Vol.209

FOOD

16 FEB 2021

心も体も満足する。fruits and seasonのヴィーガンフルーツサンド

2021年1月、恵比寿駅から徒歩4分の恵比寿神社のすぐ側に、フルーツサンド専門店「fruits and season(フルーツ アンド シーズン)」がオープンした。色とりどりのフルーツをふんだんに使ったフルーツサンドは、見た目にもかわいらしく、自宅で楽しむのはもちろん手土産にもぴったりだ。しかも「fruits and season」は、動物性の食材を使用しない、ヴィーガンフルーツサンドのみを提供しているのだという。食の多様化が進むと同時に、食への意識が高まりつつある昨今。ヴィーガンフードをカジュアルに日常に取り入れることで、どのような変化が起こるのだろうか? 実際にオンラインショップから注文し、フルーツサンドを取り寄せてみた。

ひと時代前とは少し違う? 令和のヴィーガンフードが気になる

菜食主義にもいろいろあるが、ヴィーガンは完全菜食主義と訳される
近年、日本でもヴィーガンフードが盛り上がりを見せつつある。これまでも、ベジタリアンやヴィーガンといった菜食主義・完全菜食主義の文化はあったものの、ヴィーガン向けの加工食品などの取り扱いも、ヴィーガンの人口率が高い国と比べると非常に少なく、実践のハードルが高かった。実際に日本のヴィーガン・ベジタリアンの人口比率は、2019年12月の調査(第2回日本のベジタリアン・ヴィーガン・フレキシタリアン人口調査 by Vegewel)で5.7%と増えてきてはいるものの、いまだ低い水準だ。

ヴィーガンが一般的ではない社会でヴィーガンを貫くとなると、日々細心の注意を払わなければならない。筆者もヴィーガンではないが、牛肉と豚肉を極力食べない生活を2000年ごろから5〜6年ほど続けてみたことがある。いわゆる「フレキシタリアン」と呼ばれるもので、意識的に動物性食品を減らす食生活を実践した。かなりゆるいやり方であっても、当時は外食しに行くたびにメニューの選択肢がかなり少ないことに驚かされ、ヴィーガニストはなおさら大変なのだろうと感じたものだ。

そもそもヴィーガニストは、なぜヴィーガンを実践するのだろうか。その行動に移す起点は人によって異なり、必ずしも動物愛護の観点から実践する「エシカルヴィーガン」だと限らない。それ以外にも、健康への影響を考えてヴィーガンに転向する「ダイエタリーヴィーガン」、畜産による環境への悪影響を改善するために畜産品の消費を排する「エンバイロメンタルヴィーガン」などがある。このように多様化するヴィーガンの視点を知ることで、今まで見えてこなかった食の世界が見えてくる。

そこで再び日本でのヴィーガンフードの盛り上がりを見てみると、「ダイエタリーヴィーガン」や「エンバイロメンタルヴィーガン」の観点にアプローチしている印象を受ける。サスティナブルな社会を目指し、SDGsに取り組む世の中の方向性と、健康や環境に配慮したヴィーガンフードは相性が良いのだろう。

ヴィーガニストになるつもりは無くても、「健康に良いのなら」「環境を守れるのなら」という理由で、ヴィーガンではない人がヴィーガンフードを選ぶ機会も増えている。とはいえここまで盛り上がっている理由は、その質の高さとおいしさが最も大きな理由だと言えるだろう。ここにきて、ヴィーガンカルチャーが間口を開け、急速に進化している。

日本初のヴィーガンフルーツサンド専門店が恵比寿に登場

日本初のヴィーガンフルーツサンド専門店が恵比寿に登場
2021年1月、注目のヴィーガンフード店がオープンした。日本で初めてとなるヴィーガンフルーツサンド専門店、「fruits and season」である。クリエイティブディレクションをスタイリストの山脇道子氏が務め、そのハッピーで新鮮なヴィジュアルは、オープン前から多くの人々の注目を集めた。

店舗はテイクアウト専門で、ショーケースにずらりと並ぶ、色とりどりのフルーツサンドの中から選ぶことができる。オンラインサイトから購入し、お取り寄せすることも可能だ。

「fruits and season」の店舗内観
「本当においしいフルーツを、もっと気軽に楽しんでほしい。フルーツの魅力を、大切な人と分かち合ってほしい」という想いから生まれた「fruits and season」。自分用に買う以外に、ギフトや手土産としても活用してもらい、幸せと楽しさを感じてもらえるブランドを目指して誕生したそうだ。

そしてカロリーを気にせず、思う存分フルーツサンドのおいしさを楽しめるよう追求した結果、生クリームやパンに乳・卵を使用せず、通常のフルーツサンドよりカロリーを約1/3程度に抑えた、ヘルシーなヴィーガン対応のフルーツサンドが完成した。

安心・安全な食への意識が高まり、ヴィーガンの中でも動機やマインドは人それぞれであるように、食の嗜好の多様性も広がりつつある昨今。ヴィーガンの方も健康志向の方も、積極的に選びたくなるブランドだと言えるだろう。

熟したマンゴーを贅沢に食べられる、定番の「マンゴー」(1,350円~)
ヴィーガンフルーツサンドに使われているクリームは、豆乳ベースの自家製クリーム。パンはオリジナルの豆乳パンだ。フルーツサンド主役となるフルーツは、愛知・岡崎の青果店「ダイワスーパー」が扱う農家直送の新鮮なフルーツを使用。

毎朝厳選した本当においしいフルーツのみを仕入れ、フルーツをできる限り丸ごと使用し、フードロスにも配慮している。ひとつひとつ丁寧に手作りし、クオリティの高いフルーツサンドに仕上げている。

ここで気になるのが、そのお味である。

実際にオンラインショップで「季節のフルーツサンド(4個セット)」を注文することにした。

「fruits and season」で季節のフルーツサンドをお取り寄せ

「季節のフルーツサンド(4個セット)」(4,320円)
配送日当日、時間指定通りにフルーツサンドが届いた。パッケージは三角柱型で、2箱を組み合わせると四角柱になり、段ボールの中にぴったり収まる。ギミックが効いた設計で、届いた瞬間からワクワクと心が踊る。

フルーツがたっぷり入っているので、手で持つとずっしり重い
「季節のフルーツサンド」には、旬のイチゴサンドが2種類、ミックスフルーツサンドが2つ入っている。イチゴ同士の味比べも楽しめるだろう。

皿の上に置いただけで、食卓がパッと華やぐ。お好みの飲み物を用意して、軽食タイムをはじめよう
オンラインショップのメニューは「定番のフルーツサンド」と「季節のフルーツサンド」の2つのみ。いずれも4個セットとなっている。毎週月曜日に受付を開始し、注文するとその週の土曜日か日曜日に届けてくれるというシステムだ。これなら、人の多い街中に出て買いに行かなくてもOK。地域限定ではあるが、遠方の人にも贈ることができるのも嬉しい。週末家の中にいながら、ちょっと贅沢な気分を味わうことができるはずだ。

かわいくておいしい! ヴィーガンサンドを家庭で味わって

1度で色々な味を楽しみたいなら、半分に切ってシェアするのもおすすめ
実際に食べてみると、ジューシーなフルーツの果汁と生クリームの程よい甘さが口の中にじゅわっと広がる。大豆が原料だという生クリームが軽い口溶けなので、甘いのにさっぱり。パンもふんわりと柔らかく、パクパクと食べることができた。ヴィーガニストはもちろん、生クリームが苦手な方も、健康のために控えているという方も、おいしく楽しく食べられるだろう。

暮らしに“嬉しさ”を加えて

見た目にかわいらしく、フルーツ好き・スイーツ好きの心を掴む「fruits and season」のヴィーガンフルーツサンド。一般的にも人気なフルーツサンドのおいしさを、さらに追求した結果、健康に気を遣う人、環境への配慮を求める人にも受け入れられるフードに進化させた。今までは馴染みのなかったヴィーガンフードが身近になることで、豊かな喜びがもたらされるだろう。

fruits and season

住所:東京都渋谷区恵比寿西1-10-1 1F
営業時間:OPEN 11:00 - CLOSE 20:00
定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜に振り替え)

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