かつて四季の移り変わりは今よりも明確に感じていたと思う。けれども木々の青さや花の香りに気付けた時代は遠ざかり、今では季節とはいつの間にか過ぎ去っていくものとなってしまった。もう一度、四季折々の自然を味わいたいのなら「枝もの」から始めてみるのはどうだろう。そして合わせる花器には Orné de Feuilles (オルネ ド フォイユ)の GLASS TUBE STAND(グラスチューブスタンド)をおすすめしたい。季節をよりダイレクトに感じられる枝ものを住まいに取り入れ、自然の息吹に触れてみよう。
見過ごした季節を住まいに取り戻して
気付けば春は過ぎ去って、初夏の季節がやって来た。外出した際にちらりと目にした梅や桜はとうに散っており、木々は青々とした葉を揺らし、太陽の眩しさは一層力強くなっている。
月日の流れの速さを切なく感じるのは毎年のことなのだが、そこには季節の移り変わりを意識せずに過ごしているという後悔も含まれている。忙しさの中、じっくりと四季折々に芽吹く植物に向き合える時間が取れなかったこと、季節の移ろいを見過ごしてしまったこと。
もし巡る季節を眺める時間が取れないのなら、室内で自然が与えてくれる恩恵を授かってみよう。季節の輪郭をより明確に教えてくれるのが、枝ものだ。花に比べ力強く野性味の強い枝ものは、つぼみが膨らみ、葉が瑞々しく揺れる様を描いてくれる。
その枝ものをより引き立ててくれるのが、Orné de Feuilles のGLASS TUBE STAND だ。しなやかな枝のラインと初夏の息吹を感じさせる枝葉や花を活かし、暮らしに鮮やかな彩りをもたらしてくれるに違いない。
飾ることの楽しさを教えてくれるGLASS TUBE STAND
洗練された審美眼でヨーロッパの空気を届けてくれる Orné de Feuilles は、2004年に東京・青山からスタートした。展開しているプロダクトはどれも「飾ることの楽しさ」を教えてくれるものばかり。住まいを自分好みに整えていくことの面白さ、お気に入りのものに囲まれて暮らす喜びを堪能できる。
今回ご紹介するGLASS TUBE STANDは、シンプルでありながら随所にこだわりが散りばめられている。フレーム部分であるスタンドは上部が丸形、下部が三角型と個性豊かなデザインだ。
スタンドから取り外しのできるガラスベースはリサイクルガラスを使用しており、気泡や傷、歪みなどが見られるが、それがより味わい深くさせている。フロントにはロゴが記されており、これがちょうど良いアクセントに。
スチールスタンドとの組み合わせで、ざっくりと無骨な印象を持つフラワーベースが、枝ものを飾ると柔らかさと温かさが滲み出て、植物を引き立ててくれる。枝ものを室内に取り入れるのは初めてという人に、ぴったりな花器と言えるだろう。
住まいに枝ものが与えてくれる、季節という存在感
誰しもカフェやレストランで大ぶりな枝ものが活けられているのを見て、そのダイナミックさに心惹かれたことがあるはずだ。しかしそれは大きな空間を持つ場所だからこそできるもので、スペースに限りがある自宅では難しいと感じる方も多いはず。
住まいに飾る植物の筆頭はやはり花で、フラワーベースは素材もサイズも様々なものが展開しており、特に小ぶりな花器は場所を選ばず、ほんの僅かな空間を華やかに彩ってくれる。
だがハードルが高いと感じられた枝ものも、Orné de Feuilles の GLASS TUBE STAND があれば、そこに活けるだけで絵になる風情を描いてくれる。また枝ものは花よりも愛でる期間が長いという魅力がある。
切り花は品種によって違いはあるものの、1週間〜2週間ほどで枯れてしまうことが多く、ふと気付いた時に花びらが散っていたり、萎れてしまっていたりと、切なくなることも度々だ。一方、枝ものは切り花に比べ寿命が長く、1か月以上も持つものもあり、長い間室内を彩ってくれる。
そしてバラやカーネーション、トルコキキョウなどの切り花は一年中を通して購入できるが、枝ものは季節によって購入できるものが限られている場合が多く、季節をよりダイレクトに感じられるはず。これまで見過ごしてしまった季節を味わえる枝ものと、ともに過ごす暮らしを始めてみよう。
季節を運ぶ枝ものを。シンプルに、ドラマティックに活けてみる
それでは早速 GLASS TUBE STAND を使い、枝ものを活けてみたい。このフラワーベースのために最初に選んだものが、ウンリュウヤナギだ。原産地は中国、ヤナギ科ヤナギ属の落葉高木で、ドラマティックに伸びた枝は雲の中を駆け巡る竜を彷彿とさせると言われ、雲竜柳という名で親しまれている。
ウンリュウヤナギはその枝ぶりのダイナミックさから、一本でも飾ると室内の印象をがらりと変えてくれる力強さを持っており、丈夫さも人気の理由のひとつ。枝ものと花器のバランスは、花器の長さ1に対して枝の長さが1.5〜2倍程度が好ましいとされているので、活ける場所を考慮しつつ、枝の長さを調節してみよう。
また枝ものを探していた際、フラワーショップでおすすめされた枝ものがアセビだ。ツツジ科アセビ属の常緑低木であるアセビは万葉集にも登場するほど長い歴史を持ち、枝ものを飾るのは初めてという人にも丈夫で扱いやすいという。
アセビは常緑なのでいつも瑞々しい葉を揺らし、室内に潤いをもたらしてくれるはず。また枝ぶりも真っ直ぐで置く場所を選ばず、存在感があるため部屋のセンターピースになってくれる。
枝ものの中でも華やかなものをディスプレイしてみたいという方にぴったりなのが、コデマリだ。これまでは庭や公園に植えられているものしか鑑賞したことがなかったが、フラワーベースに活けてみると、その洗練された美しさにうっとりと見惚れてしまうほど。
和風、洋風のどちらの雰囲気にも似合うコデマリは春から初夏を代表する植物とも言われ、どんなタイプのインテリアにも馴染みやすく、部屋を明るく華やかに演出してくれる。
コデマリは枝のしなりによって、大きく見せたりコンパクトにまとめたりすると印象が変わってくる。飾る場所に合わせてコデマリの存在感が光を放つような活け方を楽しんでみよう。可憐に咲く小さな白い花たちが、いつもは見逃しがちであった爽やかな初夏の風を住まいに運び込んできてくれる。
暮らしに寄り添う自然の息吹を取り入れて
季節の移ろいを植物から感じるのは、ある種の贅沢と言えるのかもしれない。春を象徴する優雅な花、新緑の眩しさ、情緒あふれる紅葉、葉っぱを落とした木々の凛とした美しさ。
だが足早に目的地の往復を重ねる日々を過ごしていると、植物の最も美しい瞬間を逃してしまうこともしばしばだ。そんな時は季節感あふれる枝ものを住まいに取り入れて、四季折々に見せる植物の生命の力強さを間近で感じてみよう。
一本の枝ものが室内にあるだけで、これまで外出をしなければ見つけることのできなかった季節の彩りや、それが変化していく様を眺めることができる。捉えにくいと感じていた季節というものが、実はすぐそばに息づいていたことを実感できるに違いない。
GLASS TUBE WITH STAND
CURATION BY
31年間暮らした英国から日本へ。海と山と川に囲まれた、小さな村での暮らしが始まりました。