酵素玄米とは
酵素玄米は玄米に小豆と塩を入れて炊いた後、保温しながら3日程度熟成させたもののことを指す。3日保温し続けることから「寝かせ玄米」とも呼ばれる。熟成させることで酵素の働きが活発化し、旨味成分や栄養価が高くなる。
また、玄米より食べやすくなることも大きな特徴だ。玄米は、ぬか層や胚芽が残った精製されていないお米のため、パサパサして消化不良を起こしやすい。一方で酵素玄米は、もちもちした食感で噛むほど甘みとうま味を感じて食べやすくなる。さらに酵素が働いているため、胃腸の負担になりにくいといわれている。
酵素玄米の効果
まずは美容。小豆に含まれるポリフェノールや熟成で生じるメラノイジンには抗酸化作用があり、シミ・シワを予防してくれる。またオリゴ糖や食物繊維、カリウムはそれぞれ腸内環境やむくみの予防に効果的だ。
さらに酵素玄米は低GI食品でダイエットにも強い味方。低GI食品とは、食後の血糖値の上昇が緩やかな食品のこと。身体は白米など血糖値が上がりやすい食品を食べると、血液中の糖を細胞に取り込んで血糖値を下げようとする。この細胞に取り込まれた糖が脂肪の原因だ。低GI食品を選べば、血糖値が上がりにくいため取り込む糖の量が少なくなり、脂肪が増えにくい。
健康的な食材とされる玄米と小豆を一度に摂れる酵素玄米は、非常に体によい食品であるといえる。
簡単にできる酵素玄米の作り方
酵素玄米作りで用意するもの
● 小豆30g
● 天然塩3g
● ボール
● ザル
● 泡立て器
小豆は乾燥したもの、塩は天日塩などの天然塩がおすすめ。
1:材料を洗う
ボールに玄米と小豆、水(規定外)を入れて洗い、水を捨てるという工程を3~4回繰り返す。玄米は最初の水を吸収しやすいため、1.2回目の比較的汚れが多い水は素早く捨てよう。そうすることで、より美味しい酵素玄米に仕上がる。最後は玄米と小豆を全てザルにあげて、とぎ汁を完全に捨てて水を切る。
2:水と塩を加えてよく混ぜる
泡立て器を使って玄米の表面を傷つけることで、水が浸水しやすくなりふっくらと炊き上がる。ただしシャカシャカと勢いよく混ぜるのではなく、やさしく円を描くことを意識しよう。
3:浸水させてから炊飯する
そして大事なポイントが浸水時間。たっぷり6時間以上確保してから炊飯することで玄米が水分を吸収するほどもちもち食感になる。
夜のうちに浸水させておき朝炊き上がるようにタイマーをセットしておくと、効率よく準備できるのでおすすめ。21時に浸水を開始、6時に炊き上がるようにセットすれば炊飯に1時間かかるとしても約8時間浸水できる。炊飯器に「玄米モード」があれば、玄米モードで炊飯しよう。
4:かき混ぜて保温で熟成させる
熟成期間は乾燥させないことが、もちもち食感で美味しく仕上がるコツ。期間中は炊飯器の中で表面がしないように、必ず1日1回かき混ぜよう。清潔なしゃもじで上下をひっくり返すように大きく混ぜる。乾燥が気になる人はラップや濡れた清潔な布巾を表面にかけて蓋をすれば乾燥を防ぐことができる。
熟成期間は酵素が働く72~74度を保たなければならない。炊飯器の保温モードであれば適温で維持されるため安心だが、白米用の保温ジャーは推奨しない。白米用の保温ジャーは温度管理が難しく、お米が腐敗したり熟成に失敗したりするリスクが高くなってしまう。
2日目になれば香りが出てきて、以降時間が経つにつれてだんだんとお米の色が濃くなっていく。色の変化は熟成されている証拠。赤みが増して赤飯のような色になっていれば完成。玄米のクセが抜けて、もちもちの美味しい酵素玄米が出来上がります。
一方で3~4日保温し続けなければならないため、追加の炊飯ができない。熟成期間に食べる分のご飯は、事前に小分けにして冷凍しておくことよいだろう。
酵素玄米を作るときの注意点
保温期間中に混ぜすぎない
常温で保存しない
酵素玄米を5日以上保存したい場合は冷凍保存するとよい。なるべくよい状態で冷凍することで美味しさを維持することができる。
冷凍する際はラップを広げて酵素玄米を熱いまま乗せる。冷まさずに、熱い状態で酵素玄米を平たく広げ、均一な厚さにして包む。この際、なるべく薄くした方がムラなく解凍できる。粗熱が取れたら冷凍庫に入れよう。解凍はそのまま電子レンジ、蒸すなど好きな方法でOK。
加熱することで酵素の失活が気になるかもしれない。実際、加熱したら酵素は失活するが酵素玄米に含まれている栄養素は維持される。その栄養素は解凍程度の加熱では失われないので、冷凍を活用しても健康効果を得ることができる。