現代アート、メディアアート、ファッションなど幅広いジャンルのアーティストが集結
第6回目の開催となる「六本木クロッシング2019展:つないでみる」は、現代の表現を通して見えてくる「つながり」に注目しながら、1970-80年代生まれを中心とした日本のアーティスト25組を紹介する。シリーズ初の試みとして、森美術館の3名のキュレーターが共同キュレーションを行ったことで、幅広いジャンルのアーティストと作品が集まった。
「六本木クロッシング2019展」が注目するのは、情報通信技術など、さまざまなテクノロジーが加速度的に進化することによって生まれた「分断」。テクノロジーは私たちの生活を便利にしながら、閉鎖的なコミュニティや偏った政治観、経済格差などの分断的な現象が起こっていると指摘する。
こうしたなかでアーティストが試みるのは、対極のものを接続すること、異質なものを融合すること、本来備わっている繋がりを可視化することなどだ。作品を通じてさまざまな「つながり」を提示していく。それらは現代社会に対する批評的な視点や発想の転換でもあり、「分断」と向き合う為のヒントとなるだろう。
注目は最新テクノロジーを駆使した実験的作品
森永邦彦が率いるファッションブランドの「アンリアレイジ」は、東京大学の川原研究室とコラボレーションし《ALIVE UN LIVE》を発表。人の体温で形状が変化する、低沸点液体を使った新しい服のあり方を提案する。
竹川宣彰の《猫オリンピック:開会式》は、猫たちが無邪気にスポーツの祭典に興じる愛らしい様子を通じて、2020年の東京オリンピック開催に沸く日本を普段とは違う視点から考えるきっかけを与えてくれるだろう。
他にも25組のアーティストが、それぞれの視点から幅広い作品を発表。参加するアーティストは70〜80年代生まれが中心なので、同世代の感覚に共感しながら、普段とは違う視点で新たな「つながり」を意識することができるはずだ。日本の今に向き合う有意義な機会として、展示会に訪れてみてはいかがだろうか。
森美術館15周年記念展 六本木クロッシング2019展:つないでみる
この展示会は終了しました
会場:森美術館
住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階
開館時間:10:00~22:00(火〜17:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:会期中無休
料金:一般 1800円 / 大学・高校生 1200円 / 4歳〜中学生 600円 / 65歳以上 1500円
問合せ:03-5777-8600