Vol.361

KOTO

02 AUG 2022

スロージョギングのやり方や効果は?体力づくり・リフレッシュのための習慣に

ダイエットや体力づくりのために、ジョギングを始めようとする人が増えている。しかし、これまで運動をしてこなかった人が急にジョギングをすると、かえってカラダに負担をかけてしまうこともあるだろう。そこでおすすめなのが、ジョギングよりもゆっくりと走る「スロージョギング」である。今回は、スロージョギングのメリットや効果的なやり方などについて解説していくため、適度な運動で健康的になりたいと考えている人は、ぜひ参考にしてほしい。

スロージョギングのやり方と意識するポイント

スロージョギングは、姿勢を意識することが大切
スロージョギングは、正しいやり方で行うことで初めて効果が出る。まずは、スロージョギングの効果を得るために意識すべきポイントを解説する。

背筋をまっすぐ伸ばす

スロージョギングにおいて姿勢は重要だ。背筋をまっすぐ伸ばした姿勢をキープすることで、足を持ち上げやすく、スムーズに走れるようになる。その際、やや前傾姿勢を取ると、さらに足運びが楽になるので意識しよう。あごは少し上げて遠くを見るような目線にすると、のどが開いて呼吸がしやすくなる。

最初は意識できていても、続けているうちに姿勢は崩れてきやすい。慣れないうちは合間で姿勢を調整するとよいだろう。

歩幅は小さく、腕の振りは自然に

ゆっくり走るスロージョギングでは、歩幅を小さくするのがポイントだ。歩幅の目安には個人差もあるが、1歩が10~40cmになる程度とされている。歩幅が小さい分だけ足の回転がはやい。「リズミカルにジャンプしながら進む」とイメージすれば分かりやすいだろう。

歩幅を小さくしてゆっくり進むため、腕を大きく振る必要もない。腕を90度くらいに曲げてカラダの横に添え、足の動きと合わせて自然に振るとよい。

フォアフットで着地する

スロージョギングの大きな特徴の1つが、フォアフットでの着地だ。フォアフットとは足の指の付け根あたりのこと。

一般的に、歩いたり走ったりするときにはかかとで着地することが多いだろう。しかし、かかとでの着地は衝撃が大きい。その衝撃が、フォアフットで着地することで約3分の1に抑えられるのだ。そのため、カラダへの負担が少なくなって長く走れるようになる。

フォアフットの位置を知るには、その場でジャンプすると分かりやすい。着地するとき、最初に地面につくところが正しい着地ポイントだ。

隣の人と話せる程度のスピードで走る

スロージョギングの走るペースの目安は、「隣の人と会話ができるか」だ。一般財団法人スロージョギング協会では、このペースを「ニコニコペース」と表現している。

始めたばかりの人であれば、歩くようなペースで行うとよいだろう。継続することが重要であるため、慣れてからも無理にペースアップする必要はない。息が上がってきたら適宜ペースダウンしよう。

友人や家族と一緒に走る場合は「ニコニコペース」が掴みやすい。1人で走る際は、好きな音楽(スローテンポの曲だとなおよい)を聞きながら行うのがおすすめだ。

スロージョギングを行うメリットや効果

さまざまなルートを走ってみるのも楽しい
スロージョギングにはさまざまなメリットや効果が期待できる。ここではそのうちの3つについて解説する。

ウォーキングより効率的にエネルギー消費できる

スロージョギングとウォーキングは、一見すると同じ行為に見える。しかし、両者を比較すると、前者のほうが効率的にエネルギーを消費できるといわれている。

ある検証で、スロージョギングとウォーキングを共に時速4kmで行ったところ、前者のエネルギー消費量は5.9kcal、後者は3.7kcalという結果が出た。スロージョギングは、ウォーキングの1.6倍ものエネルギーを消費できるのである。

その要因は、持続的な運動をするときに活躍する筋肉、「遅筋」がスロージョギングによって鍛えられることだ。エネルギー消費量が多いということは、それだけダイエットにも効果的といえる。

カラダへの負担が少なく続けやすい

スロージョギングは、ランニングやジョギングなどと比べて足腰への負担が少ない。そのため、これまで運動をしてこなかった人でも続けやすいだろう。運動を始めても継続できないのは、慣れない運動にカラダがついていかず、モチベーションが下がることが理由の1つ。

また、カラダへの負担が少なければ、ケガのリスクも少なくなる。健康のために始めた運動でケガをするのは本末転倒であるため、まずはスロージョギングで運動できるカラダづくりをするのもおすすめだ。

慣れてきたら、ジョギングも取り入れてはいかがだろうか。

リフレッシュ効果が期待できる

息切れするほどのハードな運動は人によってはストレスに感じることもあるが、カラダがポカポカする程度の適度な運動は心地よい疲労感を生む。この心地よい疲労感にはリフレッシュ効果が期待できる。

スロージョギングによって全身の血行がよくなると、脳のさまざまな機能が刺激されて活性化につながる。目が冴えて、シャキッとした気分になるはずだ。

ほかにも、風景を眺めたり、仲間とおしゃべりしたりしながら楽しんで走ることは、ストレス解消につながる。

スロージョギングのデメリット・注意点

スロージョギングの前は入念なストレッチが欠かせない
メリットの多いスロージョギングだが、以下のようなデメリットや注意点もある。

「フォアフット」を意識しすぎるとふくらはぎを痛めやすい

スロージョギングの特徴であるフォアフットでの着地は、意識しすぎるとふくらはぎを痛めやすい。普段の生活で行うことの少ない独特な足運びであるため、慣れないうちはかえって足に負担をかけたり、クセがついたりする可能性があるのだ。

歩幅を小さくして走れば自然とフォアフットでの着地になるため、足よりも歩幅を意識するようにしよう。

オーバーワークになりやすい

スロージョギングはカラダへの負担が少なく、長時間続けることも可能だ。ただし、少ない負荷でも蓄積していけばケガにつながる可能性もあるため、オーバーワークにならないように注意しよう。

あらかじめ、スロージョギングを行う時間や距離を決めておくとよい。少しでも痛みが出たり、疲労を強く感じたりしたらすぐに休憩しよう。

周囲の視線が気になる

フォアフットで着地するスロージョギングは、独特な走り方になりやすい。そのため、周囲の人の目を引いてしまうこともあるだろう。

周囲を気にするあまりにフォームが崩れたり、精神的な負担になったりすることも考えられる。人が多い時間を避けて行うのも1つの手だ。

スロージョギングに関する疑問

お気に入りのシューズを見つければ、モチベーションアップにもつながる
スロージョギングという耳慣れない言葉に、さまざまな疑問を持つ人もいるだろう。ここでは、3つの疑問にお答えしよう。

室内でもスロージョギングはできる?

基本的にスロージョギングは屋外で行うものだが、工夫すれば室内でも実践可能だ。室内であれば雨の日に行ったり、ちょっとした隙間時間を活用したりできる。

やり方は、1・2畳ほどのスペースで、「6歩進んで3歩でターン」を繰り返すだけ。上から見ると8の字を描くようなかたちだ。ターンを入れたほうが、直線的に行き来を繰り返すよりも運動としての負荷が大きくなる。音が響く場合は、マットや座布団などを準備しよう。

スロージョギングの頻度は?

スロージョギングはカラダへの負担が少ないため、つい長く続けてしまいがちだ。オーバーワークになるのを防ぐためにも、時間や頻度を決めておく必要がある。

まずは、「1日10分程度」から始めてカラダを慣らすとよい。フォームやスピードに慣れてきたら、「1日30分 週3回」を目安にする。

その目安でしばらく続けてみて、カラダへの負担の有無で時間や頻度を調整しよう。

スロージョギングに適したシューズは?

スロージョギングで使うシューズは、底が薄く、かかと部分がぴったりしているものを選ぶとよい。かかと部分にクッションがなければ、かかとで着地する際に痛みを感じるため、自然とフォアフットで着地するようになる。

加えて、つま先部分に余裕があれば、着地の際にフォアフットを意識しやすい。自分でシューズを選ぶのが難しい場合は、ショップ(スポーツ用品店)の店員に相談しよう。

スロージョギングの効果的なやり方を意識して、健康なカラダを手に入れよう

スロージョギングで新しい健康習慣を
スロージョギングのやり方を押さえれば、ジョギングよりもカラダへの負担が少なく、ウォーキングよりも大きなエネルギー消費量を期待できる。そのため、これまで運動をしなかった人でも続けやすく、ダイエット効果もあるだろう。

しかし、正しいやり方で行わなければせっかくの効果も半減してしまう。健康なカラダを手に入れるためにも、効果的なフォームや注意点を意識して、自分のペースで挑戦してはいかがだろうか。