Vol.385

KOTO

25 OCT 2022

美しい植物を飾り、愛でる。癒しの箱庭ADAの「DOOA」

今、世界的に植物が流行っている。ホームセンターの園芸コーナーは拡大され、専門店も増加。日本各地で毎週のように即売会イベントが開催されている。植物とひと言でいっても部屋を飾るインテリアグリーンというよりは、姿かたちが不思議で希少な“ビザールプランツ”がメインストリーム。そんなビザールプランツをガラス容器の中で育もうというのが、ここから紹介するアクアデザインアマノ(以下ADA)の「DOOA」ブランドである。ADAは、水槽の中で水景を作り出す「ネイチャーアクアリウム」を提唱し、アクアリウム界に革命を起こしたメーカーだ。そんなADAがガラス容器とビザールプランツで新たな植物の楽しみ方を提案。園芸とはひと味違う植物との向き合い方は、部屋を飾るだけでなく心を豊かにもしてくれるはずだ。

ビザールプランツとは?

奇妙な植物=ビザールプランツ。他にはない形や模様や生態の植物全般を指し、その姿そのものでインテリアにもなる存在感を放つ植物のことをいう。もともとサボテンなどの多肉植物をメインに根強い人気のあったジャンルではあるが、カルチャー雑誌での特集をきっかけに、ファッションのラインから一般層へと波及したと言われている。現在は、アガベや一部ユーフォルビアの多肉植物や、パキポディウム、オペルクリカリア・パキプスといった塊根植物などのドライ系の植物、強い光を必要とせずに湿度の高い環境を好むジャングルプランツが人気。DOOAでは主に後者のジャングルプランツをコンパクトに育てて楽しむことを目的としている。

ドロセラという食虫植物の一種。食虫植物もビザールプランツの一つに分類される。湿度を欲するものが多いので、小型の種はDOOAに最適

園芸店などでもよく見かけるベゴニアの小型種。自然のものとは思えない奇妙な柄が湿気を帯びてより美しく映えてくれる

葉脈がラメに光るジュエルオーキッドはジャングルプランツの代表格。以前に比べて手頃になり、育てやすい植物となった

自然下で作られた迷彩柄で今もなお高い人気を誇るアグラオネマ・ピクタム。比較的湿気を好む植物なので、DOOAとともにじっくりと育てていきたい

超小型の洋蘭を生育すれば、きれいな花を咲かせて愛でることもできる

ADAが展開する「DOOA」ブランドとは

植物を使った情景づくりの一つに「パルダリウム」というものがある。これは、水槽を湿度を必要とする植物でレイアウトし育成して作り上げるというものなのだが、本格的に行うには規模が大きくなってしまい日本の家屋事情ではなかなか難しく、また多種多様な植物を同じ水槽で管理する難しさもあって、新規ファンを獲得しづらいジャンルでもあった。

「DOOA」は、そんなパルダリウムをビギナーにも手軽に楽しんでもらおうと始めたブランド。φ95mm×H145mmの丸型容器「ガラスポット MARU 95」からW60mm×D30mm×H16/36mmという本格的なレイアウトを楽しめる規模の「ネオグラス テラ(H36mm)」まで、さまざまなサイズの美麗なガラス製品を複数用意し、その規模に見合った情景づくりを行う。

その中でも最もコンパクトな楽しみ方というのが、小さい水槽とLEDライトを使って植物の魅力に焦点を当て、植物を主役にするというスタイルだ。ADAが手掛ける美しいガラス容器が、湿地帯で異彩を放つ植物の魅力を存分に引き立てる額縁となる。

東急プラザ銀座にあるADAのアンテナショップADA LABにずらりと並ぶDOOA製品の作例

形が可愛らしいインテリア映えのするガラスポット SHIZUKU。最大径φ170mmとなる規模感で、少し大きくなる種を育てたり、レイアウトに凝ることもできる

W150mm×D150mm×H250mmの角型水槽「ネオグラス エア」を使ったプチ情景スタイル。高さの必要なレイアウトや植物の育成に適している

ネオグラスエアの中から背の低いタイプを選べば、外枠にとらわれない自由なレイアウトやドライ系の植物育成も楽しめる

水を多めに張って水草との組み合わせも可能。水草の水中葉と水上葉の違いを確認することもできる

ADA LABのワークショップで楽しく学べるDOOA製品を使った植物の飾り方

DOOAを使った植物の飾り方はADAの公式HPでも確認できるが、東急プラザ銀座にある「ADA LAB」というアンテナショップでワークショップに参加すれば、ADAが誇るレイアウトのプロから直接指導してもらえて、自己流よりも安心。手順も極めてシンプルなので、だれでも必ず美しいレイアウトを完成させることができるはずだ。

作り込まれた美しいネイチャーアクアリウムのレイアウトも楽しめるADA LABは東急プラザ銀座の5階にある

店舗内に設置されたGREEN HOUSEには、普段なかなか見られないビザールプランツが多数陳列されている

ジャングルプランツだけでなく、エアプランツやディッキアといったドライタイプの植物も販売されている

今回はガラスポットMARUを使ったワークショップを受けてみた

ガラスポットMARUの規格に合った植物を準備してもらい、その中から好きなものを一つ選ぶことができる

ADAのスタッフから植物の植え方から手取り足取り教えてもらえる。これはジュエルオーキッドの植え方を、つまむ位置から教えてもらっているところ

スタイリッシュなADA製の道具が使えるという特典も。ワークショップを受けて喜ばれるポイントの一つ

底床は手前から奥にかけて傾斜を付ける。これは底の通気性を得るための素材を隠すためもあるが、レイアウトに奥行きを出すためというのが主。レイアウト作りの基本の“キ”もしっかり教えてもらえる

自らの手で夢の箱庭を完成させる充実感

今回はきらめく葉脈が美しいジュエルオーキッドを主体に、岩と苔をあしらってみた。作業自体は約30分ほどだったが、岩の位置などにもっとじっくりこだわっても良いし、インスピレーションに従ってパッションで完成させてみるのも面白そうだ。

完成した自分だけの箱庭。存在感のあるボリューム

配置した苔は今はまばらだが、ここから育ってボリュームが出てくれる

別売りの専用ライトと組み合わせれば見映えがよくなり、植物育成にも役立つ

日々の管理について

現状は植物を配置しただけで、ここからが本番。日々管理、生育していくことで植物はより魅力的な姿となり、レイアウトは一段と華やかになってくれる。管理の仕方は植物によって多少変化はするものの、基本的には、底床が乾いたら全体的に湿って底に少しだけ溜まる程度に水を与え、容器内が曇り水滴が発生していたら蓋を少しだけ開けて空気を動かし、容器内の湿度の調整を行うだけ。専用のライトを使わなくても生育は可能。置く場所は温度変化や日当たりが強すぎない場所が最適だが、専用のLEDライトを使えば窓辺でなくとも部屋のどこにでも置けるようになり、生育環境も安定する。

底床の水分はこの程度。過剰な水分量は底床に水が停滞しすぎて植物が腐る原因にもなる

蓋の開閉はこの程度でOK。容器内の水滴や曇りが収まったら再び蓋を閉めてやる。湿気を好む植物でも通気性の確保は重要なのだ
ちなみに、ADA LABでは植物育成に関する相談を受けており、ワークショップを受けた方に関しては、家に帰って設置したら急に植物の調子が悪くなった、など、状況によっては植物の交換なども行う場合があるとのこと。アフターケアも万全なので、初めての植物育成に不安な方は一度足を運んでみてほしい。

箱庭の中で些細な変化をし続ける植物を楽しむ日々

部屋を飾る癒やしのアイテムとして植物を飾りたいけれど、必ず枯らしてしまうからと敬遠してしまう人は多い。ただ、DOOAに関しては、規模が小さいぶん環境が維持される時間が短いため、毎日観察することとなる。毎日観察する習慣をつければ、些細な変化に気づきやすいし、植物がみるみると美しくなっていく様子も実感できて愛着も強まることだろう。

まずはガラスポットMARUから。DOOAとともに植物の魅力を楽しむライフスタイルを始めてみてはいかがだろう。

DOOA|ADA LAB

東京都中央区銀座 5-2-1 東急プラザ銀座5F

https://dooa.jp/jp/
https://ada-laboratory.com