Vol.339

MONO

17 MAY 2022

日本の美意識や価値観を込めた紙の器「WASARA」

「紙皿」と聞くと何をイメージするだろうか。衛生状態に注意が向くようになって再び注目されたアイテムの一つでもあるが、無味、使い捨て、取るに足らないデザインなど少々味気ない印象を持つ。しかしそんな概念をがらっと覆す「WASARA(ワサラ)」は、手に自然と馴染み、なめらかな質感が心地よく、紙皿であるのにまた繰り返し使いたくなってしまう。そんなWASARAの魅力を紹介したい。

日本の趣を表現した器

WASARAは日本古来より受け継がれてきた美意識や価値観が発想の原点にある。日本が持つ優れた技術に裏付けられたものづくりの伝統や、おもてなしや礼儀を大切にする精神性などといった豊かな生活を過ごすために必須である日本文化や想いを込めて作られている。料理を美しく引き立たせ、豊かであたたかい空気を創りだすような紙の器をつくりたいという想いがそこにはあるのだ。

不思議な雰囲気を持つWASARA
日本の食事では、箸を使って器を手に持ち口をつけて食べる習慣があるが、器を手に持つことは、両手を合わせてその中の食材を手のひらで包み、ありがたく食べものをいただくという精神性の表れでもあり、日本独特の文化の特徴の一つでもある。手で器を包み込む時の触覚や、器と料理が口に触れた時に感覚やその味、器を持つことで鼻に直接感じられる香りなど、五感で食を愉しむといった日本特有の複雑で繊細な感性と食文化を、WASARAはまた体現している。

和の雰囲気のあるWASARAは、和食との相性が良い

料理に合わせて器をチョイス

料理に合わせて器を選ぶことは日本人にとって自然な行為であるのではないだろうか。茶碗や汁椀などの専用の器、酒器や小鉢としても使われる蕎麦猪口のような器もあり、西洋の器と比較すると比べ物にならないほど形状のバリエーションが存在する。そんな日本の器文化を表すように、WASARAでは18種類の器を揃えているため、普段と同じように料理に合わせて器を選ぶことができる。

左が各皿(4種の大きさ)、右が丸皿(3種の大きさ)
温かみのある白ベースの器のため、和洋中どんな料理も鮮やかに引き立ててくれ、料理をより華やかに、食欲をそそるように見せてくれる。器のマストな条件でもある耐水・耐油性はもちろん兼ね備えており、スープや油分の多い料理などもこぼれることなくさまざまな料理の盛り付けを楽しめる。一日置いておいてもふやけることない丈夫な作りだ。

左が長角皿、右がWASARA皿
丸皿や角皿といったメイン料理を盛り付ける器は複数の大きさがあり、長角皿やwasara皿という名前のついた独特なフォルムが美しい器もある。ボウル、コンポート、猪口、タンブラー、ワインカップ、コーヒーカップといった6種類の汁物やドリンク用の器もあり、選ぶのに迷ってしまうが、その種類の豊富さは食事の時間のみならず、料理と器の組み合わせを決める準備の時間さえも楽しく、有意義な時間にしてくれる。アウトドアではもちろん、おもてなしやパーティーなどにも使え汎用性も高い。いつも作っている料理でも器の形を変えるだけで新鮮な印象になるため、気分を変えたい時にもおすすめだ。

左上から時計回りに、ワインカップ、猪口、ボウル、コーヒーカップ、タンブラー、コンポート

料理と人、環境をつなぐデザイン

一度手にしてみると、すっと馴染む流麗なフォルム、和紙のような温かみのある質感、シンプルに見えて繊細な形状が作り出す陰翳に驚くだろう。今まで使ってきた味気ない紙皿の概念を一気に覆される。

自然と手にフィットする形
持ちやすさを追求したという形状は、人間の手の曲線にもとづいてつくられているため、すっと自然に手に馴染んでくれる。この美しいフォルムや手作りの風合いを表現した質感は、日本の優れた職人の技術があってこそ、たどり着いた機能美だという。器の種類によって形は異なり、この絶妙な造形によって一つひとつの豊かな器の個性がより引き立つデザインになっている。

さりげなくWASARAのロゴが刻印されている
また、WASARAは日本の技巧や美意識をプロダクトの哲学の中に継承しているという。日本には、庭の外の遠山や樹木をその庭の一部であるかのように利用する借景という手法があるが、それは自然と共存共栄してきたからこその表現とも言える。格子や障子では単純な形を繰り返して連なりの美を作り出しており、形が単純であればこそ、つくり手には正確な技が求められる。そこに漂う緊張感は、清々しさや心地よさを作り出し、人々の生活の中に溶け込んできた。

そういった意識をWASARAに込めており、一見単純な形でありながらも、絶妙なバランスを持ったデザインで、細部に施された美しく曲がる有機的な線が、盛り付けられた料理、それを手に取る人、それを囲む自然というように、全てつながっていくようなフォルムになっている。料理を盛りつけると料理を美しく、持つ人の立ち振る舞いも素敵に見せ、それを取り巻く環境までをも美しく見せてくれるのである。

和食のみならず洋風な雰囲気にもマッチする

90日で土に還るサステナブルな素材

世界的に利用エネルギーの見直しが図られるなか、WASARAは、木材パルプや石油に代わり、非木材である竹とバガス(さとうきびの繊維)を原料とすることにこだわっている。竹は日本に馴染みの深い植物で非常に成長が早く、枯渇する心配のない生命力の強い植物だ。

竹とバガスの質感を味わえる
バガスはさとうきびから砂糖の原液を搾ったあとの搾りかすで、年間排出量は世界中で約1億トンにも上ると言われており、燃料としても活用されているが、未利用のまま廃棄物として処分される余剰バガスもある。バガスの繊維は広葉樹の繊維に近いことから、紙の原料としても優れた性質を備えており、木材に比べてやわらかいため、製紙の過程で必要とされるエネルギーが通常の木材パルプよりも少ないというメリットもある。

竹とバガスで作られているため、90日以内に二酸化炭素と水、無機化合物に細かく分解され、残骸物を残さず、土に還っていく。人も動物も、木も草も、最後はすべて土に還り、そこからまた新しい命が生まれていくように、WASARAもまた、人が集う時間のために使われたのちは、自然界へと循環していくのである。

触っていると自然のエネルギーを感じられる
また、器を使い捨てる罪悪感を無くし、これまで陶器の皿を洗浄するために使われてきた水や洗剤の浄化にかかっていた環境負荷の削減にもつながっている。楽しんだ食事の後片付けは億劫であるが、その片付けにかかるストレスを減らし、食器を洗うという時間も削減できる。洗う時間が減ったことで、食事の後の時間が増え、有意義な時間を過ごすことができるだろう。

枯渇が危惧される木材の代わりに竹やバガスを原料としたWASARAは、自然環境への負荷を減らした、環境に優しい器ということでなく、ストレスを減らし新たな時間を生むことで生活の質も向上させてくれる。たった一度しか使えない紙の器であっても、食の時間と人の心、自然環境までも豊かにしてくれる。

パーティーやおもてなしは好きだけど、片付ける時間は好きではないという人にもぴったり

自分に合った楽しみ方を

WASARAに料理を盛りすぎず、できた余白も楽しみたい
WASARAの持つ佇まいは、器でなくそのものとしても美しく、季節の草花やお気に入りのアイテムを置いてインテリアとして飾るのも良いだろう。有機的で洗練されたフォルムだからこそ他のインテリアと馴染みやすく、WASARAの持つ普遍的な自然の美しさを堪能できる。どの料理を合わせてもいいし、一つでも複数でも、どんなシチュエーションで使っても良い。独自の解釈や使い方を見つけ、自分だけのWASARAの楽しみ方を楽しんでみてはいかがだろうか。

WASARA

WASARA お試しセットA 660円(税込)
WASARA お試しセットB 550円(税込)

https://www.wasara.jp/