Vol.256

MONO

30 JUL 2021

アウトドアブランド「OUTSIDE IN」が創る“アイウェア”

夏の強い日差しから瞳を守る”サングラス”や、視力の低い方にとっては生活必需品である”メガネ”。フォーマルシーンからアウトドアシーンまで目元を演出するファッションアイテムとしても欠かせない、それが「アイウェア」だ。新潟県三条市発のアウトドアブランド OUTSIDE IN(アウトサイドイン)。キャンパーには、ウッドチェアやウッドテーブルなどで知られるブランドが創る「アイウェア」。ものづくりへの思いとは。

「OUTSIDE IN」ブランドコンセプト

『インドアでは自然に囲まれた旅の気分を味わい、アウトドアでは家の心地よさに包まれて自然を満喫』をコンセプトに、日常生活に馴染み、アウトドアではさらに自然との調和を楽しめる木製家具(テーブルやイス)を中心としたアイテムの製造・販売をしているアウトドアブランドだ。

代表のクリストファー・エスポジットさんは、20数年前にアメリカから化学薬品の研究者として来日。新潟出身の奥様と結婚をきっかけに、新潟県三条市に家を構えた。フライフィッシングなどのアウトドア好きで、もともと独学で学んだ木工の趣味が高じ、有限会社E&Eを2005年に設立した。

アウトドアブランドらしい自然の温もりを感じる、ウッド調に仕上げた特徴的なアイウェア

outside In ブランドロゴ

木工製造は代表のクリストファー・エスポジットさんがメインに行なっている

Flip Flop Table | ブラックチェリーとウォルナット材の高級木材で仕上げた美しい曲線が特徴的な、フォールディングウッドテーブル
「OUTSIDE IN」を運営する、有限会社E&Eは、デザインから製造はもちろん、営業・生産管理・資材調達・パッケージデザイン・ホームページ制作・SNSなど少数精鋭の自社内一貫生産スタイル。創るという事と時に闘い、楽しみながら、アウトドアギア・アイウェアを創りつづけている。

燕三条市駅から車で約30分の場所にひっそりと佇む、有限会社E&E 社屋

有限会社E&Eのプロダクトはすべて社内一貫生産

ブランドを牽引する職人、多田眞也の目指すところとは

1977年東京都町田市生まれ。前職は東京の某アイウェアメーカーに勤め、自社ブランドの卸販売・接客販売・店舗マネジメント・デザイン・PRなどを行なっていた。取引先であった有限会社E&E代表のクリストファー・エスポジットさんのものづくりへの造詣の深さ・姿勢等に感銘を受け、2013年に新潟県移住を決めたと語る。

職人 多田眞也さん
多田さんの主な仕事は、デザイン・製造・営業・生産管理・資材調達・パッケージデザイン・ホームページ制作・SNS運営。アウトドア向けの展示販売イベントでは、接客の経験を活かし、直接エンドユーザーとコミュニケーションをとりながらPRを行うなど多忙でパワフルな職人だ。

多田さんとの出会いは、とあるアウトドアイベント。テントやタープなど様々なアウトドアギアが展示販売される中、「OUTSIDE IN」ブースには、素敵なウッドテーブルやウッドチェアと並び、アウトドアイベントには珍しいアイウェアも展示されていた。話をするとイベント参加スタッフである、多田さんご本人がデザインし創ったと語り、驚きを覚えた。

アウトドアの為に作られたヒンジレス構造のアイウェア

アウトドアでは走りまわり、飛びはね、頭を動かすアクティブな動きが多くなる。そんなアウトドアシーンでも耐えうる快適なフィット感を持ちながらも、日常にも使いやすくスポーティーになりすぎない質実なデザイン、そしてミニマムな構造が特徴である。衝撃などで破損しやすい丁番を持たないヒンジレス構造により、プロダクトとしての耐久性を向上させた。

なによりパーツを減らす事を優先し、軽量化と弾力を持つチタン合金「ベータチタン」素材を採用した。それにより程よい力で頭を包み込み、鼻や耳に重量を感じさせないので、かけていてストレスが少ないのである。フィッティングすると、その軽快さは心地よく、まるで自分の為だけに細かく調整され、長く愛用しているかのようだ。

程よく頭を包み込みホールドしてくれる

丁番を持たないヒンジレス構造
レンズが入っている枠であるフロントパーツは、プラスチック製眼鏡フレームの主な原材料となる「アセテート」を使用。アセテートはプラスチックに分類されつつも、実は綿やパルプの植物由来の繊維からできており、手磨きで磨き上げると綺麗な発色とツヤが出せる。最終工程で特殊な表面加工を施し、ラフな木目調の雰囲気に仕上げ、自然と調和したデザインが特徴だ。レンズは100%UVカット/ARコート(反射防止コート)の国産カラーレンズを装着。

ひとつひとつ手磨きで仕上げている

"OS-B" col.3 | クラシックなフォルムで涼しげクリアアッシュブラウンが人気

"OS-D" col.2 | 落ちついたシックなトーンが特徴

"OS-E" col.1 | レディースにもいける柔らかなフォルム

プロダクトの開発秘話

近年、スポーツショップやアウトドアショップなどスポーツサングラスを扱う販売店が増えている。俗にいう街の眼鏡屋さんは年配の方が経営しているところが多く取扱ブランドのラインナップも少なく、またサングラスをお勧めするのが苦手というところも多い。量販店だと販売スタッフに知識や経験、技術が少ないと販売することが難しい。

そんなイメージを持ちすぎて、大手ブランドのものばかりを取り扱う傾向がある。お客様それぞれの個性や趣向にあったフィットというものとの出会いが少ない状態だと感じる。エンドユーザーもどれを選んで良いのか分からないので、結果、大手ブランドのネームバリューのあるものから選びがちになってしまい、買ってはみたけれど、かけ心地がイマイチ合わない。似合わない。などの理由で目を守る為の必需品選びがきちんと出来ていない印象だと多田さんは語る。

馴染みやすいデザイン、かけ心地の良さ、日本製であるなどの要素を持った、他とは違ったアイウェアを創りたいという思いから、「OUTSIDE IN SUNNIES」を立ち上げたという。

検品と調整をひとつひとつ丁寧に行う眼差しは真剣そのもの

ひとつひとつ手作りなので大量生産は難しく、価格もワンランク上の設定となる
欧米人と比べ凹凸の少ない日本人の顔への相性、構造とコスト、そして「OUTSIDE IN」の他のアイテムとの整合性、自社の設備でできるものなどの要素を頭の中で並べて組み合わせ、格闘し、現在のデザイン(構造・製法)に辿り着いたと多田さんは語る。

OUTSIDE IN の先に見える新しい景色とは

アイウェアは、掛けるだけで顔の印象をガラッと変えることができる。見た目のコンプレックスを低減し、手軽なアンチエイジング効果はもちろんリフトアップ効果や肌色が良く見えるなど、人から見られる自分の見た目の作用だけでなく、格好いい自分、お洒落な自分を演出するなど、自分の気持ちを前向きにしてくれる不思議なアイテムだ。

軽快でストレスフリーな掛け心地
モノは創り手の顔や気持ちを知ることで、また違った見え方になるから不思議だ。モノとの向き合い方、その使い方を考えさせられる。筆者が愛用する「"OS-D" col.2」もより大切に、長く付き合っていこう。

キャンプギアの中に OUTSIDE IN SUNNIES のアイウェアを連れキャンプを満喫
アイウェアを目が悪いからしょうがなく掛けているというマイナスな気持ちで向き合わず、色々なアイウェアを掛けてみて、見たことのない自分に出会い、自然となりたい自分を見つけ、心も変わっていくことを楽しんでほしい。

OUTSIDE IN by E&E Ltd.

〒955-0021 新潟県三条市下保内 2989
TEL: 0256-39-0177
https://www.outside-in-jp.com/