Vol.653

MONO

20 MAY 2025

おろしたての新鮮さを食卓に。irogami ひとひらのおろし金

料理に欠かせない味の決め手となる薬味。これを加える際、面倒だなと思うのが「すりおろす」作業ではないだろうか。その億劫さを払拭し、新鮮な食材をその場で味わう喜びに変えるツールが「irogami ひとひらのおろし金」だ。119年という長い歴史を持つtsuboe(ツボエ)が生み出した華やかなおろし金でテーブルを彩り、おろしたてのフレッシュな芳香を堪能しよう。

手軽さよりも新鮮さを重視して

調理をしている時はいつも時間に追われ、出来る限り手早く効率よくしようと心掛けるのが通例だ。冷凍食品やインスタントのものはなるべく使用しないようにしようとするものの、最後のひと手間でつい手を抜いてしまうことがある。

そのひとつが『すりおろす』作業で、生姜やニンニクなど、フレッシュな食材の方が美味しいと感じていても、すりおろすこと自体が面倒に感じられ、更におろすために食材の皮を剥いたり、使用後にすりおろし器を洗うことを考えると、つい市販のチューブのものを使用してしまう。

手軽で便利なチューブの薬味は調理の時も食事中も欠かせない存在となっている

また、他の理由として現在使用しているすりおろし器に今ひとつ満足していないことも挙げられる。おろしている最中にすりおろし器が安定していなかったり、食材が飛び散ってしまったり、洗いにくかったり、手の大きさと合っていなかったり…。

そんな時に出会ったのが、tsuboe の 「irogami ひとひらのおろし金」だ。鮮やかなカラーと手にすっぽりと収まるジャストサイズで、これまで面倒に感じていた作業を喜びに変えてくれる逸品だ。

手のひらに収まる「irogami ひとひらのおろし金」は、10色から選べる鮮やかなカラーが印象的。今回はロイヤルブルーを購入

長い歴史から培った技術の結晶を暮らしの中へ

tsuboe は1907年(明治40年)に新潟県燕市で、その前身となる『笠原鑢製作所』として創業した。それはその頃燕市で発展を遂げていたヤスリの製造から始まった。1940年代には2代目笠原英一氏が社名変更し、「壺エ鑢製作所」を設立。1970年代にはこれまでの製造技術を活かし特殊なヤスリを多種開発。これがおろし金製作のきっかけになった。

通常のおろし金の刃はプレス機で一気に穴を開ける作業を行うが、tsuboe では特注のマシンを利用し一目ずつ叩いて起こす「本目立て」を行っている。このため切れ味と耐久性に優れたおろし金が完成するという
幾つかの組織変更を経て現代では『株式会社ツボエ』となり4代目笠原伸司氏が代表取締役に就任。2019年には「ツボエの極上おろし金 箱-hako-」を極上シリーズの第一弾として発表、その後もモダンでスタイリッシュ、斬新なおろし金を数多く展開し続けている。

一枚の紙が柔らかな曲線を描いたようなフォルム。華やかな色彩がマッチしている
今回ご紹介する「irogami ひとひらのおろし金」は角の部分がめくれたような形状で、その箇所を手のふちにひっかけて固定するようになっている。手のひらに収まるサイズ感はまるで手の中で食材をすりおろしているかのようだ。

おろし金本体を手のひらに収めれば、ずれることもなくストレスフリーですりおろせる
120年近い製造技術で培ったおろし金は切れ味も抜群。クオリティとデザイン性、そして使いやすさでユーザーの心を掴んで離さない、職人の技を体感できるだろう。

世界包装機構(WPO: World Packaging Organisation) 主催の 「WorldStar Packaging Awards 2025」 にて、「WorldStar賞」を受賞したirogami シリーズのパッケージ。贈り物としてもぴったり

料理に味わい深さを加えて

「irogami ひとひらのおろし金」を購入すると決めてから、最初に試してみたかった食材がフレッシュなワサビだ。これまでワサビはチューブ入りのものしか使ったことがなく、一度生のワサビをすりおろしたものを食してみたかった。

まずは定番のお刺身に合わせてみよう。「irogami ひとひらのおろし金」を使ってみると、まずその使いやすさに感動させられる。手に収まるのでワサビやおろし金がずれたりすることもなく、ワサビをおろし金にあて、左右に動かすだけで驚くほど簡単にすりおろされていく。

「ひとひらのおろし金」に当て軽く動かすだけで、スムーズにすりおろすことができる
おろしたてのワサビは辛さよりも爽やかさが際立っており、おろしている最中からスッキリとした心地良い香りが辺りに広がる。お刺身に合わせて食してみれば、清々しい清涼感とともに感じるのはツンとしたフレッシュな刺激。ワサビとはこんなに美味しいものなのかと新たな感動を覚えた。

すりおろすと言えば、生姜も食卓で使う頻度が高い食材だ。調理中にすることもあるが、冷奴や揚げ豆腐など、食べる直前にすりおろしたものを載せて食べるのがまた絶品。これからやってくる夏に向けてぴったりな、冷たい麺の最後の仕上げにおろし生姜を加えると、身体に爽やかな風が通り抜けていくようだ。

冷やした出汁にそうめんを合わせてレモンを添える。最後におろしたての生姜を加えれば、涼やかな風味を堪能できる
またハードチーズをすりおろす際、これまではチーズグレーターを使っていたが、すりおろすとチーズがテーブルの上にまで飛んでしまうのが気になっていた。「irogami ひとひらのおろし金」なら小ぶりのサイズなので、皿の上だけにチーズがおろせるのも嬉しい発見だった。

小さめのおろし金だから、周囲を汚さず綺麗にチーズをすりおろせる

tusboe のプロダクトで食卓を彩り、細かやなケアを

「irogami ひとひらのおろし金」のポップなカラーに惹かれ、同シリーズで箸置きが展開しているのを知り、こちらも購入してみた。その名の通り色紙をはらりとめくったような、穏やかな光沢を放つ箸置き。箸にはもちろん、フォークやスプーンなどのカトラリーにも使えるデザインだ。

左がシャンパンゴールド、右がアイスグリーン。どれも鮮やかなカラーで、おろし金と同じ全10色が展開中

内部は中空になっているので、食事前には箸袋代わりとしても活用できる

カトラリーレストとしても使えるデザイン。器やメニューに合わせて色を選ぶ楽しみがある
これまでのすりおろし器では少々困っていた点があり、そのひとつがすりおろした食材をどうまとめて皿へ移すか、ということだった。生姜やニンニクなど、おろした状態を集めるのが難しく感じていたが、それを解決してくれるのが今回一緒に購入した tsuboe のおろし金用国産竹「やくみ寄せ」だ。

九州地方の天然竹を竹職人がひとつずつ手作りしている「やくみ寄せ」。引っ掛ける際に役立つひも付きで、こちらも国産の綿を使用している
これがあればおろした薬味を難なく寄せ集めることが出来てストレスがぐっと減った。生姜汁の絞り出しにも使えるところも大きなポイントだ。

これまでは箸などで集めていたが、この「やくみ寄せ」があればすりおろしたものをスムーズに集めることができる
そしてもうひとつ、一緒に購入したのがtsuboe の「お手入れ棒ブラシ」。これまではすりおろし器を洗う際にスポンジが引っ掛かり、上手く汚れを落とせないことが気になっていたが、これなら狭いすき間でもすっきり綺麗にしてくれる。

「お手入れ棒ブラシ」は繊細なナイロン毛と丈夫なステンレス製の太芯軸を使用している

「ひとひらのおろし金」の細かい目の間も、難なく汚れを落としてくれる

こちらの「お手入れ棒ブラシ」は「irogami 箸置き」の内部面を洗うのにもぴったりなサイズ。他にも水筒の注ぎ口など洗いにくかった箇所に対応してくれ、キッチンツールはすべて美しく清潔にしておきたいという希望を叶えてくれる。

スポンジでは届かない隙間のお手入れにもぴったり。サビに強いステンレス製で、長く使っていけるプロダクトだ

少しの手間が喜びに変わる。新鮮な美味しさをテーブルに

薬味となる生姜やニンニク、ワサビは料理の味に深みを与えてくれるなくてはならないもの。そしてチューブ入りのものは実に手軽に手に入り、すりおろす苦労もない。だが少し時間と心に余裕がある時は、新鮮な食材をその場ですりおろしてみたい。

心が華やぐ鮮やかなカラーが印象的な「irogami ひとひらのおろし金」は、これまで億劫に感じていた”すりおろす”ことを、手間をかけても惜しくない作業へと変えてくれる。

デザインの美しさと新鮮な食材の美味しさが、億劫さを払拭してくれる
テーブルを彩り、おろす作業から洗うまでのどれもがスムーズに行える、tsuboe が長い年月で培った技術を用いて作り上げたおろし金。おろしたての生姜やワサビがどれだけ味わい深いものか、そしてそれに合う料理は何だろうと考える喜びを与えてくれるに違いない。

tsuboe|irogami

irogami ひとひらのおろし金
¥2,200(税込)

irogami 箸置き
¥1,650(税込)

おろし金用国産竹やくみ寄せ
¥1,100(税込)

お手入れ棒ブラシ
¥550(税込)

https://tsuboe.co.jp/

CATEGORY