Vol.379

KOTO

04 OCT 2022

ホームシアターで一人暮らしの部屋を充実させよう。プロジェクターの選び方やおすすめ機器も紹介 

リビングで悠々と、大画面で映画を見る……そんな光景に憧れている人もいるだろう。自宅でも映画館のような感覚を味わえるホームシアターは、「広い部屋でないとできない」「一人暮らしの限られた空間では難しい」などと思われがちだ。しかし、工夫すれば一人暮らしの部屋でもホームシアターは実現可能である。ここでは、ホームシアターのメリット・デメリットとともに、実現に必要不可欠なプロジェクターのおすすめ商品を紹介する。自宅でも大画面映像を楽しみたいなら、ぜひ参考にしてほしい。

ホームシアターは一人暮らしでもできる?

スクリーンがなくても、白い壁や天井に投影できる
一人暮らしの部屋では使える空間は限られるものの、ちょっとした工夫をすればホームシアターを実現させることは可能だ。

そもそも、「ホームシアター」とはどのようなものなのだろうか。意味としては「家庭(ホーム)で映画館(シアター)のような大画面映像を楽しむこと」だが、どのサイズからが大画面なのか、明確な定義があるわけではない。つまり、一般的なテレビよりも大きな画面で映像を見ることができれば、それは十分ホームシアターといえるのだ。

映像を大画面で映し出すためには、厳密にいえば、メインの機材のほかに細々した周辺機器をそろえる必要がある。例えば、臨場感あるサウンドも楽しみたいのであれば、スピーカーは欠かせない機材だ。ただ、ここではあくまでも大画面映像に焦点をあて、それを映し出すためのメイン機材「プロジェクター」について紹介する。

ホームシアターを設置するメリット・デメリット

自分の好きなタイミングやお気に入りの部屋で映画を見られるのが嬉しい
ホームシアターを一人暮らしの部屋に設置することには、メリット・デメリットがある。その両方を把握し、自分の部屋に導入するか検討しよう。

メリット:壁や天井で大画面映像を楽しめる

ホームシアターのメリットの1つは、プロジェクターなどの機材さえあれば、どこでも大画面映像を映し出せることだ。

平らで白色であれば、壁でも天井でも好きな場所に映像を映し出せるため、リビングで食事をしながらでも、寝室のベッドで寝転がりながらでも大画面映像を楽しめる。ほかにも、プロジェクターとゲーム機を接続し、大画面映像でゲームをするといった使い方も可能だ。

メリット:テレビの代わりになる

大画面映像を楽しむという趣旨からはやや外れるが、ホームシアターはテレビの代わりにもなる。

近年、ミニマリストのブームや、スマホ・パソコンでもテレビ番組を見られる状況から、テレビを持たない人が増えている。テレビを持たない代わりに、プロジェクターを使って大画面でテレビ番組を楽しむ人もいるのだ。

プロジェクターはテレビのようにモニターが必要ないため、部屋がすっきりするうえに、画面サイズや角度などの調整も自由にできる。また、プロジェクターはテレビよりも小型であるため、持ち運びもしやすい。

デメリット:騒音問題が起こる可能性がある

ホームシアターでは、「音」の扱いには注意が必要だ。大画面につられて大音量で再生する、スピーカーと接続して臨場感あるサウンドを楽しむなどすると、場合によっては騒音問題に発展することがある。

ホームシアターで映像を流す際は、時間帯や周囲の環境に配慮した音量にしたり、騒音にならないよう対策を取ったりするべきだ。例えば、ヘッドホンやイヤホンで音を聞く、遮音カーテンをつけるといった方法をおすすめする。

一人暮らし向けのプロジェクターを選ぶポイント

ホームシアターにはプロジェクターが欠かせない
自分の部屋でホームシアターをするには、映像を映し出すプロジェクター選びが重要になる。プロジェクターにもさまざまな種類があるが、一人暮らしの部屋で使う際は、ここで紹介する5つのポイントを押さえておきたい。

タイプ

プロジェクターは、大きく「モバイル型」「設置型」に分けられる。モバイル型はサイズがコンパクトで、比較的安価なモノが多い。サイズが小さい分、映し出せる画面の大きさや映像の明るさに限りはあるが、お手軽にホームシアターを始めてみたい人におすすめだ。

一方、設置型はモバイル型よりもサイズが大きく、高額なモノが多い。しかし、日中の明るい室内でも色鮮やかな映像を楽しめるパワフルさがある。室内で画面を映し出す場所が固定化している人や、プロジェクターを屋外に持ち出す予定がない人であれば、設置型のほうが落ち着いて大画面映像を楽しめるだろう。

サイズ

一人暮らしでモノを置けるスペースが限られている以上、プロジェクターはできる限りコンパクトサイズの商品がおすすめだ。サイズが小さければその分だけ重量も軽くなるため、持ち運びもしやすい。

前項で「モバイル型」と「設置型」についてふれたが、サイズでいえばモバイル型のほうがコンパクトな商品は多い。ただ、画面サイズや画質にもある程度こだわりたいのであれば、設置型のなかにも軽量サイズの商品があるため、それを選ぶのがよいだろう。

投影距離

プロジェクターを選ぶ際は、「投影距離」もチェックしよう。プロジェクターを置く予定の場所と壁との距離をカバーできる商品でなければ、狙った場所に映像を映し出せない。とはいえ、一人暮らしの部屋ならそれほど距離はないと考えられるため、投影距離が短い「短焦点式」でも十分だろう。

そのほか、家具があって壁に映し出すのが難しい場合は、真上に投影できるタイプを選び、天井に映像を映し出すのもおすすめだ。

最大投影サイズ

ホームシアター最大のメリットである大画面を楽しむためには、プロジェクターの最大投影サイズも確認しておこう。映像を映し出す壁の広さや、自分が見たいと思うサイズに対応しているかが重要だ。

前項で「一人暮らしなら短焦点式でも十分」と述べたが、短焦点式は投影距離が短くて済む代わりに、最大投影サイズが小さい可能性がある。そのため、最大投影サイズと投影距離はセットでチェックすることが必要だ。

画面の明るさ

ホームシアターをする際、映画館のように部屋を暗くするのであれば、どんなタイプのプロジェクターであってもほぼ問題ないだろう。しかし、明るい部屋で使用することもあるのなら、画面の明るさに関するスペックも確認が必要だ。

画面の明るさは「ルーメン(lm)」という単位で示されており、この数値が高いほど、明るい場所でも画質のよい映像が見られることを示している。一般的に、ルーメンが高い商品ほどサイズが大きくなる傾向があるため、双方のバランスを取るようにしよう。

ホームシアターにおすすめのプロジェクター

ここからは、一人暮らしのホームシアターにおすすめのプロジェクターを3つ紹介する。

アンカー・ジャパン|Nebula Capsule ll

アンカー・ジャパンの「Nebula Capsul ll」は、最大100インチの大画面やオートフォーカス機能、台形補正機能(投影時の歪みを自動で調整する機能)などが搭載された高機能モバイルプロジェクターだ。

500ml缶よりも小さなサイズながら、バッテリーが内蔵されているため、簡単に持ち運びできて長時間の使用も可能。一人暮らしの部屋でも場所を取ることがなく、好きな場所で最大100インチの大画面映像を楽しめる。

EPSON|dreamio EF-12

EPSONの「dreamio EF-12」は、スタイリッシュなスクエアデザインが特徴のプロジェクターだ。設置するだけですぐ映像を見られる状態にする自動設置調整機能がついており、プロジェクターを初めて使う人でも扱いやすい。

また、高音質スピーカーが内蔵されているため、臨場感あるサウンドも楽しめる。さらには、縦置きにすることで天井投影も可能であるため、場所を選ばず映像を映し出せる。特に、天井に投影できる機能は、映し出す場所が限られる一人暮らしの部屋にぴったりだ。

FunLogy|超短焦点プロジェクター FunLogy Air

FunLogyの「超短焦点プロジェクター FunLogy Air」は、投影距離が短い短焦点式のプロジェクターだ。最短焦点距離が0cmのため、壁にプロジェクターをつけた状態でも映像を映し出すことができ、スペースが限られる一人暮らしの部屋でも使いやすい。

また、60~230インチと幅広い画面サイズに対応しているため、さまざまな状況に対応可能だ。本体は2.7kgと軽量で、スピーカーも内蔵されていることから、これ1台でどこでも映像と音声を楽しめる。

ホームシアターを取り入れて、一人暮らしの部屋をより充実させよう

自分の部屋と目的に合ったプロジェクターでホームシアターを楽しもう
ホームシアターは、プロジェクターをはじめとする機材と画面を映し出せる場所があれば、一人暮らしの部屋でも十分に実現可能だ。とはいえ、メリットだけでなくデメリットもあるため、必要な対策をしたうえで、自分の部屋に設置するかを決めたほうがよい。ホームシアターに欠かせないプロジェクターはさまざまな種類があるため、どれを使うか迷ったらここで紹介したモノを参考にしてほしい。