一人暮らしをするなら、おしゃれな部屋に住みたいと思う人も多いだろう。とはいえ、「おしゃれな部屋」と聞いて、どのような部屋を思い浮かべるかは人それぞれだ。一人暮らしでもおしゃれな部屋はつくれるのか、部屋が狭くてもおしゃれなレイアウトはできるのかなど、気になる点は無数にある。この記事では、一人暮らしのおしゃれな部屋づくりにおいて、どんなテイストのインテリアを選ぶ場合でも押さえておきたい基本の考え方を紹介する。
「おしゃれな部屋」とは?一人暮らしのインテリアはこう考える
この記事で紹介する「一人暮らし向けのおしゃれな部屋」とは、具体的にいうと「シンプルで飽きのこない部屋に、自分らしさをプラスした快適な空間」のことである。
部屋の中にモノが多くなれば、その分管理や掃除の手間が増える。家事を誰かと分担できない一人暮らしであれば、ゆったりとくつろぐ時間を失ってしまいかねないだろう。そんな一人暮らしでも身軽さと自分らしさを両立し、快適に生活していくためのおしゃれな部屋づくりを提案したい。
最低限のアイテムだから統一感を出しやすい
一人暮らしの場合、家具や家電は最小限の量に抑え、便利さを保ちながらもコンパクトに暮らそうと考える人は多いだろう。モノが少ないからこそ、近い印象のアイテムを組み合わせて統一感のある部屋をつくることは簡単だ。
たとえば、家具の色は床やドア、または壁と床の境目にある巾木(はばき)に合わせて選ぶとよい。さらに細かい部分でいえば、家具類の金属部分の色を合わせると、より統一感が出るだろう。色以外では、家具の角の形をそろえるのもおすすめだ。色が同じでも、角が丸いか角張っているかで印象が異なるもの。これから家具選びをするのであれば、できる限り統一したい。
部屋の部材や家具に統一感があると、それだけで洗練されたおしゃれな部屋にぐっと近づくだろう。シンプルな部屋づくりを心掛けることで、自分らしさをプラスする際もイメージをまとめやすくなる。
こだわるべきポイントは「部屋の主役」選び
一人暮らしを始めるための準備中、すてきな家具や雑貨を目の当たりにすると、せっかくなら一点一点こだわりのアイテムを選びたくなるだろう。しかし、部屋の中にあるすべてのモノが個性を主張していると、落ち着かない部屋になってしまうことはいうまでもない。
基本的にはシンプルで合わせやすい家具を選ぶようにし、「これは!」と思うおしゃれなアイテムだけをメインとして選ぼう。メインが決まれば、他のアイテムも選びやすくなるはずだ。
カーテンやラグは部屋の印象を決める
カーテンやラグなど、部屋の中で大きな面積を占めるアイテムは、部屋の印象を左右しやすい。あまりにちぐはぐだと統一感を損なう原因になるが、カーテンとラグはまったく同じデザインでそろえるより、同系色のものを選ぶほうがおしゃれな印象になるだろう。たとえばどちらかが柄物なら、もう一方は無地がベストだ。柄物は一点のみとし、色は同系色でまとめることで全体のバランスがとりやすくなる。
せっかくの一人暮らし。狭くてもおしゃれな部屋を叶えたい
一人暮らしするための部屋として1Kやワンルームなどを選ぶ人は多く、そうした間取りの部屋は専有面積が狭いこともある。だからといって、おしゃれな部屋づくりをあきらめる必要はない。ここでは、狭くてもおしゃれな部屋をつくるコツをお伝えする。
部屋全体の「開放感」が広さの演出に
視界が抜けて奥行きが感じられると、開放感のある広い部屋に見せることができる。部屋の広さは変わらないが、視覚効果をうまく利用すれば部屋を広く感じられることを覚えておこう。たとえば、部屋の中に背の高い家具があって視界がさえぎられると、人は部屋を狭いと認識する。そのため背の低い家具をメインに配置し、部屋の上半分に広く視界が抜ける部分をつくるのがポイントだ。
また、脚のついた家具を使い、床のスペースを広く見せるのも一つの方法だ。さらに、ガラス素材のアイテムやメタルラックのようなフレームだけのアイテムも圧迫感を感じさせないのでおすすめしたい。それ以外には、ダウンライトやスポットライトなど、照明の照らし方で部屋を広く見せることもできる。
家具の置き方にも注意しよう。開放感を得るためには、窓をふさぐような配置は極力避けたい。また、どうしても背の高い家具がある場合は、部屋の隅や壁際など、視界に入りにくい場所に置くようにしよう。
「フォーカルポイント」で遠近感を出して
フォーカルポイントとは、部屋の中で視線を集めやすい場所のこと。特別なアイテムが視界に入ることで、部屋に遠近感を出しつつ、おしゃれ感を演出できる。背の低い棚に観葉植物や小物などを飾るのもおすすめだ。ただし、小物を飾る場合には色選びに注意したい。部屋の中の色は、大まかに分けて4色程度に抑えられるよう選ぶとすっきりまとめやすい。また、アートやミラーなどを飾り、壁を利用して視線を高い位置に集めるのも、部屋を広く見せる効果がある。
小物やアートに存在感が足りないと感じる場合は、照明を工夫してフォーカルポイントをつくることもできる。床置きのスタンドでも、ダウンライトやスポットライトでもかまわない。対象のアイテムが周囲より明るくなるように光を集めてみよう。
視覚効果で「空間を増やす」こともできる
実際の床面積を変えることはできないが、「広い印象」にすることは意外と簡単だ。おすすめなのは、ミラー。大きめの姿見を設置するだけで、奥行きを広げることができる。また、大きなミラーを壁に掛ければ、部屋が1つ増えたような視覚効果をもたらす。
さらに、ミラーの設置場所にもこだわりたい。部屋に奥行きを出すためには、照明や窓からの光が映る場所に配置するとよいだろう。鏡をピクチャーフレームのように使って室内のアイテムを映し出す配置は、ハイレベルなテクニックではあるものの、部屋のおしゃれ度がぐっと高まるのでぜひ試してみてほしい。
部屋に大きいミラーを置きたくない場合やほかのもので代用したい場合は、音声アシスタント機能を備えたデバイスである「スマートディスプレイ」の壁掛けタイプのもので「窓」をつくろう。スマートディスプレイは気分によって映像が変えられるのが魅力だ。
1K・ワンルームのおしゃれなレイアウトにおすすめのプロダクト
ここからは、一人暮らしのための家具選びに迷っている人に向けて、空間づくりのワンポイントとして最適なプロダクトを紹介する。自身で選んだ「部屋の主役」のアイテムに添えることはもちろん、単体でも存在感のあるアイテムなので、部屋に配置するだけでおしゃれなイメージにしてくれるだろう。
TRE SIDE TABLE|DUENDE
TRE SIDE TABLEは、建築家がデザインしたシンプルかつシャープな印象のサイドテーブルだ。木材同士がパイプで固定されることで「結び目」のようになっており、建築的な構造を感じられるのが面白い。このジョイント材は「PIPEKNOT」と呼ばれるパーツで、組み合わされた3本の脚は角度によってさまざまな表情を見せてくれる。余計なものをそぎ落としたミニマルなデザインは安定的で使いやすく、仕上がりも美しい。どんな家具とも調和するため、お気に入りのソファーやベッドに添えたいアイテムだ。
TRE SIDE TABLE
22,000円(税込)
https://www.duende.jp/?pid=139644325
GRILLO LOW SHELF|moda en casa
GRILLO LOW SHELFは、すっきりと洗練されたシャープなラインが特徴の、メタルフレームのフリーシェルフだ。極限までシンプルにデザインされているため、モノを置いても視界が抜けやすく、部屋に圧迫感を与えない。LOWタイプは背が低く、一人暮らしのモノの量にちょうどよいだろう。収納家具としてはもちろん優秀なアイテムだが、ディスプレイシェルフにすればフォーカルポイントづくりにも役立つため、モノの量に応じてさまざまな用途で利用したい。
GRILLO LOW SHELF
¥81,400(税込)
https://www.modaencasa.jp/
anthem Mirror Hanger|市場株式会社
anthem Mirror Hangerは、ハンガーラックとミラーが一体になったアイテム。ミラー背面に洋服や小物をすっきりと収納しつつ、大きな姿見で部屋を明るく、広く見せてくれる。あわただしい生活の中でつい見えるところに掛けておいてしまうアウターやマフラーなども、収納するための場所があればきちんと片付き、おしゃれな部屋を保ちやすくなるだろう。背面の棚板には小物を直接置いてもよいし、カゴを活用してこまごまとしたモノを収納するのもおすすめだ。ブラウン・アイボリー・ナチュラルの3色展開なので、部屋に合うカラーを選べるのもうれしい。
anthem Mirror Hanger
\17,800(税込)
https://ichiba-web-store.com/?pid=143694864
一人暮らしの部屋は自分らしさとおしゃれの両立にこだわって
一人暮らしを始めることになると、こだわりのアイテムばかりを集めた部屋をつくりたくなるかもしれない。しかし、自分らしさだけを重視して家具を選んでいると、選んだアイテムごとのイメージにズレが生じる可能性がある。せっかくセンスのよいものを集めても、おしゃれにまとめられないことも。おしゃれな部屋は、おしゃれなアイテムを集めるのではなく、コンセプトをまとめることから始めよう。おしゃれな空間づくりの基本を押さえて、自分らしくおしゃれな部屋づくりを楽しんでほしい。
CURATION BY
3人を子育て中のフリーライター。趣味はフルート演奏。好きと楽しいを何より大切にしている。