スマートフォンで綺麗な写真を撮影し、SNSなどで共有するまでをワンパッケージで楽しむことができる今、デジタルカメラを所有する理由として注目されているのが「付加価値」。スマートフォンで正確な時間が分かるのに高級腕時計を身に付けるように、高級カメラの代名詞「ライカ」への関心が年々高まっている。ライカのカメラは高級なだけでなく使い方に知識が必要だったが、今回紹介する「ライカQ2」は、中身は一般的なデジタルカメラでありながら、ライカらしいラグジュアリー感も兼ね備えた機種。だれでもライカが楽しめる時代がやってきた。ライカQ2で、スマホカメラでは得られないカメラライフを楽しんでみるのはいかがだろう。
ライカとは?
言わずと知れた世界に誇るドイツのカメラメーカーライカ。その歴史は古く、創業は1849年まで遡る。1911年に入社したオスカー・バルナックが生み出した小型カメラによって、カメラ事情が一変。それまでは大判のフィルムと大きな機材で撮影するのが普通だったが、オスカー・バルナックのカメラは、映画用フィルムを転用した24×36mmのフィルムを装填した、気軽に持ち出せるものであった。
これを機に、ライカは本格的にカメラブランドとしてスタートすることとなる。24×36mmのフィルムは35mmフィルムの原型となり「ライカ判」とも呼ばれ、デジタルカメラ時代となった現代でも、センサーサイズの「フルサイズ」といったらこのライカ判のサイズが基準となっている。つまり、今では当たり前となっているカメラの基準を作ったのがライカであり、ライカの技術に追いつき追い越せと、世界中のメーカーが切磋琢磨した結果が、今のデジタルカメラまでの発展といっても過言ではない。
ライカのカメラが高価な理由
国内メーカーの最上位機種がおよそ50万〜70万円という価格帯のところ、ライカのカメラはおよそ100万円。レンズも、高額なものとなると100万円するものがあったりするので、ライカで写真を撮るためには大体200万円というお金が必要になってくる。
他のカメラとここまで価格差があるのは、大量生産ではなく、一部手作業も行って仕上げられている造りの良さにある。それを必要とする複雑な機構や高い精度も要因。昔のカメラのように、真鍮やアルミといった金属素材をふんだんに使っており、レンズに使われているガラスにも最高級品を使用している。こうしたカメラは、今ではライカ以外には存在しておらず、ライカでしか得られない使い心地や描写性能も、大きな付加価値といえるだろう。
M型とQシリーズ
ライカといえば、M型と呼ばれるレンジファインダー式カメラが主流であり王道だ。レンジファインダーとは、2つのレンズから映し出される像をファインダー上で重ねてピントを合わせるというもの。一眼レフカメラが登場するまではこのレンジファインダー式が主流で、その時代に頂点に君臨していたのがライカだったため、今でもその伝統としてライカといえばレンジファインダー式のM型を推す人がほとんどである。
ただし、M型はレンジファインダーという構造上、当たり前の機能であるオートフォーカスは一切使うことができない。また遠景撮影が苦手、近距離撮影も苦手ととにかく使い勝手が悪いのもポイントだ。この不便さを楽しむのもライカの醍醐味ではあるものの、カメラ初心者ではなかなか許容できないところではある。
その点、ライカQ2をはじめとするQシリーズは、見た目こそM型のような雰囲気はあるが、フルデジタル仕様なので、オートフォーカスや追尾AFなどの当たり前の機能は全て備わっており、近接性能も高い。レンズは28mm単焦点レンズが搭載されており、これはスマートフォン搭載のカメラとほぼ同じ画角。スマホ撮影が主だった人でも違和感なく撮影できるはずだ。スマホのようにクロップ機能で擬似ズームすることも可能。5040万画素のフルサイズセンサーを搭載しているので、目立った画質の劣化も起こらない。
かつて、ライカと銘打った現代的なデジタルカメラは、協業関係にあるパナソニックが手掛けており、パナソニックテイストの強い仕様に生粋のライカファンは拒否反応を起こしていたものだが、ライカQ2は純粋なライカ製。ライカらしいシンプルなデザインと、金属素材で構成された密度感のある造りを肌で感じることができる。
ライカQ2一台で万能なカメラワーク
トラディショナルな外観に反する現代的な性能を有したライカQ2であれば、さまざまな撮影が楽しめる。そのバリエーションをご覧いただこう。
新たな写真の楽しみ方に出会える、唯一無二のカメラ
以前はスマートフォンとの連動に難があったデジタルカメラ事情も、カメラメーカー各社が専用アプリをリリースすることで大きく改善している。特に、ライカがリリースしている「Leica FOTOS」という専用アプリは、カメラ本体との接続も良好で、比較的スムーズにスマホを介した共有を可能とした優良ソフトとなっている。
ライカが推奨している編集ソフトAdobe Lightroomとの連動もしっかりしており、スマホ内で細かい画像編集して、クオリティを底上げした写真を即座に発信することができる。ちなみにスマホアプリ版のLightroomは無料なので、気兼ねなく画像編集を突き詰めることができる。
ライカQ2は決して安いカメラではない。ただ、ライカQ2のようにあらゆるニーズに高いレベルで答えているカメラは他には存在しないことに気づいてほしい。ライカのブランド力に気圧されることなくライカQ2に触れてみれば、写真を楽しむための新たな一面にきっと出会えることができるはずだ。
LEICA Q2
CURATION BY
編集者、ライター。まだ見ぬおもしろいモノを探して日々活動中。