焼いた砂糖に、フレッシュなりんごとシナモンを合わせて香ばしく仕上げたAPPLE CINNAMONは、りんごの食感と風味をくまなく楽しめる。ほんのり香るシナモンが全体に奥行きを与え、カラメルのほろ苦さがキリッとしたアクセントになっている。
どれも香りも食感もなめらかさが異なり、キャラメルというカテゴリーを超え、新しいキャラメルの美味しさが広がっている。それぞれの味をダイレクトに堪能できるため、そのまま食べるのはもちろんおすすめするが、合わせる食材によってもまた複雑で美味なキャラメルの味わいを楽しめる。
まずはパンと合わせて
キャラメルの自然な香ばしさや味わいを堪能するには、パンとの組み合わせはかかせないと小西氏は言う。
パン自体に甘味があり、外はさっくり、中がふんわりしているクロワッサンに合うのはBASICのMEDIUMといったほろ苦さも感じさせるキャラメルや、さわやかな酸味のあるLEMONなど。
シンプルに小麦の味を楽しめるバゲットにはSALTを。バゲットの皮の香ばしさとも相性抜群だ。SALTは軽くトーストした食パンにも合う。キメのつまった生地のベーグルには、果実入りのAPPLE CINNAMONが好相性。甘すぎず飽きのこない味わいが楽しめる。
オリーブオイルがたっぷり入ったフォカッチャには、BUTTER MILDを。噛み締めるごとにオリーブオイルとBUTTER MILDの香ばしさがリンクし、旨味が口の中に広がっていく。
ヨーグルトやアイスクリーム、フルーツにも
パン以外にもさまざまな食材にも合うキャラメライフのキャラメル。
APPLE CINNAMONやLEMONといった果実風味のキャラメルを無糖のヨーグルトを合わせると、ヨーグルトにコクを加え、甘さはすっきり、大人向きの味わいに変化する。もちろん、BASICやBUTTERとのキャラメルも好相性。キャラメルの量によって味が変化するので、自分のベストバランスを見つけていきたい。
週末のゆっくりブランチには、パンケーキにかけて。シンプルなBASICのMEDIUMは素朴なパンケーキと調和しやすく、味が喧嘩せず上品にまとまる。とろりとしたキャラメルを優雅にパンケーキにかけていく時間を丁寧に楽しみたい。
また、小西氏おすすめの食べ方は、キャラメルをスプーンで口に含んでから、紅茶を口に運ぶ食べ方だと言う。口中で温かに広がるキャラメルの風味と紅茶の香りを味わうひとときは、えも言われぬ大切な時間となる。BUTTER MILDがおすすめ。
フルーツにかけていただくのも是非試して欲しい。キャラメルのコクやほろ苦さが、フルーツのもつ酸味や甘み、芳醇な香りと調和して、フルーツの美味しさをさらに引き出してくれる。
そのほか、和洋中問わず何料理のメインの味付けにプラスしたり、隠し味として入れたり、ワインやブランデーと合わせて晩酌を楽しんだり、寝る前のホットミルクに少し入れたり、合わせ方や食べ方は無数だ。
華やかで上品なパッケージ
キャラメライフの魅力は味だけではない。キャラメルを包みこむラベルやパッケージは、スタイリッシュながらも華美で上品なデザインになっている。ずっと眺めていたくなるデザインで、贈り物にもぴったり。そのデザインについて、Sano Minami Design Officeのアートディレクター佐野みなみ氏に伺った。
「CARAMELIFEのキャラメルはそのまま食べる事はもちろん、パンにつけたりお料理の隠し味や、デザートにかけて食べるなど、瓶を使用するシチュエーションとしてはダイニングテーブルやキッチン、棚などに置かれる事も想定して作りました。おうち時間が多くなった今だからこそ、置いているだけでもその場の雰囲気をグッと格上げし、お客様のご機嫌を取るアイテムの一つになればとの想いでデザインしました。ギフトとしても、受け取った方が『わっ!素敵!!』と一瞬にして心躍るプレミアム感と、華やかさ溢れるデザインになるよう心がけて制作をいたしました」。
少しレトロ感のあるヨーロピアンな雰囲気と、品格のようなものを融合させたイメージで、「フレーム」や「エンブレム」をデザインのベースとし、カラーキャラメル色を綺麗に引き立たせる、キャラメル色の補色である「グリーン」をブランドのメインカラーとして様々なパッケージを製作。優しさのあるサーモンピンクとのバランスがファッショナブルなトレンド感も感じさせ、小物入れなどとしても大切に使っていただけるようなカラーリングを意識してデザインしたと話す。
「キャラメルを食べる際の素敵な時間を、まずは視覚からも『特別』と感じていただきたく、最大限にブランドらしさを表現できる高級感のあるパッケージを作りたいと考えておりました。パッケージ全面にあしらわれているモノグラムは製品最大の特徴である焼き加減のグラデーションをcaramelの「C」をモチーフにグラデーション状の帯で表現していますが、加工によりリキッドキャラメルらしい艶感を出し、その艶感を引き立たせるように用紙などもこだわりました」。
華やかなデザインに包まれたキャラメライフは、いつも頑張っている自分へのご褒美や、誕生日のプレゼント、パーティーのおもたせといった大切な人への贈り物としても渡したい。
キャラメライフで日常に幸せを
朝、昼、夜とシーンを選ばす、日常に幸せをもたらしてくれるキャラメライフ。キャラメルを普段の食事に加えるというひと手間だけで、ハッピーな時間を過ごすことができ、心の余裕も生まれてくる。心躍るデザインのキャラメルは見ているだけで気分も上々。自分のご機嫌をとるアイテムとして、一つそばに置いておいてみてはいかがだろうか。
CARAMELIFE|キャラメライフ
https://caramelife.jp/CARAMEL 5SET (M)
(BASIC “MEDIUM" / BUTTER “MILD" / APPLE CINNAMON / LEMON / SALT)
4,910円(税込)
CURATION BY
東京生まれ。フリーライター・ディレクター。美しいと思ったものを創り、写真に撮り、文章にする。