Vol.689

MONO

23 SEP 2025

インテリア雑貨メーカーの旗艦店・DULTON自由が丘店で、今より生活を豊かに面白く

1988年創業のDULTON(ダルトン)は、「誰もが使うあたり前に在る道具、身の回りのひとつひとつを今よりもっと面白くすることで『道具を愉しむ、もうひとつの豊かさ』を提案」するインテリア雑貨メーカー。「FOR EVERY NOOK AND CORNER OF YOUR HOME.」(あなたの家の隅々まで)のキャッチコピー通り、ポストカードやステッカーといった小物、文具から、キッチン用品、バス・洗面用品、そして大きなシェルフやゴミ箱まで、ありとあらゆる生活雑貨、家具の製造・販売を行っているDULTON。どの製品も実用性が優れているのはもちろんのこと、「異国感」や「ヴィンテージ感」、「非日常感」など、ちょっとした「面白さ」や「深み」が含まれているのが特徴的だ。そんなDULTON製品をイッキ見できる、メーカー初の旗艦店が東京・自由が丘にある。今年で誕生9年。店長の山口恵里さんとプロモーションチームの藁谷聴さんにお話をうかがいながら、DULTON自由が丘店と「DULTON」というメーカーのそのものの魅力を探っていく。

まずはぐるっと店内を1周

DULTON自由が丘店・外観
自由が丘駅から徒歩およそ5分。東急大井町線の踏切近くにある、ツタが絡まる地上4階のビルが「DULTON自由が丘店」だ。まず目に留まるのは、店頭に並べられたカラフルなゴミ箱「PLASTIC TRASH CAN」シリーズ。まるでアメリカンハウスの庭先にありそうなフォルムだが、実はDULTONオリジナルの製品。98年の発売開始以来、現在まで売れ続けているロングセラー商品だ。

また入口には、ミニチュアサイズのダストボックスが手に入るカプセルマシンも。空のカプセルを捨てるゴミ入れも、ちゃんとミニチュアと同じものだ。

カラフルでフォルムもお洒落な「PLASTIC TRASH CAN」シリーズ

こちらはDULTON直営店の他に全国のカプセルトイ売り場でも販売中
1階に入ると、「シーズンごとの商品や、今のシーンにあったものを取り揃えています」と店長の山口さん。この日はアメコミをモチーフにしたプレイングカード(トランプ)やピンズにメジャー、マスコットキャラクター「DULTON BOY」のフィギュアや、夏にピッタリ、ねじって折り畳めるうちわ「POP-UP HAND FAN」などが所せましとズラリ。また、もうひとつの入り口近くには、大小さまざまなお皿やカトラリー類が整然と並ぶ。そしてすぐそばには「リーディンググラス」が並べられている。

1階入口付近

1階中央入口付近

リーディンググラス

「いわゆる老眼鏡なんですけど、これだけたくさんのデザインと度数の選択肢があって、1650円~という価格のものは他にあまりないのでは。年をとってくると朝と晩で度数が違ってきたりもしますし、もし壊しちゃっても比較的安価だと思うので、ショックは小さいはず!よくプレゼントにも喜ばれるアイテムです」(藁谷さん)

高い天井の1階には他にも、家具類、食器類やキッチン、お風呂などの水回り用品など、ライフスタイルに寄った商品が多数取り揃えてある。

「午前中は日の光も結構入ってきて明るいので、1階にはクリーンなイメージの商品を多く取り揃えています」(山口さん)

「DULTONって、取り扱ってる商品のカテゴリーがめちゃくちゃ広いんですよ。家具もあったり、キッチン系もあったり、こうやってリーディンググラスがあったり。なので、生活する中で必要なものはある程度網羅できるように、多種多様なカテゴリーで分けつつも、お客様のニーズによってさまざまなライフスタイルをご提案したいと思っています」と藁谷さん。

中2階へ上る階段から見た1階
中2階へ上る階段の途中にも商品がズラリ。「夏休みの前後は恐竜モノの需要が高まるんですよね」と藁谷さんが教えてくれたのは恐竜のポスター。中2階には、ミニチュアのゴミ箱やカゴ、文具などの小物類。奥には独自のアパレルシリーズ「DTN」が並ぶ。

恐竜の化石が描かれたポスター

恐竜シリーズの小物

中2階
2階へ上ると、こちらの売り場は家具がメイン。DULTONの代名詞ともいえるMETAL PRODUCTSのシリーズは、角がなく、色味が統一されているところが独自のお洒落らしさを醸し出している。


無骨でインダストリアル感があるが、角の丸みが優しいチェストやキャビネット

「目立ちたくはないけれど、一目置かれたい」。インテリアに程良い主張を与えてくれるブリックブラウンのカラーも
藁谷さんいわく「これらのチェストやキャビネットは『100年愛せるプロダクト』をテーマにしていて、古くなったから買い替えるのではなく、ちょっとした傷やエイジングも味として楽しんでいけるような商品になっています」とのこと。

家具の他にもちょっとしたフックやドアの取っ手なども販売されており、どのアイテムもオシャレでクール。部屋に取り入れれば、今よりワンランク上の家になること間違いなしだ。

2階部分
ビルの3階は現在ショールームとスタッフルームになっており、4階(屋上)へ上がるとそこは、BOTANY(ボタニー)と呼ばれるガーデンツールと植物の売り場。ユッカやサボテンといった植物の他に、石や土も販売されており、ドライガーデン造りに役立つ道具が満載だ。ここからは自由が丘の街が一望できるので、買い物の休憩場所としても最適。ちなみに販売されている植物は耐寒性の強いものが多く、一度庭に定着すれば、東京近郊でも比較的ラクに育てられるのだそう。

TONE STONEと銘打たれた石も1つから販売中

乾燥に強いユッカたち

ガーデングッズを取り揃えた小屋も

DULTONってどんなメーカー?


店内を一周したところで、改めて山口さんと藁谷さんにDULTONというメーカーについてのお話をうかがう。DULTONの創業は1988年、もともとは海外の雑貨を輸入する卸売業がメインで店舗もなかったが、1999年に初のお店が「しれっと」できたという。

「代官山にあった事務所の1階が空いたので、じゃあ出店してみるかということで『ZAPADY-DOO』というお店ができたんです。ただ、大々的に宣伝したわけでもなく、本当に好きなことの延長という感じで誕生しました」(藁谷さん)

そこから経営体制の変更やスタッフの入れ替わりがありながらも、DULTONには変わらない核となる部分があるという。

「さっき見ていただいたキャビネットなどのMETAL PRODUCTシリーズは創業早期から作っていて、DULTONの真ん中にある商品です。でも、それ以外の商品に関して『これは作っちゃダメ』みたいなルールはなくて、『これがあるなら、これも作ってもいいよね』って次々と作っていくうちに、商品の幅がすごく増えたんです。

ただ、時代ごとにさまざまなトレンドとか空気感、色使いなどがある中で、扱う商品のカテゴリーの幅が広いDULTONが大前提にしているのは『道具を楽しむ』『もうひとつの豊かさを提案する』ということ。ファニチャー、ハウスウェア、ガーデン、キッチンといったさまざまなシーンで、気付いたら『あれ、これってDULTONのじゃない?』ってスッと入り込めるような商品や、便利ではないかもしれないが、心を豊かにしてくれる商品を作り続けています」(藁谷さん)

アイボリーのチェストやキャビネット
たしかに、置いてある家具や雑貨にアメリカンな風味は感じるけれど、アメリカンだけには留まらない。80'sの香りがするアイテムもあるけれど、そこだけには留まらない。では、DULTONらしさとは何なのだろう?

「たしかに、ジャパニーズな感じよりは海外に対する憧れはスタッフみんなが持ってますね。でもアメリカンだけじゃなくて、例えば色使いやアールの利かせ方とかにはヨーロッパのテイストも取り入れてるし、かと言って海外のどこかと言われるとどこでもない。それがDULTONなんです。

そういう空気感があるのは、この自由が丘店だけではなくって。例えば南町田にある『DULTON FACTORY SERVICE』という店舗は、すごくいなたいガレージ感が満載なんですけど、そんな中にちょっとだけ『外し』でヨーロッパらしさを出していたり。DULTONのスタッフはみんな、そういうバランス感覚を持っていて、細かい部分までは一緒じゃなくても好きな傾向が近いと思いますね」(藁谷さん)

1階中央
では、そんな独自の空気感を持つ店舗の中でも、旗艦店である、この自由が丘店の位置づけは?

「DULTONは他にもいくつか屋号を持っていて、それぞれ何店舗かあるんですが、DULTONと言う屋号の中で一番規模が大きくて、アクセスもいいのが自由が丘店です。なので、DULTON全体で何かを発信する時は中心になることが多い店でもあります。感度が高いお客様もたくさんいらっしゃるし、海外のお客様もたくさん訪れますので、チャレンジングなこともたくさんしています」(山口さん)

そんな中でも転機となる出来事が2020年にあったという。

「以前はGROCER’S STANDと言うコーヒースタンドが3階に併設してあったのですが、そちらは惜しまれつつも閉めることになり、そのタイミングで売場づくりを見直すということになって、コンサル会社さんに入っていただきました。それまではレイアウトの基礎知識もあまりなく、各スタッフがそれぞれでこだわりを持ってやっていて、ある意味では『素敵すぎた』というか、攻めすぎていた部分もあったのですが、お客様に不親切な部分もたくさんあって。

それを機に、什器やディスプレイを変更したり、尖りすぎていた部分をお客様に寄り添うかたちに変えたりしました。そうすることで、来てくださるお客様の層も広がりましたし、これまでのコアなDULTONファンの方々と同じくらい、新たにDULTONにハマってくださる方も増えたように感じます」(山口さん)

「MAGNETIC SOAP HOLDER」

DULTON自由が丘店で一番のヒット商品は?

そんなDULTON自由が丘店で、これまで一番売れている商品がこの「MAGNETIC SOAP HOLDER」。固形せっけんに金属パーツを差し込み、磁石で取り外しが可能になるというもの。通常のせっけん置きだと溶けてベタベタしてきたり、台にくっついたりしてしまうことも多いが、これを使えば清潔な状態を保てるという優れもの。

せっけんの「持ち」も良くなる上に、掃除がラクになるということで、2012年の発売以来、年に3000個以上売れるロングセラー商品だそう。最近は高級な固形せっけんのユーザーも増えている中で、このホルダーはお手頃価格で、おみやげやギフトにもピッタリだ。

まるでロボットのようなキッチン用はかり「CLASSIC GENTLE SCALE」
他にも、DULTONには長くヒットが続き、10年20年と使っていけるエバーグリーンな商品がたくさんある。ではなぜDULTONのアイテムはダサくならないのですか?

「DULTONの商品って、流行りを追わないから色あせないんです。『今あれが流行ってるから作ろうぜ』なんてことをしていると、一過性のもので終わってしまうし、開発して生産している間に流行が終わってしまう。

先ほどもお話したように、DULTONはこれといったテーマ性を持つよりも、開発部署のテンションとかバイヤーの感性に刺さったもの、あるいは社内のムードで新商品を作っているんです。だから、ずば抜けて売れるものというよりも、昔からまんべんなく売れていて動向が落ちにくい、そういう商品が多いんだと思います。

初めに店頭で紹介したリーディンググラスも、最初はDULTONくらいでしか見かけなかったんですが、今ではいくつかのメーカーさんが取り扱うようになってきて、それだけウチが発信したものの認知が広まったのかもしれないと思っています。流行を追うくらいなら、流行を生んでしまった方がいいよねって(笑)」(藁谷さん)

単品でもかわいいが、揃えて並べるとより可愛らしさが増す「GARBAGE CAN」シリーズ
最後に、来年でオープン10年を迎えるDULTON自由が丘店の展望については?

「自由が丘という立地は都心からも郊外からもアクセスが良くて、海外のお客様を含めていろんな方が来てくださいます。そんな中で、どのようなお客様に対しても、まずはお店に入った時に与えるインパクトを大事にしたいと思っていて、『ここじゃないと味わえない異世界感、非日常感』というのがいつ来ても味わえる、ずっと続くというのを意識してお店作りをしています。

私も、最初に来た時からずっとこのお店にインパクトがあったんです。天井も高いし、壁や床、内装も普通の雑貨店とは違いますし、ディスプレイも他のお店とは違っていて。そういう、どんなお客様がいらしてもずっと印象に残っているようなお店でありたい、という気持ちは大事にしています。

最近は海外からのお客様がよくDULTONの商品を購入してくださって、SNSに写真を上げてくれる方が多くて、これまで意図していなかったところ以上にDULTONの間口が広がっているのを感じます。なので、よりワールドワイドにも広がるお店になるといいなと思っています」(山口さん)

DULTON自由が丘店で、あなたの生活をより面白く

時代や流行に流されず、創立当初から変わらずに生活を楽しくしてくれる商品を作り続けながらも、同時に新たな挑戦や進化もし続けるインテリア雑貨メーカーDULTON。そんなDULTONの旗艦店に、ぜひ足を運んでみて、生活をより豊かに、面白くしてみてはいかがだろう?

DULTON自由が丘店

東京都目黒区緑が丘 2-25-14
03-6421-4875
11:00~20:00
定休日:木曜日
https://www.dulton.jp/stores/jiyugaoka

DULTON直営店舗・オンラインショップでは、2025年10月13日まで「100 WORN OUT PRODUCTS」キャンペーンを実施中。6,000 円以上のお買い上げでノベルティをプレゼント。

詳細は↓
https://www.dulton.jp/onlineshop/pages/100WORNOUTPRODUCTS.aspx

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