エスニック料理とは、を知る前に「エスニック」とは何かを考える
エスニックという言葉の意味
スパイスをふんだんに使用し、ただ辛いだけではなく甘味を調和させた料理が多い。スパイシーな香りに食欲がかきたてられ、複雑な味わいを楽しめる。また、見た目が鮮やかなものが多く、料理の盛り付けや食卓の華やかさにも目を奪われる。
エスニック料理の持つ独特の風味や味わいは、現地への旅気分を演出してくれるのだ。
エスニック料理には、主にタイ・インドネシア・ベトナム・インド・中近東付近の地域の料理が当てはまるが、日本でも身近なタイ・ベトナム料理に注目したいと思う。
エスニック料理が日本でブームとなったのは1990年代
また、エスニック料理には野菜やスパイスを使ったものが多いため「健康的」なイメージがある。ひとびとの美容や健康に対する意識の高まりもエスニック料理の人気を支えている。
エスニック料理の「健康志向」イメージ、はたして本当か
古来、スパイスの効果は先人の経験や知恵として語られてきたが、現代では学術的研究が進み、実際に効果が証明されている。例えば、カレーに使われるレッドペッパー(唐辛子)の辛味成分である「カプサイシン」は、脂肪の燃焼を助けることで身体を温め、代謝を促進することがわかっている。
ナンプラーをレシピに取り入れるだけで異国風味の料理に
ナンプラーとはどんな使い方のできる調味料?
特性を知っていれば、さまざまな和食や洋食のアレンジにも使える。醤油代わりに使うことによって、東南アジア風の創作料理を作ることもできる。ナンプラーを使って、食卓にエスニックのテイストを持ち込んでみてはいかがだろうか。
ナンプラーの風味が料理のアクセントに
春雨サラダ、たっぷり野菜とベーコンの炒め物、シンプルな青菜炒めなどに使うと、旨みが増して奥深い味わいになる。またガーリックシュリンプにナンプラーを加えれば、それだけでごはんのおかずやお酒のおつまみになってしまう。メインディッシュの下味にほんの少し加えて、いつもと違うアクセントの効いた料理を作ってみよう。
タイ料理といえば「エスニック料理の代名詞」
タイ料理といえば「パクチー」が欠かせない
「パッタイ」は人気のタイ風焼きそば
「パッタイ」の基本レシピ
(材料2人分)
材料は、ライスヌードル(3mm)150g、にんにく(みじん切り)2片、玉ねぎ(みじん切り)小1個、干しえび(みじん切り)大2、たくあん(みじん切り)大2、厚揚げ(短冊切り)1/3丁、えび6尾、もやし50g、ニラ(3cmに切る)1/3把、卵2個。
トッピングは、コリアンダー(ザク切り)ひとつかみ、クラッシュピーナッツ適量、ライム2~4切れ、クラッシュチリやチリソースをお好みの量。
パッタイソースの材料には、ナンプラー、砂糖(パームシュガーを使うと本格的)をそれぞれ大さじ2、そしてタイの定番フルーツ「タマリンド」のペーストを大さじ2、用意する。タマリンドペーストが手に入らないときは、梅干を叩いてなめらかにしたものや、レモン汁を代用しても良いだろう。
乾麺を2時間ほどぬるま湯に浸して戻しておく。茹でずに時間をかけて戻すことで、もっちりとした生麺風の食感を楽しめる。えびは皮をむいて背開きにし、ワタを取り除く。ソースの材料に100ccの水を加えて混ぜ合わせておけば、下準備は完了だ。
フライパンに油を熱し、まずはスクランブルエッグを作って皿に取り出しておく。続いてにんにくを炒め、香りが出たら下準備をしたえび、玉ねぎ、厚揚げ、干しえび、たくあんを加え、中火でじっくりと火を通す。
えびの色が変わったら強火にし、戻しておいた麺を加える。ここに約半量のソースを加えて、麺と具材を混ぜ合わせる。
火を止めて、もやし、ニラ、クラッシュピーナッツを加え、ソースの残りを回しかけながら余熱で和える。余熱をうまく使うのが、シャキシャキとした食感を残すコツだ。
お好みでコリアンダー、ライム、チリのトッピングを添えてできあがり。
揚げ春巻きやフォーなど、親しみやすい「ベトナム料理」
ベトナムの食文化は日本と似通っている
ベトナムの揚げ春巻き「ネムザン/チャーヨー」をおつまみに乾杯
「ネムザン」の具材は、豚ひき肉、キクラゲやもやしなどの野菜と春雨。中身に濃い味付けをせず、中華料理の春巻きと同じように、ライスペーパーに包んで揚げる。「チャーヨー」は、えびや魚などシーフードのミンチをメインにして、ライスペーパーで一口サイズに包んで揚げる。
地域によって多少の違いはあるが、どちらも「ヌクマム」と呼ばれるベトナムの魚醤とにんにく、酢、砂糖などを混ぜ合わせて作った特製のタレでいただくのが一般的だ。
ベトナムの国民食「フォー」
日本人の好みに合ったやさしい味なので、エスニック料理の辛さや独特の風味が苦手という人にもぜひ挑戦してもらいたい。
「フォー」の基本レシピ
(材料2人分)
材料は、フォー200g、鶏ガラスープの素大さじ1/2、スパイス(カルダモンパウダー、シナモンパウダー、ドライバジルのブレンドがおすすめだが、手に入らなければ赤唐辛子でも良い)、塩コショウ少々、ナンプラー少々。
具材は、ニラ(3cmに切る)1/2束、白ねぎの青い部分(小口切り)1本分、紫玉ねぎ(千切り)1/2、鶏肉(食べやすい大きさに切る)100g。パクチーやレモン・ライムはお好みで用意しよう。
フォーは袋の表示通りに茹でても良いが、柔らかく戻してから茹でることで、米粉特有のもちもち食感を引き出すことができる。ぬるま湯なら30~40分、水なら1~1.5時間浸しておこう。戻した場合の茹で時間は麺が透き通るまで。約1分だ。
水1リットルに鶏ガラスープの素、スパイス類を入れて煮立て、鶏肉、ニラ、白ねぎ、紫玉ねぎを加える。鶏肉にしっかりと火が通ったら、塩コショウ、ナンプラーで味を整える。ここでライムの搾り汁を加えておくと風味が増す。
茹でておいたフォーを器に盛り、スープを注いだら完成。お好みでパクチーやレモンを添えれば、さらに本格的なエスニック料理の味わいを楽しめる。