Vol.323

KOTO

22 MAR 2022

ドライフラワーの飾り方│基本をおさえてお部屋にアンティーク風の彩りを

花のある暮らしがしたいと思っていても、少し敷居が高く感じることはないだろうか。生花だとおしゃれな花瓶や活けるセンスが必要……と考えだすと、なんだか難しいことのように思えてしまう。そんな方には、ドライフラワーがおすすめだ。花の美しさを封じ込めたドライフラワーは、生花とは違った表情を楽しめる。水を毎日取り換える手間もなく、簡単な手入れで長く楽しめるので、ぜひインテリアに取り入れてみてほしい。 ここではドライフラワー初心者の方も楽しめる基本の飾り方や、初心者向きのドライフラワーの種類、飾る場所ごとのおすすめなど、ドライフラワーについて詳しく紹介する。

ドライフラワーの基本の飾り方

ドライフラワーの飾り方は難しくない。生花と同じように、花瓶にさしたり、壁に吊り下げたりと手軽に飾り付けられる。初心者におすすめの飾り方は以下のとおり。

花瓶にさす

ドライフラワーを花瓶にさしてシンプルに楽しもう
購入したドライフラワーの飾り方としてもっともシンプルなのが、花瓶にさす方法だ。活け方を難しく考える必要はない。ブーケになっているドライフラワーを購入すれば、アレンジせずとも花瓶にさして飾るだけでノスタルジックな雰囲気のインテリアになる。花瓶は写真のような白い陶器製のものか、アンティーク風のブリキや瓶などもよく似合うだろう。

リースとして飾る

色味を抑えたドライフラワーでも、リースなら華やかな雰囲気が楽しめる
輪の形に編み込まれたリースのドライフラワーは、壁に飾ったり、フレームスタンドに立てかけたりして手軽に楽しめる。カラーが豊富なので、季節ごとに違ったリースを飾るのもおすすめだ。春先に向けて、華やかなカラーで構成されたリースを玄関に飾れば、あたたかな春の訪れを感じられるだろう。

スワッグにまとめる

スワッグは小さな束を壁に吊るして楽しむ
スワッグとは、ドイツ語で「壁飾り」を意味する。花や枝つきの葉などをひもで束ねて作り、枝を上にして吊るして飾られるのが一般的だ。ヨーロッパでは浄化や魔除けのアイテムとして取り入れられているが、ナチュラルな雰囲気のインテリアとして日本でも人気となっている。

小さなスワッグをいくつか壁に吊るすだけで、素朴ながらおしゃれな雰囲気を楽しめるので、ドライフラワー初心者にも扱いやすいだろう。自分で好きなリボンやドライフラワーを選び、スワッグを作ってみるのも楽しい。

お手入れ方法

ドライフラワーは永遠に楽しめるものではない。お気に入りのドライフラワーを長く楽しむためには、きちんと手入れをする必要がある。高温多湿に弱く、ホコリも大敵となるので注意したい。

ドライフラワーは飾ったままにせず、ときどきホコリを取り除いてあげよう。直射日光は色あせの原因になるので避け、なるべく日陰に飾ると長持ちする。色が悪くなったドライフラワーは処分して、新しいものに交換しよう。

初心者にも扱いやすいドライフラワー

生花を吊るしておくだけでドライフラワーにできる
ドライフラワー初心者には、手入れがしやすく存在感のある花をおすすめする。これらは生花の状態で切り口の近くを軽く束ね、逆さに吊るしておくだけでドライフラワーにできるので、自分で作ってみたい方にもぴったりの種類だ。

ミニバラ

美しい花の代名詞ともいえるバラは、ドライフラワーにすることで色あせ、クラシカルな雰囲気へと変貌する。ミニバラなら小さくまとめてスワッグにするだけでも素敵だ。リースのアクセントとしても扱いやすく、初心者がドライフラワーアレンジメントを始めるのに最適だろう。ミニバラのドライフラワーは花部分のみを皿や瓶に乗せる飾り方もかわいらしいので、ぜひ挑戦してみてほしい。

スターチス

スターチスは鮮やかで多彩な花色がそろい、切り花としての持ちがよいため花屋では一年中出回っている。生花を購入し、そのままスワッグにして吊るしておくだけで、簡単にドライフラワーにできるだろう。色あせしにくいので、長く楽しめるドライフラワーだ。

ミモザ

ミモザは1月下旬から3月頃に開花する、明るい黄色い花が特徴の植物。ドライフラワーにすると少しくすんだ黄色が楽しめる。生花を少量の水で花瓶に活け、少しずつ水を蒸発させていくだけでドライフラワーになるほど、乾燥させやすい植物だ。スワッグにして吊るすか、リースとしてまとめれば、華やかな春の訪れを感じられるだろう。花が落ちやすいので、飾るときは下にクロスを敷いておくとよい。

ユーカリ

ユーカリは精油として使われるほどの芳香があり、観葉植物としても人気の植物だ。ドライフラワーにすると品のある雰囲気となり、そのままでも、ほかのドライフラワーと組み合わせても面白い風合いが楽しめる。花瓶にさしておくだけで、部屋全体がぐっと洗練されるだろう。

かすみ草

メインとなる花の引立て役として添えられることの多いかすみ草。小さな白い花はとても清楚でかわいらしく、単品でも十分な存在感を楽しめる。生花としての持ちもよく人気のかすみ草だが、ドライフラワーにすると茎が折れやすくなるため、ていねいに扱おう。小さくカットして束ねるのもよいが、生花からドライフラワーにしたい場合は1本ずつ吊るしておくと折れにくい。

ラベンダー

紫色が美しく、香りもよいラベンダーは、ハーブの女王として人気の植物だ。ドライフラワーをポプリにしたものも多く販売されている。生花を束ねて吊るすだけでドライフラワーにできるが、きれいに色を残したいなら難易度はやや高め。「作る」よりも「飾る」ことを優先する場合は、あらかじめ色付けられたドライフラワーを購入しよう。

そのほかにも、ケイトウ、紫陽花、コットンツリーなど、季節に合わせて少しずつ挑戦してみてはいかがだろうか。

飾る場所ごとに選びたい、おすすめのドライフラワー

ドライフラワーは花の種類や形状によって、多彩な表情を見せてくれる。インテリアにぴったりのドライフラワーを、おすすめの場所ごとに紹介しよう。

玄関に飾りたい、おすすめのドライフラワー

玄関にはぱっと明るいリースのドライフラワーがおすすめ
玄関には華やかなリースタイプがおすすめだ。鮮やかな色のドライフラワーリースを選ぶと、玄関のドアを開けるたびに明るく出迎えてくれるだろう。好きな色で季節ごとに交換すると変化を感じられ、日々の癒しにもなる。

リビングに飾りたい、おすすめのドライフラワー

花束では脇役になりやすいかすみ草も、ドライフラワーでは主役級アイテム
白い壁に、白いかすみ草のドライフラワーはいかがだろうか。かすみ草はほかの色鮮やかな花を際立たせるための脇役として人気の花だが、単体でも清廉とした少女のような美しさがある。さりげないナチュラル感を部屋に添えてみたい人におすすめのドライフラワーだ。

トイレに飾りたい、おすすめのドライフラワー

トイレにはシルバーリーフやガラスの花瓶がよく似合う
トイレに飾るなら、清涼感のあるドライフラワーをおすすめする。ユーカリやシルバーキャット、シルバーリーフなどを組み合わせ、ガラスの花瓶にまとめれば、たちまち爽やかな空間を演出できるだろう。ユーカリは生木から花瓶にさし、風通しのよいところで水を蒸発させるだけで簡単にドライフラワーになるので、ぜひ試してみてほしい。ラベンダーなどの香りがよいドライフラワーもよく合うだろう。

ドライフラワーは飾り方次第でいろいろな雰囲気が楽しめる

ドライフラワーは花の種類だけでなく、花色も想像以上に多彩だ。飾り方もリースやスワッグ、花瓶など、形状によってさまざまな表情を見せてくれる。季節ごとのアレンジも楽しめるので、お部屋のインテリアに合ったドライフラワーを探してみてほしい。ドライフラワーは造花とは違い少しずつ色あせていくものだが、永遠ではない時間の経過をゆっくりと味わってはいかがだろうか。