Vol.303

FOOD

11 JAN 2022

0.1mmの野菜「ベジート」で、野菜の旨味や栄養素を手軽に摂取

一日に推奨されている野菜の摂取量は350gであることは、よく耳にするだろう。350gの野菜の量は生なら両手で3杯、茹でたものなら片手で3杯ほどと言われるが、仕事で忙しい日々を送っているとその量の野菜の摂取はかなり頑張らないと難しい。しかし、ビタミンやミネラル、食物繊維など生きていく上で必要となる栄養の供給源となる野菜はできれば毎日350g摂取したいところ。野菜を摂取することが苦とならず、美味しく楽しく野菜を楽しむことができ、野菜の栄養を簡単に摂取できるシート状の野菜「ベジート」を紹介したい。

通常の野菜よりも栄養が豊富

ベジートは、野菜をペースト状にして乾燥させてシート状にしたもの。材料は野菜と寒天のみで、食品添加物や化学調味料は使用せず、国際衛生基準であるFSSC22000を取得し、100%植物性の安心安全な食べ物である。アレルゲン28品目不使用で、高齢者や乳幼児など食事に制限がある方でも食べることができる。

左からだいこん、トマト、にんじん、かぼちゃのベジート

ロールパンと比較。左が約20cm四方の普通サイズ、右が約10cm四方のミニサイズ
ベジートは通常の野菜と同じg数を摂取した場合、倍以上の栄養摂取が可能だ。にんじんのベジートは通常のにんじんを食べるよりも、腸内環境を整え免疫細胞を活性化させる役割がある「食物繊維」が約16倍、目の機能や皮膚・粘膜の健康を維持する役割の「ビタミンA」、がんや生活習慣病予防の効果が期待される「α-カロテン」や「β-カロテン」が約7倍も摂取可能となる。かぼちゃのベジートの場合は食物繊維が通常のかぼちゃの13倍、だいこんの場合は26倍、トマトの場合は35倍も摂取できるというから驚きである。

60歳以上の女性で毎日普通サイズ一枚、男性で普通サイズ二枚を摂取すると一日の食物繊維不足分が補給できる量となっている。野菜を食べるよりも簡単に食べることができ、通常の野菜よりも栄養素が豊富なベジートだが、魅力はそれだけではない。

棄てられてしまう規格外野菜を使用

ベジートは傷があったり、変形していたり、大きさや色、形、品質などが規格に適合しないという理由で市場の流通規格に当てはまらない規格外野菜を使用して作られており、食品ロスを減らすことにも貢献している。農林水産省データによると、年間約600万トン以上もの規格外野菜が破棄されているそうだ。

本来ならば流通されるはずだった野菜が廃棄されている
さらに規格外野菜を定価で買い上げることで、農家の収入支援や過疎地域の雇用支援にも貢献しているという。生産者のみならず消費者である筆者も規格外野菜の廃棄に対しては首を傾げていたが、ベジートはそんな規格外野菜が捨てられることなく、姿を変えて、美味しくいただくことができる。

また、真空パックに包まれており、2年という長期保存可能な加工をしているため、災害時の食料の備蓄などにも役立つ。薄いシート状をしており場所を取らないため、緊急時に備えてある程度の枚数を自宅で保存しておくことも可能だ。生野菜と比べると、日持ちの差は歴然である。廃棄されるしか道がなかった野菜が長期保存できる野菜に生まれ変わることは、食料自給率が低いこの国にとっても、大きな可能性を与えていくだろう。

梱包された状態でも薄く、持ち運びや備蓄に便利

そのままでも食べられる

見た目は海苔のように薄く平べったく、厚さは0.1mmほどで、触ってみると海苔より若干固い。材料は野菜と寒天のみで作られているのだが、寒天を混ぜることでパリッとした食感に仕上げている。

とても薄いが強度もあり、しなやかに曲がる
柔らかくしたい場合や、使いやすい状態にする場合などは、霧吹きなどで全体に水をかけ、30秒ほど置いてから使用する。調味料等は一切使用していないため、そのままのダイレクトな野菜の味が楽しめる。

朝忙しい時でもベジートがあればのせるだけで野菜の栄養を摂取することができ、焼いたベーグルやトーストの上にバターを塗って、レタス、ベジート、スライスチーズを重ねればすぐに朝ごはんが出来上がる。少し余裕がある時にはアボカドやサーモンをのせ、クリームチーズなどをトッピングしてもよいだろう。トマトのベジートとバジルとチーズを合わせればマルゲリータ風、かぼちゃのベジートにカットしたバナナやイチゴや好みでクリームを乗せれば、栄養のあるフルーツサンドもすぐに完成。

そのままのだいこん・かぼちゃ・にんじんのシートを使用し、野菜の栄養素をたっぷり摂取
そのままを手でちぎったり、調理用バサミで細かくカットしたりしてサラダに散らしたりといった使い方もできる。彩りが足りない時にも便利だ。そのまま使えるので野菜を洗って皮を剥いてカットするという工程も省け、時短になり手軽に栄養が摂取できるのはうれしい。

巻いたり、溶かしたり、アレンジは自由自在

ベジートを少し湿らせて海苔の代わりにお米や好きな具材を包んで、おにぎりや巻きずしといった調理も可能だ。大根のベジートは海鮮巻きの海苔代わりはもちろん、好きなベジートで生野菜や海老やサーモンを一緒に包んで、チリソースをかけてベトナム風の生春巻きにも。カットすれば中身の具材とベジートの鮮やかな色が相まって、華やかな食卓になるだろう。

キムチや牛挽肉を合わせて、具材を引き立たせる黄色のかぼちゃのベジートを使って韓国風の巻き寿司を作るのもおすすめ 
熱を加えれば溶けるので、ヘルシーにたくさんの野菜の栄養を摂取したいときには、ベジートをスープにプラスする方法も。少し固い食感を楽しみたい時には、他の具材を煮込んだ後にベジートを刻んでクルトンのようにのせても良い。他の野菜を入れなくてもベジートでも十分な栄養が摂取できるため、水と牛乳とバター、味付けでコンソメなどを加えれば、野菜スープが簡単に出来上がる。寒天が入っているので少しのとろみがつき、食べやすく満足感も得られる。入れれば野菜のコクがアップするので隠し味にカレーに入れる方法もおすすめだ。

普通サイズのトマトのベジートを5枚ほどスープに溶かしてとろみのあるスープを作り、刻んだだいこんのベジートを乗せて完成
お菓子への汎用性もあり、寒天が入っているためゼラチンなど固める食材を入れずとも冷やせば自然と固まるため、水に溶かすだけでゼリーやジュレが完成し、牛乳と豆乳等を混ぜればパンナコッタ、プリンなども手軽に作ることができる。バニラアイスや牛乳、生クリーム、砂糖や好みのフルーツと混ぜてミキサーにかければスムージーにも。スムージーにしてしまえば野菜の味は気にならなくなり、栄養だけを手軽に摂取できる。

キャラメリゼしたりんごと、にんじんのベジートで作ったジュレ
また、ベジートをミルミキサーなどで粉砕し、密閉容器で保存しておけば、振りかけるだけで手軽に料理の際に栄養を加えられるのはもちろん、パンやクッキー、パンケーキなどに混ぜて焼くこともでき、ほんのりと色がついて華やかになるだけでなく、野菜の栄養も摂取できる。

一枚あれば、華やかな食卓に

簡単、自由に、野菜の栄養と旨味をプラスして
そのままで、溶かして、巻いて、砕いて。紹介した以外にもたくさんの使い方があり、既存のレシピに追加するのも、ベジートの固まる性質を活かしたレシピにするのも、可能性は無限である。ベジートは野菜それぞれが生まれながらに持つ色味を活かす独自の製法で作られており、着色料も不使用のため、色を活かしたレシピを考えるのも楽しいだろう。食欲をそそるカラフルな色味は、どんな料理に加えても食卓が華やかになり、目で見るだけでも楽しく、食事の時間がより有意義なものとなる。自分だけのレシピを集めていきたい。

味と保存性を両立するだけでなく環境や人にもやさしいベジートは、これからの食材のスタンダードになっていく可能性も。是非一枚手に取ってみてはいかがだろうか。

ベジート

5枚入り 各376円(税込)
ミニサイズ 各160円(税込)

https://www.vegheet.jp/