スマートフォンの画面上で指を動かすだけで、どんなに遠く離れた相手にも言葉がすぐに届く。いまの時代はとても手軽に、そして効率的に言葉を交わせるようになった。だがデジタルな文字だけでは何かが足りないと感じる時がある。「伝える」ことが簡単になったからこそ、言葉が届くまでのプロセスに贅沢さを味わえるカードが、マジックフラワーだ。贈る側には伝える喜びを、受け取る側には花が開きメッセージが現れる驚きを。大切なあの人に、デジタルと肉筆の間に生まれた言葉と時間を贈ってみたい。
デジタルからこぼれ落ちる想いをカードに
長い文章や日記を始め、手紙やカードにさえ文字を自ら書かなくなって随分と時間が経つ。日常の中で走り書きのようなメモをとることはあるものの、最後に気持ちを込めて文字を綴ったのはいつのことが思い出せないくらいで、同様に誰かから手紙をもらうことも絶えている。
そうかといって誰とも連絡を取り合わないわけではなく、むしろ以前よりも頻繁にSNSを通じて友人とやり取りをしている。「元気?」という問いかけや、「ありがとう」も「おめでとう」も、短い言葉やスタンプで済ませられるし、自分や相手がどこにいようと瞬時にメッセージが届けられる。
そんな便利な時代では、肉筆で綴った文章は重たく感じてしまうし、自らの内面をさらけ出しているようで照れくさい。だがデジタル上で送ったメッセージは記憶に残らないことがあるのも事実。
メッセージを送ったことは覚えていても、それがどんな内容であったかを忘れている。肉筆ではなくフォントで綴られた文字は綺麗で見やすいけれど、誰が送っても同じものになってしまう印象だ。
自分の筆跡で想いを綴るには大仰に感じてしまうが、そうかといってデジタルでは味気ない。その隙間にちょうどよく寄り添うものが、Jurianne Matter(ユリアン・マター)のマジックフラワー。 それは気持ちを込めた言葉が相手に届くまでの「時間」を贈るカードなのだ。
書いて折り、浮かべて眺める。体験型グリーティングカード
誕生日や記念日、あるいは感謝の言葉を送るためのグリーティングカードは数多く存在するが、Jurianne Matterのマジックフラワーは送り手がメッセージを添えたカードを折り、受け取り手が水に浮かべてカードとメッセージを眺めるという斬新なアイデアを用いている。
Jurianne Matterはオランダのヘルダーランド州北部、アイセル川沿いにあるズトフェンの出身で、アムステルダムでインテリアデザインを学び、IKEAのスタイリストなどを経て2008年に自身の名を付けたデザインスタジオを設立した。
彼女の作品はアムステルダム国立美術館をはじめ世界30か国以上のショップで展開されており、オランダ政府と連携したスタイリングコンサルティングや企業とのコラボレーションなど多くの分野で活躍している。
Jurianne Matterのプロダクトで特徴的なのは、自分で作る紙の花束やツリー、メッセージカードや水に浮かべるボートなど、使う人が自らの手で完成する喜びが含まれている点だ。「美しいものは、自らをより幸せな人間にし、人生に栄養を与えてくれる」 というモットーは彼女のすべてのプロダクトから感じることができるだろう。
贈り手と受け取り手、二人で完成させる物語
このカードを贈るのは、付属の小さな紙に相手への気持ちを綴るところから始まる。長い文章を書く必要はなく、シンプルに今の想いを連ねてみたい。伝えたい言葉がきっと相手に伝わるはずだ。
メッセージを綴る時間、そして花びらを折りたたんでいる最中には、きっと贈る相手の顔を思い浮かべ、伝えたい気持ちが心に浮かぶはず。そのひと時こそが相手への大切な贈り物となるに違いない。
そしてこのカードを受け取った人は、説明書通りに水を張ったお皿を用意して欲しい。そこにカードをそっと浮かべ、30〜40秒ほど待つと、花びらとおしべがゆっくりと開き始め、中に隠されたメッセージを見つけることができる。
花が開き、想いのこもったメッセージを読むまでのその時間は、日常を少しの間忘れさせ、お互いを思う気持ちが溢れた穏やかな時間となるだろう。また花が完全に開いたら、水を入れた器からそっと取り出し、丁寧に乾燥させるとそのままの形で残しておくことができる。
カードの中に収められた言葉は短くシンプルなもの。けれど水の上で紙の花が開くという新鮮な体験とともに刻まれたその想いは、長い文章やデジタルの言葉よりも記憶の中に浸透していくに違いない。
離れていても、隣にいても。言いづらい気持ちを花に添えて
Jurianne Matterのマジックフラワーは、贈る相手によって、また離れている距離や送る状況によって様々な効果を発揮する力を持っている。例えば久しく会っていない友達には、何となく言葉をかけづらいもの。「元気にしてる?」「近々会いたいね」と一言添えてカードを送れば、花が開く時間がこれまでの距離を縮めてくれるかもしれない。
また幼い頃には素直に言えた家族への感謝の気持ち。肉筆では照れくささが勝ってしまうその言葉も、花の中に閉じ込めてみれば想いは充分に伝わるはずだ。そして傍にいることが当たり前になっているパートナーにも、時には言葉にして気持ちを渡してみよう。開いた花にシンプルな言葉が現れる瞬間、二人にとって新しい特別な時間が動き出すだろう。
郵送で送る場合、距離を超えて相手を身近に感じることができるマジックフラワーは、一緒に暮らす相手に送っても、お互いにとって新しい体験となる。例えば喧嘩してしまった翌日、上手く言葉で言い表せない時は、このカードを贈ってみれば仲直りのきっかけとなるだろう。
ゲストが来た際にテーブルコーディネートのひとつとして使っても良いし、誕生日や記念日のプレゼントに添え、おめでとうの気持ちが花開く瞬間をともに過ごしてみるのも良い。相手に対する想いを表すものとして、マジックフラワーを一緒に体験してみたい。
伝えることをもっと自由に、新たな体験に
デジタル化の中で私たちは随分と効率的に思いを伝えることができるようになった。指先を軽く動かせばすぐに言葉が発せる時代に、自らの筆跡で思いを綴ることは億劫さや重たさといった感情を抱きがちだ。
だが言葉を贈る相手を考えカードを選び、綴る言葉を考えるという、親密な時間までもが効率さの前に消えてしまったかのようにも感じる。Jurianne Matter のマジックフラワーは、書く側にも、受け取る側にも「ちょうどいい」距離感を提案する体験型のグリーティングカード。「書く」ハードルを下げ、受け取る側に重みを感じさせることもない。
花が開き言葉が伝わるそのひと時は、しばし思考を緩め、緩やかな時間の流れが感じられる。伝えるための道具ではなく、贈る相手の時間に静かに溶け込む体験として、マジックフラワーにあなたの想いを添えてみよう。
Jurianne Matter マジックフラワー
CURATION BY
31年間暮らした英国から日本へ。海と山と川に囲まれた、小さな村での暮らしが始まりました。