Vol.486

MONO

13 OCT 2023

プラスチックを使わない、地球に優しいフードラップ「Bee Eco Wrap|ビーエコラップ」

日本でも2020年からレジ袋の有料化が行われ、レジ袋を廃止したり有料化したりするのは以前より世界的な流れになっている。買い物時にエコバッグを持参したりマイカップを持参したりとささいなことから脱プラスチック化をしているが、毎日使う使い捨てラップにはなかなか疑問を持たなかった。使い捨てラップにだけ頼る生活を見直し、代えがないのだろうかと探していたところ出会ったのが「Bee Eco Wrap(ビーエコラップ)」だ。

何度でも繰り返し使えるフードラップ

目を奪われる華やかな柄
GOTSオーガニック認証を受けたコットン生地に、化学物質を一切使わず持続可能な方法で採集したミツロウとコールドプレス製法のホホバ油、木の樹脂を独自にブレンドしたワックスを浸透させて作られている「Bee Eco Wrap」。

天然の材料を独自のブレンドで製法することにより、どんな形にもフィットさせ、何度でも繰り返し使えるフードラップだ。ミツロウとホホバ油の優れた抗菌性により、天然の保存性を備え、食品の鮮度とおいしさをより長持ちさせる。

野菜や果物をそのまま包むのはもちろん、切った野菜や果物の保存も可能で、パン、おにぎり、また、チーズなどの発酵食品にも適している。飲みかけのお茶やジュースのコップにかぶせて、器の蓋としても、サンドイッチも形を保ちしっかり包んでくれるので、お弁当やピクニックなどにもぴったりだ。そんなBee Eco Wrapを日本で販売している Bee Eco Wraps Japanの星 はる香氏に詳細を伺った。

ほどよい粘着性があり、あらゆる形を包み込む

Bee Eco Wrapの開発秘話

Bee Eco Wrapは全てオーストラリアのデヴァイン一家が制作しているという。「布を断裁するところから、ワックスを配合しそれを布に浸し乾燥させるところまで、全て手作業で行っています。現地のスタッフが検品をした後に日本に輸入され、商品用に丁寧に折り、帯ラベルをしたりパッケージに入れたりする作業も全て手作業で行っており、その際に使用する道具や梱包材などもできる限りプラスチックを使わずに行っています」と星氏は話す。サステナブルな視点を細部まで施したBee Eco Wrap。開発の原点はデヴァイン一家の生き方であった。

どの柄が手に入るかはそのときのお楽しみ
「Bee Eco Wrapの元となるアイディアが生まれたのは、何年も前に作り手であるデヴァイン夫妻がサステナブルなライフスタイルへと生き方を変えた時でした。オーストラリア東海岸中部に位置するサンシャインコースト。その北部ヌーサの内陸部にある州立熱帯雨林に囲まれた50ヘクタールの土地に夫妻は移り住みます。

森の中という人里離れた場所に住んでいるため、行政によるゴミの収集はデヴァイン家まで及びません。 自分たちの出したゴミは全部自分たちでなんとかしないといけないため、彼らは自分たちが出すゴミを減らそうと工夫し始めました。二人の間に子どもが生まれたことが大きなきっかけとなり、ビジネスと生活の両面でよりサステナブルな生き方をするための取り組みを始めることにしたのです」

パッケージには、ミツロウを想起させる蜂マークがさまざまな箇所に施されている
オーストラリアで昔から伝わる保存方法を学び、家庭内のプラスチックやビニールにとって替わるもの、土へ帰るものをデヴァイン一家は生活環境の変化や意識の変化から作り出した。彼らは自分たちだけではなく地元を巻き込んでのポジティブな変化を生み出していく。

長持ちさせるためのミツロウ

ワックスがたっぷりと浸透させてあるため、分厚く仕上がっていることも特徴
初めてBee Eco Wrapを使った時は、厚みがあり、使い捨てラップのようにちゃんと保存してくれるのか不安になった。しかし、きちんと包んだ野菜は長持ちする。包むときは手の暖かみでミツロウがやわらくなり、冷蔵庫に戻すとミツロウが固くなりしっかり形を保ち食品を保護してくれるのだ。

「包んだ食品にもしっかりくっつくように、またラップ自体が長持ちするように試行錯誤し、厳選された材料(化学物質を一切使わず持続可能な方法で採集した蜜蝋、コールドプレス製法のホホバ油、木の樹脂)を配合してミツロウワックスを作っています」と星氏は話している。

さまざまな食材を長持ちさせるための工夫がいくつも施されている
使用頻度にもよるが2年〜3年は使い続けることができ、Bee Eco Wrap は100%生分解性のため、使用後は土へ戻すことが可能である。Bee Wco Wrapの成分のミツロウは熱に弱くお湯での洗浄ができないため、油っぽいものや、生肉・生魚を包むのは推奨されていない。使い捨てラップと使い分けたい。

食器用洗剤と柔らかいスポンジで水洗いし、自然乾燥させる

多様な用途に使えるさまざまなサイズ感

お皿にかぶせる蓋や、おにぎりやサンドイッチを包む、器にするなど様々な使用方法があるBee Eco Wrap。初めての方へお勧めする使用方法は野菜の保存をおすすめしていると言う。

星氏は「半分だけ使った玉ねぎやアボカド、キャベツ、ほうれん草や大根、余った生姜などを包んだりするのに最適です。もちろん買ったばかりの野菜を袋から出して包んでしまうのも方法です。ほんの少し使っただけで捨ててしまうプラスチックを減らせますし、野菜が長持ちするとのお声を多数いただきます」と話す。使い始めは、コップや容器にロウや香りが残ることがあるそうだが、使っていくうちに薄れていく。小さいこどもにも安心して使うこともできる(ミツロウを主原料としているため、念の為1才未満の乳児の口に入るものには使用不可)。

さまざまな形に折りたたむことが可能
余ってしまった玉ねぎやにんじん半分など小さめのお野菜を包んだり、サラダボウルのフタとして、大根や白菜など大きめの野菜やサンドイッチを包むなど、幅広い用途に対応できるようSサイズ〜XLサイズが揃う。各サイズ用途の目安は下記の通り。

S(約18㎝×18㎝) 生姜、半分残ったりんご・玉ねぎ等に

飲みかけのコップにさっと乗せるだけでも、ずれたり飛んだりしないため、コップや小鉢の蓋にも。 袋状におって、ナッツやおやつを入れて持ち歩き用にもちょうどいいサイズ。

余った生姜などもそのままBee Eco Wrapに入れて

冷蔵庫の中でも目立つ柄のため、さっと取りやしやすい

M(約27㎝×27㎝)きゅうり丸々、大根、おにぎり2個、サンドイッチ等に

サインドイッチを包むのに便利なサイズ感。 おにぎり2個程度を包むことが可能。

形崩れせずに包み込める

L(約33㎝×33㎝)小玉キャベツ・白菜半玉、かぼちゃ、サラダ

ほどよい通気性もあり、パンの発酵にも使える。

食べかけの食器にサッとかぶせる使い方も

XL(約40cm×40cm)キャベツ・レタス1玉、スイカ、パン一斤、ボウル(大)等に

大きめの野菜の保存はもちろん、パンを丸ごと包むと鮮度が長持ち。

XLサイズは上半身が隠れるほどの大きさ

大きな野菜も優しく包み込む
野菜などを包みやすいよう、また布の端切れをできるだけ少量にするため四角にしており、今回紹介する「スタンダードシリーズ」は、GOTSというオーガニックコットンの国際基準を満たした布を使用。染料はもちろん、布を印刷する機械から排出される水も規定を満たしている布となっているという。その他のシリーズでもヘンプが入ったものや廃棄食材を染料にした布など、人と環境に配慮した材料でできた布を使用している。

目を惹くグラフィカルな柄

何を包もうか考えるのが楽しくなる柄
美しい柄や、柄の種類の豊富さ魅力の一つ。グラフィカルな「スタンダードシリーズ」の色柄は食卓やキッチンに個性と彩りを添えてくれ、パーティーやピクニックなどにも大活躍。持っている食器やキッチンの雰囲気に合わせてなど、色々と選べる楽しみもある。柄は作り手が選んで送っているので3〜4ヶ月に1度ほどの頻度で新しい柄が輸入されている。色柄は選ぶことはできないが、届く間もわくわくした気持ちに。

今回紹介している「スタンダード:5枚セット」は、Sサイズが2枚と、M・L・XLがぞれぞれ1枚ずつ入っている。目を惹く柄ばかりで見るだけでも楽しめる。使っているうちにシミやシワも現れるが、そんな一つ一つをラップの個性に。包むだけでなく、折り紙のようにピタッと折って箱を作ってお菓子を入れたり、量り売りのナッツやドライフルーツ、クッキーなどおやつのお持ち帰りにも使えたり。マイ箸などのカトラリーを包んで持ち運んだりと、アイデア次第でいろんな使い方が出来る、自由に形を変えて使うことができるのも特徴だ。

お気に入りの一枚を見つけて大切に使う

柔軟性と頑丈さを兼ね備え、形をキープしてくれる
使ったり洗ったりしていくうちに、愛着が湧き、ものを大事にすることの豊かさに気づいていく。お気に入りだからこそ、大事に大事に、愛情を注ぎながら使っていく。脱プラスチックという観点だけでなく、使い捨てのものがあふれた今、今一度大事にしたいマインドだ。やさしいミツロウの香りに包まれて、自分だけの使いかたを見つけるのも楽しい。お気に入りの一枚をみつけてみてはいかがだろうか。

Bee Eco Wrap

https://www.beeecowraps.jp/

スタンダード:5枚セット 税込5,995円