Vol.166

MONO

18 SEP 2020

エコの概念を進化させる、環境保全先進国NZ発 固形シャンプー「ethique」

容器包装リサイクル法の改正で、レジ袋が有料になった。エコバッグを持ち歩く習慣の付いてきた人もいれば、不便さを感じている人もいるだろう。エコを「守るべきルール・マナー」「地球環境を守る代わりに、何かを諦めるもの」と捉えると、少し億劫に感じてしまうかもしれない。
資源の枯渇、海洋ゴミ問題、地球温暖化など、多くの課題を抱える中、環境に配慮したプロダクトは急速に進化を遂げている。特に海外では、環境への配慮はもちろん、クオリティにも一切妥協しないプロダクトが消費者に広く選ばれている。今日はその中から、脱プラスチックを徹底しつつ、質にもとことんこだわり抜いた、環境大国ニュージーランド(NZ)発の固形シャンプー&コンディショナー「ethique(エティーク)」を紹介する。

肌や髪に必要なものだけを固形化

ethiqueは、シャンプーやコンディショナー、モイスチュアライザーなどの製品の必要成分のみを固形化することで、液体製品に欠かせないプラスチック包装を排除した、サスティナブルな固形バー。自分も地球もサスティナブルにキレイになるという意味を込めて、「ビューティーバー」と呼ばれている。美容製品をはじめ日常生活に欠かせないプラスチックボトルが世界中で破棄され、海洋汚染の原因となっていることを問題視し、必要成分を濃縮するというシンプルな方法で、完全な脱プラを成し遂げたプロダクトである。本体はもちろん、パッケージも生分解性のあるものを使用している。

サスティナブル ビューティーバーブランド「ethique」

石鹸でも液体でもない、新たな使い心地

パッケージを開けると、ほんのりさわやかな香りが広がる。髪とシャンプーバーを濡らし、髪の付け根から毛先にかけて滑らせ、指で泡立てみると、すぐにもっちりとした弾力のある泡が髪全体を包み込んだ。液体シャンプーと比べ、泡立ちがよくないのではと心配したが、まったくの杞憂だった。

コンディショナーも同様に、髪全体に滑らせて塗布した後、指で髪と頭皮になじませる。液体シャンプーに比べ、毛穴に詰まりにくく、ふわっと洗い上がるのも特徴である。夕方になると髪がペタっとしてしまいがちだったが、ethiqueで洗った日は、夜になっても1本1本さらさらの髪がキープできた。

セミロングヘアなら、全体に3〜4回ほど滑らせるだけで、十分な泡立ちだ。
シャンプー、コンディショナーともに、豊富なラインナップを揃えるethique。「スキャルプケア」「ボリュームアップ」「カーリーヘア」など、幅広い髪の悩みに応えており、自分の髪質にあったタイプを見つけられる。

専用のバーコンテナも、もちろん生分解性に優れた竹素材を使用している。

限られたスペースしかない、一人暮らしのバスルーム。シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、洗顔料…。さまざまな種類のボトルが増えると、それだけでバスルームがひとまわり小さくなっていく気がする。手のひらサイズのethiqueなら、占めるスペースも小さく、見た目の主張も少ない。バスルームをよりシンプルに、リラックスできる空間に保ってくれる。

また、シャンプーバー1つで液体シャンプーボトルおよそ3本分、コンディショナーバー1つで液体コンディショナーおよそ5本分の美容成分が凝縮されているという。ミニマルなサイズ感でこのコストパフォーマンスは、嬉しい意表だ。突然切らしてしまう心配や、収納にたくさんの詰め替えストックを置いておく必要がないのは、精神的にリリースされた気分になる。

本国NZではリピート率80%越えの大人気ブランド。石鹸でも液体でもない、その新鮮な使い心地に触れた瞬間、固形バーへの先入観は鮮やかに払拭される。

一人暮らしなら、シャンプーバー1つで2〜3ヶ月、コンディショナーバーで3〜4ヶ月ほどはもつ。

サスティナブルなライフスタイルを届ける

ethiqueは2012年にNZで誕生し、2019年に日本に上陸した。

「ethiqueを日本で取り扱うまでに、2年かかりました。ethiqueの理念に共感し、日本の使い捨て消費に一石投じたい。NZの開発者ブリアン・ウェストに頼み込み、その熱意を認められた結果の取り扱い開始でした」

日本でethiqueを輸入販売するピー・エス・インターナショナル 担当の豊田さんは話す。

「ethiqueは、完全脱プラスチックはもちろん、製造方法にも品質にも、一切妥協がありません。サスティナブルでありながら、きちんと結果を出すことのできる製品を市場に届けることを、ブランドのミッションとしているんです」

地球環境への強い想いが、洗練に洗練を重ねたプロダクト誕生につながった。
プラスチックは、日常のどんなシーンでも活用されている、暮らしに欠かせないものだ。かといって、プラスチックを使わず環境への配慮を追求することは、決して利便性やクオリティを手放すことではない。そんなエコの新たな可能性や考え方が、ミニマルな暮らしを好む人々の間で、少しずつ広がっている。ethiqueはその一例だろう。

「環境を守るために、ライフスタイルを無理に変えたり、我慢したりする必要はありません。サスティナブルなライフスタイルを、心から楽しんでもらいたい。そのために、ethiqueをはじめとしたエシカルなプロダクトや選択肢が、日本でももっと増え、一般的になることを願っています。」

ボディソープ、ランドリーソープなど、シャンプー以外も幅広く展開している。

エコなチョイスを楽しむ

自分にとって、地球にとって、本当に良いものとは何だろう。どんな選択をしよう。そんな新たな視点で、今一度、身のまわりを見渡してもらいたい。環境へ配慮しつつ、それを「楽しむ」時代がやって来た。そこには不便さも我慢も存在しない。世の中に溢れるたくさんのプロダクトの中から、環境に良いものをチョイスすることは、自らの暮らしと心を身軽に、余裕を持たせてくれる。ethiqueの想いに触れた今、エコの見え方は変わっただろうか。

ethique(エティーク)

エティーク シャンプーバー 110g  ¥1,980
エティーク コンディショナーバー 60g  ¥2,100
https://ethicame.com/