Vol.190

FOOD

11 DEC 2020

葡萄の品種から選ぶ、ワインのようなアラン・ミリアのジュース

近年、健康志向の高まりから飲酒を控える人が増え、ノンアルコールブームであるのは言うまでもない。心身の健康を保つために「お酒は飲めるけどあえて飲まない」を意味する「ソバーキュリアス(Sober Curious)」というムーブメントが海外では注目されており、「飲まない」ことがトレンドになっている。
加えて、ここ数ヶ月の自粛ムードで以前に⽐べ、飲酒の機会が減少した人は日本においては約半数とされており、アルコールに対する価値観や付き合い方が変わりつつある。あのワイン大国・フランスでも飲酒量が減った人は約30%いるそうだ。ちなみにフランス人は、日本人一人あたりの年間ワイン消費量の10倍の量を嗜むと言われる。そのフランスにある「alain milliat (アラン・ミリア)」というジュースブランドをご存知だろうか。アラン・ミリアの作り出す葡萄ジュースは、ただの葡萄ジュースではない。その魅力を紹介する。

徹底的にこだわり、採れたての葡萄の味わいを再現

無色透明な瓶に入っているため、ジュースの美しい色が際立つ
果樹園を営む家に生まれ育ったアラン・ミリア氏は、フランス・リヨン郊外オルリエナで果樹園を営む家に生まれ育ち、果樹園経営に長く携わってきた。「完熟フルーツをかじったときの感動をジュースにして伝えたい」という思いから、高級ワインに匹敵する品質のジュース作りを目指し、「アラン・ミリア」を設立。 果実それぞれの香り、テクスチャー、風味を独自の感性でひとつの作品に仕上げたジュースは、今ではフランスの4、5つ星ホテルのうち45%でアラン・ミリアのジュースが使われるほどの人気だそう。

1本330mlなので一回の食事で飲み切りやすい量である

アラン・ミリア氏は生産地や生産者にこだわり、産地を厳選。果実の特徴を適切に表現するため、ベストなタイミングで収穫をする。それはそれぞれの特徴が十分に発揮される時、つまり一年に一回だけである。さらにその年の気候条件の変化によって生まれる豊かな個性が加わる。ワインと同様に年によって違う風味とテクスチャーを味わうことができるのだ。収穫した後は、ワインの製法を参考にした葡萄の絞り方、絞り加減、濾過の仕方、糖度や酸度を分析し、すべてを素材に合わせて徹底的にこだわり、採れたての葡萄の味わいを再現している。もちろん香料や甘味料は不使用で、原料は葡萄のみである。

スタイリッシュでエレガントな佇まい

無駄を省いたシンプルでミニマルなラベルは、葡萄のみを使用している潔さを体現しているよう
品種によって味わいが異なる5つの種類の葡萄ジュースは、片手で持てるサイズの瓶ボトルに詰められており、穏やかで落ち着いた雰囲気のブラウングレーのラベルシールが貼ってある。アラン・ミリアのロゴは品格漂うホワイトで施されており、ジュースの色を引き立たせ、ボトルのアクセントになりながらも全体を綺麗にまとめている。

5本並べると、同じ赤・白の葡萄のジュースでも微妙に色が異なっているのがわかり、光が当たると繊細な色合いの液体が美しく輝く。高級感のある見た目のため、贈り物にもぴったりである。

品種で味わうジュース

「葡萄ジュース」という果実のカテゴリーではなく、さらに細分化された「葡萄品種」のカテゴリーで選ぶことができるのがアラン・ミリアの特徴である。

写真左からカルベネ・ソーヴィニヨン(ロゼ)、シャルドネ(白)、ソーヴィニヨン・ブラン(白)

フランス・ガイヤック産カベルネ・ソーヴィニヨン種を使用した「カベルネ・ソーヴィニヨン種 ロゼグレープジュース」は、果実を早期収穫し、軽やかな甘みを出している。透明感のあるオレンジがかったピンク色で、熟したベリーやレーズンを思わせる香りが楽しめる。

「シャルドネ種 白グレープジュース」は、スペイン・ラマンチャ地方のビオブドウ生産者がつくるシャルドネ種を使用し、心地よい酸味が特徴。香りが高く、透明感のある琥珀色で重量感のあるテクスチャー。

クリアなシャンパンゴールドの色合いが美しい「ソーヴィニヨン・ブラン種 白グレープジュース」は、フランス・ガイヤック産のソーヴィニョン・ブラン種を使用。繊細でフローラルな香りが特長で、甘みと酸味のバランスがよく、エレガントな仕上がり。

左からカベルネ・ソーヴィニヨン(赤)、メルロー(赤)
ガーネット色の「カベルネ・ソーヴィニヨン種 赤グレープジュース」は、フランス・ガイヤック産のカベルネ・ソーヴィニヨン種を使用。ふわっと広がるフレッシュな香りで、ほんのり芳ばしさを感じさせる。酸味は低めで、切れ味の良いすっきりした後味が特徴。

透明度がありつつも深みのある濃いルビー色の「メルロー種 赤グレープジュース」は、フランス・ガイヤック産メルローを使用。微かな苦みと香りが特徴。ぶどうを皮ごとかじったような渋みを持つ。躍動感あるフレッシュでリッチな香り。

先述した通り、材料は葡萄のみであるが、香料や添加物を使用しなくとも葡萄の果実の自然な味や香り、ナチュラルな風味をダイレクトに楽しむことができる。アルコールを含んだワインを飲んでいるときのように味覚が麻痺することもないため、食事の味に集中することもできる。

新しい選択肢を自発的に作ること、持つこと。アルコール以外にも最適な飲み物は存在する。

瓶からグラスに注ぐ時には、華やかな香りが部屋に広がる
毎日のようにアルコールを楽しんでいた筆者であるが、時代に乗っかって飲酒機会を減らし、さまざまなノンアルコールの飲み物を探していくうちにアラン・ミリアの葡萄ジュースと出会った。

アラン・ミリアのジュースを口に含むと、過去に訪れたフランスの田舎の葡萄畑の風景が自然と目に浮かんだ。目を覆うほどの太陽の強い光に照らされ、生命力に満ち溢れみずみずしく、今にも弾けそうなくらいの葡萄が連なっている映像が脳内を駆け巡る。そんな風味豊かなジュースはアルコールと同等かそれ以上の満足度があり、飲んでいるうちに今まで食事の際に無意識のうちに選択していた「とりあえずの一杯目のビール」という思考は、よく考えてみると少々短絡的で安易なのかもしれないと気づく。

仕事を終えて疲れた体に入れたい液体は、本当はビールではなかったのだ。疲れを忘れさせてくれるような芳醇な香りや、素材本来の甘み、さわやかな酸味のバランスが揃ったアラン・ミリアのジュースであった。自分でも目から鱗ではあったが、それほどにアルコール飲料と比較して遜色なく、アラン・ミリアのジュースは食事に合わせる飲み物の可能性を、一つ広げてくれた。

テーブルに彩りを添えてくれ、瞬時に華やかな食卓に

多様なシチュエーションで愉しめる

ワインのように濃厚なテイストなのでつい忘れがちではあるが、アルコール0%の葡萄ジュースなので、朝食にも、午後のリッラクスタイムにも、もちろん飲むことができる
事の一杯目は、程よい酸味のシャルドネ種の白グレープジュースを合わせたり、一人でゆっくり寛ぎたいときは、香りが強いメルロー種の赤グレープジュースに少しシナモンを加えて温め、ホットワインのようにして嗜んだり。休日はだらだらと映画を観ながら、切れ味のあるカルベネ・ソーヴィニヨン種の赤グレープジュースをチーズと一緒に味わったりと、その日の気分によって葡萄品種を選んで飲むのも楽しい。

種類と味の方向性がさまざまなアラン・ミリアの葡萄ジュースは、多様なシチュエーションに対応できる、まさにオールラウンダーである。

「本当は、アルコールを飲む気分じゃないかも」という時があれば、是非アラン・ミリアの葡萄ジュースを試してみてほしい。「アルコールじゃなくて良い」という強い肯定感をもたらしてくれるだろう。

alain milliat (アラン・ミリア)

https://alain-milliat.com/en/
864円(税込・編集部調べ)

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