ミニマリストが手放さない、ハサミという道具
思い返せば、自宅にも1つ以上はあるハサミ。そもそもなぜ私たちの生活に、ハサミは欠かせないのだろうか。
まず日常生活を振り返ってみよう。事務作業でラベルやシールなどを切る以外にも、買ったばかりの洋服のタグを取る時、食品のパッケージを開ける時、封筒を開ける時、花瓶に合うように草花を剪定する時、不揃いになった髪を自分で整える時、使わなくなったクレジットカードを切る時、ほつれた糸を取る時…等々、ハサミを使うシーンは枚挙に暇がない。
ハサミは毎日のように使うわけではないが、「何かを切る」という行為をしたい時に、カッターやナイフなどでは代用しきれない場合が多い。さまざまな「切る」に対応できるのは、やはり「ものを挟んで切る」という機能を持つハサミ以外にないのだ。
ハサミの歴史は古い
ハサミの歴史は、実はかなり古い。現存する最古のハサミは、紀元前1000年頃のエジプトで発見されたものだ。当時のハサミは指を入れる部分が無く、手で握るようにして使うU字型のハサミ(握り鋏、糸切り鋏)だった。似たような形状のハサミ(和鋏)は日本でも古くからあり、現存する最古のものは6世紀ごろのものだという。現代では料理鋏、洋裁鋏、理容鋏、園芸鋏など、特定の作業に最適化したハサミもあるが、ハサミが誕生した当初は、主に羊の毛を刈る作業に使われていたそうだ。
そこから2000年経ち、刃の部分が大きいもの、小さいもの、持ち手の形状を持ちやすくしたもの、折りたたみ式のものなど、ハサミはさまざまな発展を遂げたが、基本形状はそのまま。普段使っている道具を、2000年前の人も同じように使っていたと考えると、なかなかすごいことだ。
しかし、あれだけ特徴的な形をしておきながら、ハサミはときどき姿を消す。文具入れに入れる時も、ハサミのせいで余計な空間ができてごちゃごちゃする。なぜか失くすし、他の文具と一緒にしていると邪魔ならば、ハサミそのものが独立して存在していれば良いのではないか?
そこで手に入れたのが、HMM PROJECT 「Scissors w/base」だった。
佇まいが美しい「Scissors w/base」
ハサミを使う。その背景を考えてみよう
例をあげるとすれば、「余計なものを削ぎ落としたいから」、「必要なぶんを分け取りたいから」、「封で閉じられたものを開けたいから」といった動機が考えられるだろう。
そこに共通するのは、「不必要なものを取り除き、自分のものにする」ということ。私たちは生きていくために、さまざまなものを得なければいけない。そして、手放すべきものは手放さなければいけない。そういった人の営みを、ハサミは支えてくれているのだ。
HMM PROJECT 「Scissors w/base」
Size / W165 ×H80 × D5
Base Size / Φ50 × H7mm
Material / Stainless, TPR
¥ 5,000(+tax)
HMM PROJECT
web:https://hmmproject.com/pages/front