Vol.43

FOOD

14 JUN 2019

世界最高峰の茶師による独自の製茶法。日本を感じるFUKUIKUとは

日常生活で口にする飲み物の代表格といえばミネラルウォーター、コーヒー、そしてお茶だろう。各社から様々なパッケージや趣向を凝らした珍しいフレーバーの商品が発売されている。これらを包括する清涼飲料水の市場では年間2,000以上もの商品が世の中に送り出されている。市場規模はなんと、3.5兆円から4兆円ともいわれており、一人あたりの年間消費金額は3万円以上というから驚きだ。
膨大な商品数。そこから自分だけのお気に入りを見つけるのは容易なことではない。定期購読しているビジネス雑誌でたまたまみかけた健康ブームに関連する特集記事。そこには世界中のオーガニック愛好家や、健康管理に高い関心を持つ起業家や経営者たちがこぞって日本茶を愛飲している…と書いてあった。我々の体は実に60〜70%もの水分で構成されていることは周知の事実。日々摂取するものが、いかに健康に寄与できるかは重要な選定基準の一つであろう。

ただし健康面を意識しただけでは世の中の消費トレンドに迎合している気がしなくもない。自分だけの特別な日本茶を飲んでみたいと思い情報を集めていると、見慣れない漢字をパッケージに配した商品を見つけた。それは世界で唯一の製法で作られているという実にユニークな日本茶、「FUKUIKU(馥郁)」だった。

調べてみると「FUKUIKU(馥郁)」とは、良い香りが漂うさま・香りが立ち込めるという意味。「馥(ふく)」は日常生活では見慣れない漢字だが、「かんばしい」「上品で穏やかな香り」ということのようだ。本来、郁(かぐわしい)は馥(かんばしい)に転訛した言葉で「魅力的」で「心を惹き付けるさま」という意味も持ち合わせる。日本茶を通じて人々の心を惹きつけていきたい…そんな想いがブランド名には込められているのだろうか。

世界最高峰の茶師が挑んだ、いまだかつてない製法とは

監修を務めた茶師の佐々木健氏は、世界緑茶コンテストで史上初となる最高金賞を2度受賞した茶師。日本最古の茶畑がある神社として、茶師の業界では知らぬ者はいないとされる、山王総本宮日吉神社の名誉茶師でもある。そんな佐々木氏が今回のブランドで挑んだのは非常にレベルの高い唯一無二な製法だった。
一般的な製法では本茶・茎・粉を5~6種類に分類するというが、佐々木氏はあえて難易度の高い、12種類に細かく分類する「十二微細分類製茶法」を採用。試行錯誤を繰り返した結果、独自の配合比率を見出し製品化に見事成功した。茶葉の旨味を最大限に引き出すためにはいかなる労力も厭わない。世界最高峰の茶師の高い技術とこだわりが感じられ、否が応でも飲んでみたい…という気持ちにさせられてしまう。

本物の味でありながら親しみやすい様々な工夫

先述の通りにブランドのコンセプトが込められた馥郁の「馥」の漢字をパッケージに採用。漢字が持つ日本古来の奥ゆかしさとオリジナリティ、そして最新のトレンドセンスを感じる。
ここまで本格的に味を追求したブランドであれば、茶葉はかしこまった茶筒に入り、急須で淹れる…そんなステレオタイプなイメージを持つ人もいるだろう。しかし、「FUKUIKU」は、正統派の茶葉のパッケージだけでなく、ティーバッグ中心のラインナップとなっており、自宅はもちろん出先でも本格的なお茶を愉しむことができるのだ。例えば水筒やタンブラーなどにティーバッグを入れて、お湯や水を注ぐだけで誰でも簡単に本格的なお茶を愉しめる。
格式を上げることで同時に人々が飲むためのハードルもあげてしまっては本末顛倒。誰もが飲みやすくする環境をつくることで、日本茶の魅力を多くの人に味わってもらう。そんなホスピタリティさえも感じられる。

FUKUIKUのラインアップ

現在「FUKUIKU」のラインアップは全7種類。それぞれの飲用シーンがイメージされているというので、好みにあわせて愉しんでみたい。

プレミアムライン(リーフ)

希少な国産茶葉のみをブレンドしたプレミアムライン。茶葉の質感が特別な時間を演出してくれそうだ。こだわりを持つ人であればまずこちらを試してみたい。「未来茶(煎茶)」

スタンダードライン・フレーバーライン(ティーバッグ)

毎日のお供に。全て一番茶(新茶)を使用したこれも贅沢なスタンダードラインは「煎茶・ほうじ茶・抹茶入り玄米茶」 リラックスしたい、一息つきたい時に。全て国産茶葉を使用した香り豊かなフレーバーラインは「湘南ゴールド緑茶・カモミールほうじ茶・桜緑茶」

今までの日本茶とは明らかに異なるユニークな風味

実際に購入したFUKUIKU(未来茶)を飲んでみる。色や香りは普遍的な印象。ところが口にした瞬間に目を丸くして驚き、思わず「あっ」と声をあげてしまった。お茶でありながら、まるで熟成されたダシのような「旨味」を感じたからだ。それは決して強すぎる主張ではなく、絶妙なタイムラグで日本茶独特の渋みが追いかけてくる。なんともバランスのとれた上品な味わいだ。これが茶師の佐々木氏が生み出した、世界で唯一の製茶法による極上の風味なのだろう。

伝統を未来へ紡ぐ「FUKUIKU」

FUKUIKUが提案するのは、日本茶を販売することだけではない。日本茶の歴史、文化、栽培、製造、流通なども含めて「日本独自の伝統文化」として位置づけ、日本人が日本茶に、そして日本の文化に誇りを持つきっかけづくりまで育み、伝えていくことを目的としているという。
しかし、世界中で日本茶が注目されている喜ばしい状況とは裏腹に、国内の日本茶市場は後継者不足などさまざまな要因により縮小傾向にある。看過しがたいこれらの問題解決への一助として、日本茶を通して日本の伝統文化を未来へ紡ぎたいという「FUKUIKU」。コンセプトのみではなく、高いクオリティを体感したからこそ今後の展開に注目し、応援したいブランドのひとつとなった。

FUKUIKU